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信州戦争資料センター 中の人の思うこと、やってきたこと

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信州戦争資料センターは戦時体制下にあった日本の姿を、所蔵資料で公開し、見ていただいた方に後はおまかせするのが基本ですが、世の中の動きに黙っていられないときもあります。そんな、通常…
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2024年1月の記事一覧

とにかく黙っていられんかったー中の人の心

 とにかく、黙っていちゃいけない。ネットに書くだけじゃいけない。何かもっとしなければ、と思ったよ。(表題写真は1月7日信濃毎日新聞)  1月6日の読売新聞の自動販売機窃盗記事。同日夜、地元紙の北国新聞が行為者に取材して、窃盗じゃなくて避難民のためにしたということを明らかにした。でも1月7日、読売オンラインで見ると、この窃盗記事が能登半島地震記事の2位になっていた。この記事を拡散するXのポストも多かった。そして関係なく外国人犯罪につなげようとする輩もいた。  だいたい、ヒト

教育勅語? そんな過去の亡霊は、もういらないね

 最近、教育勅語を職員研修に使っている首長がいると聞きました。まあ、ものごとを知らないから、権威にすがらないと部下を指導できないから、明治政府の作ったシステムに頼るだけなのではないでしょうか。  ところで、大日本帝国憲法が発布されたのは1889年(明治22)年。「大日本帝国は万世一系の天皇之を統治す」「天皇は神聖にして侵すべからず」で始まり、天皇を君主として明確にしました。教育勅語が出されたのはその翌年、1890(明治23)年10月30日のことです。教育方針について長官会議で

「あなたは祖国のために戦えますか」という言葉の欺瞞性ー武力だけが安全保障の道ではないし、そもそも何を守るのか

 2024年1月19日、桜井よしこ氏がこうツイートした。「『あなたは祖国のために戦えますか』。多くの若者がNOと答えるのが日本です。安全保障を教えてこなかったからです。元空将の織田邦男教授は麗澤大学で安全保障を教えています。100分の授業を14回。学生たちは見事に変わりました。」  中の人は当然、講義を聴いていない。学生たちがどう変わったかも確認はできない。そのうえで、このツイートの欺瞞性についてのみ、論じたい。  まず「祖国」。これは非常にあいまいで百人いれば百様の「祖