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愛する言葉

『愛する言葉』

岡本太郎 岡本敏子(著) 発行:イースト・プレス


―なにが起こるかわからない。
一刻一刻展開する。
生きるって、そういうことでしょう。―
岡本敏子

―人間というのは
生まれつきのかたちで、
生きているのがいちばん美しいんだ。―
岡本太郎

岡本太郎さんの言葉は青で
敏子さんと言葉は赤で。
言葉にハッとし胸に響くのはもちろんなのだけど
「天国で再会したふたりが語り合っているようになったらいいな」
とこの本は編まれたところ。
そんな、二人への敬意と愛がこめられているところも
この本のすばらしさだと思います。

愛するとは。
男女としての愛についても書かれているのだけれど
決して断じてそれだけじゃない。
この本を読んでいて一番感じるのは
愛し方は生き方だということ。
愛するも生きるも一人の同じ人間がすることだから。
まったく分けてやることの方が難しいのかもしれません。
これって根っこの部分の考え方の本だなって思うんです。
何かにむける愛でも、情熱をかけた仕事でも
なんでも自分なりに噛みしめられる。

自分の人生の中に存在する
「愛したいもの」への
愛するという表現の純粋性を高めて遊ぶ。
そんなヒントになるように思います。
二人が遺した
激しくて、熱くて、純粋で
真っすぐで、ぶれない言葉たち
カオスである本当さ。
読むたびに発見と新しい解釈もでてくる
味わい深い本です。

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