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くすのきだんちは10かいだて

『くすのきだんちは10かいだて』

武鹿悦子(著)
発行:ひかりのくに

「ママね、心の中にくすのきだんちを置くことにしたの。いつでもどこでも想うとうれしいおうちが心の中にあるといいなって思ってね」
「え!!たしかに~~(ほくほく)みんながいつでもいてくれていいね、私もそこにする!」
「住むなら何階にする?」
「上の方が景色が良くていいなぁ」
「レストランのそばがいいなぁ」
・・・
ある日こんな話をして娘とほくほくしていました。
長女・おねぇが小4になっても変わらず大好きなこの絵本。
しみじみ本当に好きで。ひとりで本棚から出してきたり、シリーズで並べてはまだ持っていない本を楽しみにしていたり。
読んでもらうならこれがいいと持ってきてくれる絵本。
“ひとりでも読めるけど、これはよんでもらいたい、一緒に読みたい“
そんな小さな心に触れるだけで、また私も温かくなります。好きなものでつながれてうれしいし、好きな人が好きなものはますます好きになる。
これだけでもこの本がどんなに親子の心をつなぐ良い本なのかがわかってもらえる気がします。
作者の武鹿悦子さんが、こんな風におっしゃっていました。
-「くすのきだんち」ほど住み良い住居はありません。
よい風が吹き、住人のだれもがお互いを思い合って
いざとなれば、たちまち協力してことにあたります。
大工さんもいる。看護師さんも、料理人も、音楽家もいます。みんな違う。でもだれひとり違うことを憎みません。違うことを認め合うから活かしあえるのです。
よい環境は、ひとりひとりの心次第で出現します。―
そうか・・・納得。
超ナチュラルに、世界がこうだったら嬉しいなぁ~がちりばめられてるんだ。
「多様性・OOレス」が叫ばれる時代
そうであるために、そう変わるために声をあげることも大切。
でも、響く声で大きくそのテーマを叫ばない伝え方もある。
まぁるくて包括的な見えないなにかにふれることは、自然と感性を育んでくれる。
わたしは、それこそを一番の師と仰ぎ、そこのこそ心からの豊かさを感じます。
これが、絵本の持つ素晴らしさで、大人も子供も緩ませてくれる魅力なんだと思います。
この本がシリーズの一番はじめの物語。
リクエストを頂いていたこともあり、冬にぴったりの「くすのきだんちはゆきのなか」
と2冊今月は取り扱います。
子供たちのクリスマスのプレゼントにもぴったりです。

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