あたらしい登山案内
『あたらしい登山案内 -趣味と気分で選べる山ガイド』
ホシガラス山岳会 (著)
発行:パイインターナショナル
今年はついに登るぞ!と決めた、山。
改まるのもなんか変なのだけど。
高尾山や鞍馬山、取材で登る山、スイスのトレッキングなど今までもちょこちょこ記憶に残る山登り体験はあったのだけど、なんだか本当の本当に(?)山のぼりの一歩が始まる気がする。
まさに
いつ登り始めるの?
“今でしょ!”(このフレーズって改めてすごい。)
何故かわからないけど、今だ!って感覚になるときってある。
で、そうなるには、それまでの気持ちの醸造の時間も楽しむのが秘訣だと思ってます。
今回の私の場合は、ここ2年くらい、ずっとなんとなしに横目で「山」を感じつつ
でも最後の出産を終えてまだ赤子を抱えている中
SENSEOFWONDERの創成に駆けていて。しかもコロナ。
山への想いの「や」くらいをにぎりながら、タイミングとそれほど強い思いは来なかった。
だから、ひとまずいろんな本を読みながら、脳内で味わっていたのでした。
読むだけでも十分に楽しくて、別にリアルには一生登らなくてもいいや~満足★
くらいの気持ちで。
そんな中でも、特に私の山心をくすぐり、登ってみたくなる気持ちと
疑似体験を楽しませてくれた大好きな一冊が、この本だったのでした。
これは、「や」の手前、一画目くらいの初心者さんはもちろん
けっこういい感じにスタート切っている方もとても楽しめる本。
なぜならこちら山のハウトゥ本じゃなくて
アートであり読み物として十二分に成立している本だから。
何をかくそうこの「ホシガラス山岳会」というグループは
「本を作る」という仕事を通して知り合った女性たちからなる山の会です。
本気のモノ作りのプロである大人女性たちが
自身の趣味と特技を持ちより、それぞれの視点や楽しみ方で
山の魅力を存分に見せてくれるという、私からしたらまさに夢のような本なのです。
万人を対象にしたわかりやすい山ガイドブックじゃないのが、むしろとても面白くて
未知なる世界への好奇心をくすぐってくれます。
私の場合、山に惹かれるのは、山の空気にまみれていたいからなのだけど
まさに、その気配の宿る本。
陽が落ちた山小屋で、灯の中うとうとしながら夕食を待つ描写や
山で食べるお鍋や、今宵の我が家(テント)からの絶景。
こんなスペシャルな登山のかけらに触れられる時間の贅沢さよ。
ベランダに出て、夜風にふかれながらラムココアを飲みながら
ランタンの灯りでこの本を読むなんでどうかしら。
もうそれだけで最高。
究極、やっぱり登らずにしばらく読んで楽しむだけでもいーじゃんね。
山の「読み専」もありだなぁと思うのです。
いや、私は今年は登るぞ!(笑)
一緒に山登り始めたい方も、まずは読み専になりたい方も。
どうぞ♡
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