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特別じゃない日

『特別じゃない日』

稲空穂(著)
発行:実業之日本社

日々の暮らしの、なんてことないカケラを集めた愛しいマンガです。
ある小さな街を舞台に、そこで生きる人たちの想いやくらしぶりが描かれていて
ほっとしたり、ホロリとしたり、ぎゅっとしたり。
私たちは、ひとりひとり誰もが主人公で、それでいて、誰かの人生では彩りを加えるサポート役。
みんな関わり合って、日々が織られていく。
出産とか結婚とか仕事での大きな出来事とか、人生の中でビッグな局面はももちろんあるけど
本当の大舞台は、今この瞬間そのものだと思ってます。
その瞬間にいいとか悪いとか、損だとか得だとか
そんなのつけてもしょうがなくて。
なんだかな~ってことだってあるし、正解はないことの方が多い。
ただ、それはそれで、わからないままにしてたらいいし、
だきしめながら今目の前にあるものを思いっきり感じたらいい。
喜んだり面白がったり時には怒ったり悲しんだり。
そんな日々こそ愛おしくて、叶うならずっとこうしていたい。
そしてそんなところには、思えばだいたい一人より誰かがいる。
この漫画で交差していくように、家族だったり近しい友達だったり、職場の人だったり。
あぁ、喜びってそんなことなんだなぁって思います。
体感の感度をあげて
今縁あってそばにいる人の事を
今以上にどれだけ楽しませられるかな
この瞬間をどこまで密度高く味わえるかな
小さな自分の日々がとても大切に思える
とにかくそんな、暮らしと人生への慈しみがつい溢れちゃう漫画です。
そういうのって、本の醍醐味だよね。
自分の日常がいつもよりちょっと好きになる。
それって大きな宝だと思うのです。


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