2021年7月 おとなもちょっと夏休み
SENSE OF WONDER 今月の本
『おとな小学生』
益田ミリ/著 ポプラ社
※ 単行本ではなく文庫版です。
生きてきたことを
いろいろひっくるめて
愛おしくやさしく感じる
珠玉の体感エッセイ集です。
２１冊の絵本とそれにまつわる益田ミリさんの子供時代のストーリー。
冒頭の、絵本「ふたりはともだち」を紹介するエッセイ
「友達からの手紙」を読んだだけで
あぁ、わかる、と胸の奥がぎゅっとなる。
そしてページをめくって
そこから続く、まんがで描かれたページがまた
追ってくる波のように胸に迫る。
友だちにごめんと言えなかった気持ち
なんであんなこと言っちゃったんだろうって気持ち
反対に、言われてもやもやしてどうしていいかわからなかったこと
子供時代って
真っすぐで純真で、だからときどき痛い。
そうだ、ハウトゥじゃなくて
その練習を一生懸命自分なりにしたみたいに
手で、足で、体で、体幹で知っていくように
人間関係もそうやって感じて覚えていくんだ
自分の子供の頃に一気にタイムスリップしたり
子供の今を想ったり。
どこかにきっとそれぞれに共感ポイントがあって
まるでタイムマシンのように
「あの頃」との距離がぐっと近くなるこの本は
思い出がたくさん詰まった
夏休み期間に読むと
これまた、ひとしお。
入道雲がでそうな晴れた日を待って
スイカと塩と麦茶を用意して読みたい。
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