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そらのきっさてん

『そらのきっさてん』

くまくら珠美 (著)
発行:理論社
21.7 x 0.8 x 24.7 cm

今回は大人にほろりと効く絵本をご用意しました。
―ここは そらにある
しろくておおきなねこが店主の喫茶店。
下界を旅立ったいきものがつどう
メニューのないおみせです―

4月のおすすめ絵本だった
「ほしのこんぺいとうハンター」のつづきのお話です。
でも、これだけで読んでももちろんわかるお話です。

お店にやってきた犬のジョンくんには
“なみだのあじ おもいでのサイダー”が出てきて
それを飲みながら思い出す
下界にいたころのストーリーや
よく吠えていた意味に
思わず胸がぎゅっと、ほろりと。
わたしがいつかそらのきっさてんに行ったときには
下界での「いま」がいつかの思い出になって。
その時、どんなたべものやの飲み物がでてくるんだろう。
その時、どんな気持ちのものが出てきたいだろう。
そんな想像をしてみると
なみだの味や悲しい味より
やっぱり普通だけどうれしい味、積み重なる愛しさを思う味
そんな味がいいなぁ。
そんな今をいつか思い出したいなぁと思った。
とはいえ究極のところは
結局苦みも辛みもどの味も
下界でのかけがえのない思い出だな。
うれしいの前のほろ苦さがあるとドラマチックでスパイシーでいいもんな。
どの味も、味わいたくて今ここにいるんだろうな。
そんなことを思いながら。
かわいくて、愛おしくて
ほろりと胸にせまる
素敵な絵本なのです。
大人へのプレゼントにもおすすめ。

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