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ダクソ考察【世界蛇は世界樹だった】


はじめに

まず考察をお読み頂く前に、別の記事で用意している私の考察スタンスをご覧頂ければと思います。
それをお読み頂いた後、納得の上で以下考察をお読み頂ければと思います。
そんな細けぇこたぁどうでもいいよって人はこのまま先に進んでください。


ダークソウル世界における蛇といえば、世界蛇
今回はフラムトとカアスのその正体についての考察です。

結論からいうと世界蛇は蛇ではなく【木】

正確には“木の根”だという考察です。
以下にその根拠を挙げていきますのでお付き合いください。


蛇と木

無印のプロローグ(明るさ補整済み)

ダークソウル世界における【木】といえば
プロローグで語られる大樹がありますね。
灰色の岩と大樹と朽ちぬ古竜ばかりがあった、というのがはじまりで語られますがその大樹は岩の大樹であり、古竜もまた、※鉱物のような存在であると宮崎さん自身が説明されています。
(※DARK SOULS DESIGN WORKS』の巻末インタビューより)
つまり姿形は違えど、世界のはじまりは岩ばかりだったのです。

岩の大樹への言及がされているのが無印で火継ぎの祭祀場の裏手にある墓地、地下墓地手前で拾える双蛇の円盾です。

双蛇の円盾

ロードランの地で知られる円い木の盾
古いシンボル、双子の青い蛇が描かれている

この地の樹木は、岩の大樹の遠い子孫であり
その性質をわずかに受け継いでいるため
魔法に対するカット率が高い傾向にある


どうやら盾に描かれた双子の蛇は、無印時点でもかなり古くからあるシンボルのようです。
その説明の後、唐突に材質である木の説明が入ります。
木の盾だから、ともとれますが蛇は木であることへのヒントとしてあえて、木製の盾にしたのだと思います。
そしてこの盾があるのはフラムトが出てくる火継ぎの祭祀場。
また、この蛇は双子と言われていますがその胴体は分かたれておらず、ひとつなぎになっていることを覚えておいてください。


続いて出てくるのは黒い森の庭に配置されている希少モブの双頭トカゲです。
配置数も少なく何のために?というような敵ですよね。
しかもやたらと首が長く、顔つきもどちらかといえば蛇に近い。

また、木と蛇なんです。

黒い森の庭には樹人や動く木もいますよね?
木は生きていて動くことが出来ることを表しています。
世界のはじまりではただの岩と、岩の木と、岩の竜がいたように、無印にはただの木と、動く木と、人のような体や意志をもった木がいるのです。
元は同じでも、様々な姿に派生する世界で、木の根が蛇のように喋ったとしても不思議ではないでしょう。
に擬態する双頭の蛇(のようなトカゲ)
に擬態する双頭の木の根…なのでは?


木のにおい

火継ぎの祭祀場にフラムトが現れた際、心折れた戦士に話しかけると、突如として現れたフラムトに悪態をつくのが聞けます。

スメハラはキツいよね…

あまりの臭さに居辛くなり、心折れた戦士はこの場を離れてしまいます。
そんな心折れた戦士を再び戦場に送り出した程のフラムトの口臭ですが、どんなにおいだったのかを指し示すアイテムがあります。

懐かしい香木
微かに甘い香りがする香木
石と化した生物を元に戻す

長時間かぎ続けると、咳込んだり、
吐き気を催すこともあるので注意

ダークソウル2の世界で道を塞ぐように石化した生物を元に戻すためのアイテムです。
香木とあり甘い香りとかかれていますが長時間嗅ぐと吐き気がすることもあるようです。
そしてその名も“懐かしい”香木
あたかも無印プレイヤーに

「ほら、懐かしいでしょ…吐き気がするでしょ?」

とメタ的に語りかけているかのごとく。

またダクソ3において甘いという言葉は各所で使われます。
まずは絵画世界の鴉人、ある特殊な条件下でのみ発する台詞です。

…だから君も、はやく探すといい
ずっと甘く腐っていく、君の寝床をね…

一部省略

甘く腐っていく…という一般的には使われない言葉ですが、あくまでも腐った臭いとなれば気持ちのいいものではないことは確かでしょう。
そしてロンドールのユリアもまた、こんな発言をします。

貴公、懐かしい香りをさせているな
甘い香りだ…。だが我らは、とうにそれを失った
…貴公が、どこでその香りを纏ったかは知らないが注意することだな。甘さとは、ときに誇りを曇らせる…

フリーデとの会話後に話しかけるとこのような発言をするのです。
世界蛇の娘であるユリアが甘い香りを懐かしいと表現する、親である世界蛇の甘く腐ったような口臭を思い出してのことでしょうか。
それともただ、姉妹の香りを懐かしく思ったのでしょうか…

いよいよ蛇の正体

灰の指甲

探索者ロイが身に着けていた指甲
石化耐性を高める

石化はほぼ死と同義であり、
その意味ではこれは死を遠ざける
護りであるともいえる

懐かしい香木と同じくダクソ2で石化耐性をあげる指輪ですが、石化とは死と同義と言われています。
では石化を解く懐かしい香木は、死者蘇生をしているともとれるでしょう。
蘇生といえば、有名なシンボルマークがあります。

アスクレピオスの杖

正確には医療のシンボルですが、アスクレピオスというのはギリシャ神話で死者蘇生をした人物です。そしてその娘ヒュギエイアも似たようなシンボルマークがあります。

ヒュギエイアの杯

ヒュギエイアの杯は薬学のシンボルとされています。
さて、これに似た武器がダクソ3に登場します。

托鉢の杖

托鉢の名で呼ばれる杖
先端に付いた鉢がその理由だろう

敵を倒したとき吸収するソウルを増やす

古く蛇たちが使用した貪欲の名残であるとも
本来は魂を呼ぶ儀式杖であったともいうが
その由来ははっきりとしていない

戦技は「追加詠唱」
左右どちらに装備していても有効な戦技
ごく短い間、使用する魔術の威力を強化する

古竜の頂の召喚士が落とすレア武器。
蛇人が扱い、説明文にも蛇が使用したとあるこの武器ですが、なにやら細長いものが巻きついたデザインとなっております。
ここまで蛇蛇とくれば蛇かと思いきや、近くで見るとまるで木のような表面になっています。
本来は魂を呼ぶ儀式杖であったとありますが、その儀式に無印プレイヤーは立ち会っています。

これです。火継ぎの祭壇。その篝火を湛えるこれが托鉢の鉢です。
火継ぎの祭壇は木の根に覆われた場所であり、世界蛇が連れてきてくれる場所であり、周囲には王の器と同じものもあり、王のソウルを置くところでもあります。
そしてこの杖は蛇の貪欲の名残であるとのことで、ソウル吸収量を増やす銀蛇の指輪と同じ効果を持ちます。

木の根は水を吸って栄養を吸収しますよね?つまりそういうことなのです。

莫大なソウルを持ってこさせ、その栄養を吸い取らんとしているのです、貪欲なまでに。
そしてその根が吸うのはただのソウルではありません。
地下深くに溜まったもの、ダクソ3でいう人の澱み即ち人間性です。

深淵から人間性を吸い続けた木は一体どうなるのでしょう?
ダークソウル3で呪いを受け続けた木は呪腹の大樹となり、おぞましい姿になったその腹からは何かが産まれようとしているようでした。
世界蛇の娘たちはそのようにして産まれたのでしょうか?

フラムトやカアスの下半身が出てこない理由も、ここまでくれば明白です。
その先が木であるから出て来ようがないのです。
闇の王エンドで沢山のフラムトとカアスが並ぶ理由、木の根だからなのです。
そして双蛇の円盾のシンボルや双頭トカゲがそうだったように、本体はおそらく一本の木であり、全てがフラムトでありカアスであるのだと思います。
彼らの体表は鱗がなく、木のようになっています。
試しに殴れば生物というより木のような音がなります。
何故地下にいるマヌスを掘り起こすように仕向けることが出来たのか、木の根である彼らはマヌスがそこに埋まっていることを知っていたのです。

石化を解くこと(死者蘇生)が大樹の能力であり、はじまりの火によって大樹が燃え、まさしく香木のごとく甘い香りを発した為に石化していた、あるいは化石となった生き物たちを蘇らせたのが、この世界の始まりだったのではないでしょうか?
それ以前に何があり、何故全て石化していたかまではわかりませんがプロローグの映像では最初、古竜も岩のように動かないもののように見えます。
そしてこれがはじまりとされたのは全てが静止し、この世界の観測者がいなくなったから。
石化は死と同義ですからね。
そして次第に立ち上る煙は地上の古竜達をも動かした…のかもしれません。

以下余談

ちなみに余談ですが
根が蛇になった大樹の姿、想像してみてください

グウィンドリンの立ち姿に似ていませんか?

https://youtu.be/39vB72mBuF4?si=nC85PgTIWZGYMh6s
から引用
右足がフラムトで左足がカアス、みたいな?

グウィンドリンは太陽を模した兜を被っていますが、これが大樹の似姿だとすれば太陽は大樹の上にあるのかも…
下半身が根のようになっているシースにも似ている、あるいはその両方か…

そして最初に出てきた双蛇の円盾ですが

カルラの服についてる金具がそっくりなんですよねー…

アリアンデル絵画世界の扉

二匹の蛇が絡む杖といえば有名なものでヘルメスの杖がありますが

ヘルメスの杖

この彫刻の蛇が噛んでいるのは無印にて不死教会などの像にみられ、またデモンズソウルにて火防女が持っている杖でもあります。
何故火防女の杖に絡んでいるのでしょうか…

※追記
双鳥の木盾、双竜の大盾と双頭のモチーフは全て木製の盾になっており、より一層世界蛇が双頭であることを示唆するとともに
蛇と鳥と竜は同一であるかのようにもとれる

ここから先はまだなんの根拠もなく、ただの妄想ですが世界樹とくればおそらくユグドラシルはモデルのひとつです。
ユグドラシルは3つめの根をニーズヘッグというドラゴン、もしくは蛇に齧られています。

そしてニーズヘッグは「神々の(死と滅亡の)運命」であるラグナロクを生き延びるといわれています。
この根を齧るニーズヘッグの要素を持ったキャラクターとして創られたのかもしれません。
もしくは、ニーズヘッグの立ち位置が古竜であり、害をなすとして古竜を滅亡させようと企んだのか…
ユグドラシルは3つの根があるので、世界蛇もフラムトとカアスともう一匹いたかもしれませんね。
だからその娘は三姉妹なんだろうか、などと思ったり。
ちなみに絵の中の三人は運命の女神ノルンです。
双頭の鷲もダークソウルでよく使われるシンボルですね。

またしても余談ですが…
エルデンリングで“死の根”というアイテムがありますが、その根には死体が絡まっています。
そしてそれらは必ず地下墓地の中にあります。
死者は地下深くに埋葬されるというのがフロムではよく描かれており、マヌスなんかは深淵の最奥という深さに埋葬されています。
また地層というものがあるように、時の流れとは上に積み重なるものなので古いものはどんどん埋まっていく運命にあり、遺跡などは掘り起こして初めて見つかるものです。
その地下深くと天とを繋ぐのが、深く根をはり空まで伸びる木なのです。
そして土の栄養となるのは様々な生物の死骸です。
生物の死を栄養に成長するのが植物なのです。
エルデンリングの死の根はダークソウル世界の大樹もそうであるとの示唆ではないでしょうか。

またモデルとなったのはユグドラシルだけでなく、シベリア杉やオークもあると思うのですがこれはまた別の話になるのでここではやめておきます。
以上、長くなりましたが「世界蛇は世界樹」の考察でした。

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