見出し画像

CandyCircus #11 アマレット

画像1

2021.7.7〜


7.7 制作開始

以前、個展で見せて頂いた作品の印象が強く残っていたため、帯としたしたいと思いました。まだ、作品を元にした図案の検討から。

この段階では、つくる50%くらいの確率で、帯とする場合、どんな織組織で進めていくのか?その織物の場合、丁数(使用する色)は足りるのか?など、一緒に検討します。

今回は、今までのCandyCircusでもメインの紹巴織。色数少なく濃淡、黒や墨濃淡の部分が多いため、どういう風に上げていくのか?ここの検討が大事。具体的には、黒を地に入れてしまうと、色が濁る。そのため、黒の糸を分離させた場合、色数が膨大になる。裏糸の処理の問題など・・・。

CandyCircusでは同じような作品を帯にしてきましたが、制作の工程は全く異なるモノとなりそうな感じがヒシヒシとしてきます。


7.12 図案&意匠図づくり#1

具体的な最初の動き、お太鼓にした時のサイズ感。色糸の数、どれだけ使うって表現していくのか?その打ち合わせです。

この段階でほぼ最終段階の形が決まってくるので、とても重要な工程になります。

ちなみに、今の段階では作品の寸法のままお太鼓へ持ってくると、少し大きく感じるため、違和感がないように一回りちょっと小さくして織にする検討中。

それと並行して、紹巴織で行く予定なので、地に3丁。作品から何色を選ぶのか?をいくつかのパターンで検討。無駄なくすると、地が濁る。スッキリさせようとすると、2色以上余分に色数を使う必要がある。これは重量面に響いてきます。など、バランス、作品の空気感、上手くいけば、新しい手法・技法での上げ方でモノづくりが可能になるかもしれない。

まだ、検討段階ですが・・・


8.2 意匠図(紋)作りに突入

前回の打ち合わせに基づき、紋作りにはいる。紹巴織の地色に関しては、1丁目:白、2丁目:グレー、3丁目:ベージュ。を仮色として、できる限り地を濁らせない方向で進めることに。

今回の帯づくりは、3つの糸で地をつくり、その上に柄として黒や色を重ねていく。シンプルな構造を目指しています。紹巴織の特徴は、この地と柄の境界線を上手く混ざり合わせること。ですが、今回に関しては、この部分を切り離しました。

これがどう出るのか?まだ紋作りを進めていかないとわからないところ。それでも、フワッとしたある程度の概要が固まり、実際に紋作りは大きく進みましたので、完成まで意外にそんなに時間が掛からないかもしれません。

しばらく毎日、この微修正の紋づくりが続きます。


9.25 意匠図完成

帯の構成としては、お太鼓+お腹の柄。そして、その間をつなぐ間の紋。大きく分けて、3つの意匠図をつくりました。

そして、ここからはできるだけ試験織を取って、修正する箇所がある場合(設計ミスやキズなど)の確認を行なっていきます。

できないこともないのかもしれませんが、ここでの配色はほぼ一発では決まらず、少なくても2−3度試験織を取り、本番へ入ります。今回は地が白、柄が黒、そして印象的な赤。ここをどう分離させながら配色していくのか、それが大きなモノづくりのポイントになります。



10.8 最初の目出し

少し時間が空いてしまいましたが、まず最初の試験織が上がってきました。

お太鼓部分

画像2


お腹部分、お太鼓との間の紋

画像3

写真で見る限りは、悪くありませんが、黒と白、グレーとの間が近寄り過ぎの色になったため、もう少し色糸を変えることで、差をつけるようと思います。

設計段階では、そのような意図で制作しているため、もう少し何とかなると思います。これが上手く行けば完成となります。ここまで来ると、完成まで僅かです。


10.22 ほぼ最終の詰め


◯第一候補

画像4

◯第二候補

画像5

上記二つで、最終の詰め。
下は黒の色を濃く、地色の白がその黒で多少深くなる。そして赤も全体に合わせて濃く配色。

最後の最後は一本織ってみないとわからない部分もありますが、ほぼ下で決まりそうです。

合わせて、中無地と裏地も試験中。。。


10.28 裏無地 配色中

画像6

クッキー気球のように、裏無地として制作を進めていますが、できればそれ単独でも帯として結びたくなるモノを作りたいと思います。そのための紋づくりと配色です。

配色とともに大事なことは、名前。今のところ、仮称『らんでん』。白地を元に、グレー濃淡で、茶系も入れたりと試験しています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?