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【完成】あまみーいろ 南蛮七宝(更新2021.7.8)

2020’秋 スタート

唐長文様『南蛮七宝』。いままで大島紬で数種類製作していきました。泥からはじまって、白、藍、白夏、藍夏、しーぎ、割り込み泥・白。絣糸の制作都合上、最大8反、最小2反。完売となっても、同じものはつくらない。そんな超小ロットでの生産です。

一番最初の泥を制作した時の製織中動画です。


これらの制作を今まで行なっているため、1からといっても大島紬という技術をつかっての南蛮七宝文様。その完成イメージは付きやすいです。今回は、これまでの経験を活かし、奄美大島の草木をつかった『あまみーいろ』のモノづくりです。

20'11−12月

新たに大島紬を制作する場合、タテヨコ絣であれば完成までには少なくとも半年〜数年掛かります。製織段階でも時間は掛かりますが、それ以上に時間と手間を掛けるのは、その前段階の図案や原材料づくりです。

今までも『あまみーいろ』のモノづくりに関わったいましたが、モノづくりの限界『どこまでできるのか?』というものの理解が必要になります。しかも、西村さん(西村絹織物社長)のできる範囲がお会いするたびに広がっているため、こちらの更新も必要になってきます。

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これはある『あまみーいろ』の経糸。草木で染めているため、つくることのできる色の範囲も頭に入れておきます(これも更新し続け中)。

2021'1-2月

まだ、この段階では秘密となりますが、使用する草木の方向性を決めておく。出せる色が季節、環境、そして媒染剤によって変わるため、この『方向性』という、範囲を持たせておくことが大事。イメージの糸が上がってきたときに、織へ掛けてもらうため、ある程度、待ちの時間も出てきます。

スクリーンショット 2021-03-30 14.07.51


2021'3.1 キモノsalon掲載

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昨年末に取材いただいたものが形になりました。第三者の目でモノづくりを追ってもらう(ごく一部ですが)。そして、新たに構成してもらうことで、こちらにも気づくことが沢山あります。あまみーいろでは、こんなモノづくりをしているんだ(笑)。とか、記事を書かれた方の主観が読み取れるので、自分たちのモノづくりの気づかない強みにも気付かされます。

そして、南蛮七宝の絣糸。途中経過で見せて頂く。

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絣の糸は黒じゃなく茶系。もう一色作る予定。


まだ、原材料の完成にも至っていませんが、今のところの予定としては、最初の2反につかう横糸の原材料を揃える。4月中旬に機へ掛かける、そして織りはじめ。

あまみーいろは織りにくいと織り子さんには有名なもの。どれくらいの時間で一反目が上がってくるのか?3反目以降の横糸つくり。

と、まだまだやっていくところは多いモノづくりです。


2021.3.30 製織中①

また後日、理由は説明したいのですが、南蛮七宝の原料を機へかける作業を少し急いで頂いた結果、この3月中になんとか製織へ入ることができました。

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まだ、現在は織りはじめの段階。ゆっくりとお絹の調子を伺いながら毎日少しずつ、進んでいます。来月頭で奄美へ行って、この辺りの撮影と緯糸に通す糸の打ち合わせを行っていきたいと思います。


2021.4.6 製織中②

ようやく奄美で製織を見れることに。織り子さん的にもこの南蛮七宝は好きながら(もちろん、それが織りやすいとは限りませんが)、丁寧に織ってくださっていました。

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今回の『あまみーいろ』の織り・素材で制作。用途としては夏単衣・夏等の基本的に真冬を除く季節をカバーしています。そのため、色も夏大島ともまた違った配色。そのための草木染めの糸は、今までつかったことのない組み合わせです。

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ちなみに、大きな変化は絣の色。今までの白大島でつかう『黒』ではなく、使わなかった色です。黒とは違って、ここに関しては絣糸が地色に混ざって、ものすごく見えにくい。そのため、できるだけ明るい光で織る。その結果目が疲れやすい・・・。

素晴らしいモノに仕上がるに違いありません。

基本的に一つの色あたり2反のみ×地色は3色ですので、計6反。今回のあまみーいろはそれだけの制作になります。

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一反目が5月中旬ごろの仕上がりです。


2021.6.15 完成

随分と予定よりも完成の時間が過ぎてしまいましたが、6月15日完成。

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6月30日修学院にある唐長さんの工房へ。どういった経緯で制作されたか等、モノづくりの話をさせて頂きました。

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