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【番外編02】作楽×MONOHA-1/総紗縫

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1,デザイン/弦月

お太鼓にお月さま、というシンプルなデザインの袋帯。

むかしからお月さまをモチーフにした帯はやまほどあります。月は、女性・優しさ象徴、満ちていくことから成長を意味する、ツキを呼ぶなど。また昔は太陰暦を用いていたように、生活と密接に関わっていたため、意匠としても用いやすかったこともあります。

となみ織物でも、三日月、満月(大きな月から小さなモノまで)、下弦、上弦など様々織り帯として制作してきました。シンプルなモノから、ある程度リアルなお月さま、まで。


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ちなみに、上弦か下弦の月かは、西の空に月が沈むとき、弦が上になるのか、それとも下か?で区別を付けるそうです。この帯に関しては、イメージしているのは今から満月に向かう月=上弦をイメージしています。ただ、敢えて想像の余地を入れて、『弦月』としています。


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3,お腹部分

お腹部分は、波頭とお月様をデザイン。お太鼓がシンプルなのと同じく、様々な着物とのコーディネートを考えて、こちらもシンプルに。ただし、さざ波ではなく多少波頭のある中に浮かぶ、お月さま、です。



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4,他配色

帯意匠はシンプルなため、配色を変更するとイメージは大きく変わります。そのため、同じ配色のものは制作せずに雰囲気の全く異なるモノづくりができそうなときのみ、制作に入ることをコンセプトにしています。

たとえば、この帯の配色違い。
帯の地色は黒、そして『月』は金の箔で上げています。比較すると、前者は静かなどちらかと言えば冬の静かな光が海を照らすイメージ。後者は夏もしくは春の終わりの力を感じるお月さま。

同じ意匠でも、雰囲気・性質がまったく異なった帯になっています。

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