冠詞と数
突然ですが、ネコ派、イヌ派で言うと、私は断然 ネコ派です。
ネコ大好きです。
ここで、「ネコが好きです」を英語で言う場合、
1) I like a cat.
2) I like the cat.
3) I like the cats.
4) I like cats.
5) I like cat.
基本的には、この5つがあり得ます。
文法的にはどれも正しいですが、意味の違い、わかりますか??
ニュアンスを含めた訳は以下の通りになります。
1) 名前も、何のネコなのかは言わないけど、とある一匹のネコが好きです。
2) あの例のネコが好きなんだよね。
3) あの例のネコたちが好きなんだよね。
4) 好きな動物はネコです。
普通の会話の中では、4) の答え方が多いと思います。
さて、問題は5)です。
実はこの場合、少し不気味な意味になります。
冠詞がなく、単数形ですよね。
一般的に、材料、原料などは、無冠詞・単数形になります。
Almost all automobiles contain metal.
「ほぼすべての自動車には、金属が使われています。」
といったときの、metal がそれにあたります。
航空機内の食事のとき、CAさんに
「Beef or chicken?」
と聞かれた経験ありませんか?
無冠詞・単数形ですが、まさに料理の材料、つまり「食材」としての意味で聞いているわけです。
5) I like cat.
の意味、お察しいただけましたでしょうか?
しかし、
「材料の場合は、無冠詞・単数」
といったように、機械的に5つの例文を、ステレオタイプに覚えてしまわないように注意が必要という例を一つ。
「何の肉が好き?」
という会話の中で、
I like chiken.
「やっぱ鶏肉っしょ!」
この返答は自然ですよね。
一方で、
I like the chiken.
「やっぱあの(あそこの)鶏肉がすきだね!」
という回答はあり得えます。
あり得る、という意味では
I like a chiken.
もあり得るといえばあり得ます。
この場合「鶏肉、1羽丸ごと持ってこーい」という意味になります。
但し、会話には文脈というものがあります。
例えば、航空機内で、
「Beef or chiken.」
と聞かれ、
「I'd like a chiken.」
と答えてしまったとしても、淡々と鶏肉料理を持ってきてくれるはずです。
在米経験、海外ビジネスの経験から、ネイティブの人とも、非ネイティブの人ともコミュニケーションをしてきていますが、
「ちょっと待ってくれ、今「a」といったのか、「the」といったのかどっちなんだ?」
なんてことで会話が止まったことは、見たことすらもありません。
テストでは間違えれば ✕ がついてしまいますが、コミュニケーションにおいては、正解/不正解にとらわれすぎることなく、ドーンと行きましょう!
ちなみに、まさに丸鶏一羽分が欲しい場合はどのように伝えればよいのでしょうか。
例えば、
I'd like [a] chicken.
と [a] を強調して伝えたり、「丸ごと」を表すようなジェスチャーを加えるのも良いですね。
そのうえでさらに、
I mean a [whole] chiken.
とそえて伝えてあげたり、
相手に理解を促すような「思いやり」が必要だと思います。
「a chiken は一羽の鶏という意味なのに、相手は理解できていない」
などと、決して文法マウントを取るようなことはしないように。。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?