渡に舟の外出
こたつから離れなければと意気込んでいるところに、民宿から連絡があった。
掃除の依頼。
まさに渡に舟、タイミングがよい。
願ったり叶ったり。
一石二鳥。
渡に舟とは法華経の「渡に舟を得たるが如く、暗に灯を得たるが如し」が語源のようだ。
ちょうどいい具合にことが運ぶ。
仏教用語だとは知らずにいた。
それにしてもいつから仕事好きになったものか、我ながら感心である。
でも、渡し舟から三途の川を連想してしまった。
仕事へ行くためだけに外出すると言うのは、ある意味危うい状態だ。
それ以外は引きこもり。
これから寒くなるとよけいに外出がおっくうになる。
それでも去年までは気軽にカブで走りまわったはず。
一気に老化したのか、一時的なものであってほしい。
帰り道、いつもは見かけぬ、ごついアーミーグリーンの車両とすれ違う。
そうだ先日、大きな事故が沖合で起きている。
島の出来事もネットニュースで知る程度である。
はずれに住んでいるし、飛行場や港にも行かないので現実味がなかった。
隣の島も無人島への基地移転工事でてんやわんやらしい。
プロペラ機のみだった飛行場もジェット機導入のため、拡張される予定だ。
静かな島も、これからは変化していくのだろう。
無関心ではいられなくなるかもしれない。
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