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山形県長井市を訪れて(vol.3.2)

おばんです。

東北ではこのあいさつで通じるみたいですね。
今回で長井市に訪問したのは3回目なので東北人かぶれになりたくなっています。森です。

 今回は二週間、実際には12日間でしたが長井市で滞在していました。
 二週間とは今までに比べれば長く、時に一か月以上は住んでいるのではないかと錯覚さえも起こるような時間でした。ただそれは決して暇がゆえに時間を長く感じたのではなく、毎日貴重な体験をたくさんしてきて、その街に溶け込もうとしてきた結果の錯覚なのではないかと私は思っています。

 この期間では今までに比べて多くの大学生などが一度に滞在していました。その中でも私は特に目的や何かに必要とされているわけではありませんでした。
 個人的な目的として今まで山崎さんが軸になって学生が長井市にやってきましたが、それによって来た私が新たな軸の一つになって新たな学生を連れてきたら面白いのではないか、それが今後も続いていけば人の流れの循環が完成できるのではないか。そう考えていました。
 それを含めても大半の予定があるわけではありませんでした。それもあって山崎さんからは何かしらの軌跡を残してくださいという課題が与えられていました。

ながい道のり


 実際に長井市に行くまでになにをしたらいいか、なにができるのかわからないままでした。その中でも手探りで自分にできることはあるのか考えて、まず初めに思いついたのは長井市までの道のりでした。
 私は今までの記事を見ていただけたらわかると思いますが自転車に乗るのが好きなんです。交通ルートとして仙台空港から山形市、赤湯、長井市という道のりが多い中で私は新潟港から小国町を通って長井市に行くルートを体験してみようと思いました。
 この期間では大雨の影響があって、とても楽しく自転車を乗って通れる感じではありませんでしたし、距離や獲得標高もそれなりに自転車に乗っていないときついところもあります。
 長井市に来る前に時間のある人であれば、私が前回訪れた小国町などで見て勉強になるものはあるのでお勧めできると思います。


関わりシロを探す


 自転車で長井市についた日に古代の丘と呼ばれる場所でバーベキューが行われました。今までで出会った人はもちろん新たにできた関係もありました。
 初日でいろんな方との意見交換を行うことができたのは、これから長井市を滞在するのにいいスタートになれたのではないかと思いました。その中で皆さんにはむちゃぶりになってしまいましたが「なにか私にできることありませんか、手伝うことありませんか、面白い人教えてください」というド直球に返答に困るような質問をしてしまいました。ここでいうのは違うかもしれませんがすいませんでした。
 しかしながらそのかいあって長井市にあるサンノ―企画印刷、社長の小関さんに米沢市にあるブルワリーに行くのに同行させていただきました。米沢市自体はじめて訪れることができましたし、ブルワリーを実際に始める過程を聞く中で理想を行うことの難しさなどの学びもありました。

学生の関わる可能性

 他にも滞在中にSENNに来てくださったがたくさんいました。
22日にナナジカの多田野さん、遠藤さん、金子さんが来てくださり、皆さんと食卓を囲みました。
 その雑談の中でSENNに来た学生が金銭面の負担を少しでも軽減できるような仕組みをつくりたいとJANの高橋直紀さんがお話していたことが話題に上がりました。
 来ていただいた多田野さん、遠藤さんは長井市で農家をしています。それを聞いて多田野さんはニンニクの粒をバラバラにする、こちらでは「ぶっかき」と呼ばれる作業をしてみないかというお誘いを受け、実際に私は作業の体験をしてきました。
 作業が終わり「もしほかにも体験したければ」と、トマト農家の寺島さんが行っているトマトハウスでのトマトの収穫作業を多田野さんに紹介していただきました。長井市でできた関係がさらに広がっていく感覚は自分がこの町自体へのつながりを強めているようでとてもうれしく感じました。
 26日には「楽街」という長井市にある四つの商店街の商店街会長の方々の集まりから三人の方がSENNに来ていただきました。そのきっかけでお米屋でおにぎりも販売している須藤さん主催の長井朝ごはん市を知り、もちろんお邪魔させていただきましたし、ほかの店舗の方にも紹介をしてくれたりしました。他にもむぎきりを出している池田屋さんの池田さんが立ち上げたアメフラシで使用している建物の見学をさせていただきました。その建物は長井市にあった印刷会社の工場だったのですが、会社が大きくなるごとに違う素材で増築を繰り返した建物で印刷会社自体はすでに撤退しています。その建物を作り変えて新たなものを生み出すのではなく、あるものをうまく活用するというようなやり方を行っており、その建物でイベント行っていることを知りました。学生は取り組みに共感し、そこで何かイベントできないかという気持ちに自然となっていました。
 今回の滞在はSENNや山崎さんを通じてできたつながりが私たち学生の中で新たな関係の形成ができたのが大きな経験だったと思っています。今回の滞在で私はいろんな人、場所から次にこれがあるから、であったりこの季節はこれがあるからというように、いろんなお誘いを受けました。それに感化され10月にもう一度訪れようと考えになりました。

 この三回目の滞在を経験して自分は長井市の「関係人口」にグッと近くなったのではないか。

そのように感じることがありました。

 今まではまず街を知るためにいろんな見学や体験をしてきました。それがどうしても自分はまだ観光客の域を出ていないなと感じていました。しかし今回は現地の人たちとの交流はもちろん、それがきっかけで新たな関係ができたり、体験ができたり、自分がこの街、この街の人達とどのように関わっていくかというのが見えた気がしました。
 今まではお客といううわべに見える位置にいたのが少しだけ中に入れたのではないか、それが交流人口と定住人口の間にあたる関係人口の部分のレベルでいうと交流人口に近い側の関係人口にあたるのではないかと思いました。
 まだはっきりと「これが関係人口の範囲である」と言葉にはできていませんがすこし自分自身が関係人口というものに近づけたのではないかと今回で思いました。

学生の来るきっかけ


 また、今回の私の長井市滞在の理由の一つにあったのが、自分が新たな学生を連れてくるということでした。
 今回来てくれた学生は塩野入さんとは、ボランティアで知り合いました。きっかけはお互いにびっくりでしたが、初めましての場で私が関係人口についての書籍を持っていたところから話が広がり、長井市に興味を持ってもらえました。
 元々今まで山崎さんが中心に札幌から人が来るという構図が、一つ外側の私や三浦君、内村君などが人を呼んだら面白いのではないかと思っていまた。そのように徐々に外側に広がっていけば持続的に長井市に人が来てくれるのではないかと考えていました。
 塩野入の滞在期間は三日間あり、自分的には関係案内人として長井の紹介をしようと考えて行動をしていたんですが、まずを長井市を知ってもらいたいという部分での案内で三日間を終えてしまいました。

長井市見せたいもの多すぎです(笑)

 もし次に学生を案内する場合は長井市の案内と関係の紹介含めて一週間以上欲しいかもしれません。 

これもまた学びだなと未熟ながらに思っています。

 今回、私が塩野入を呼んだように今度は塩野入が別の人を呼んでみるでもいいですし、また私が新たな学生を呼ぶでもいいと思いますが、人が訪れ続けるやり方の一つをできたのではないかと思っています。

札幌に戻って


学生が帰宅してから札幌で話す機会がありました。
 簡単な内容はこの夏に訪問した学生の体験や考えを共有し、長井市でやりたいこと、この学生の集まりをどのようにしていくかということをほとんど雑談のように話していました。
今、学生での集まりを「SENNの扉」として活動をしようと考えています。
 この機会に「SENNの扉」のコンセプトを話し合いました。私たちは長井市民や山形県民を「内の人」、札幌市民などの長井市民以外を「外の人」として、内の人と外の人をつなげる、場合によっては内の人同士、外の人同士をつなげることを、役割として担えるようになることを一つ上げました。
 また「関係学舎SENN」という建物で勉強や研究を行う場所、それを「インプットする場所」としてとらえます。それに対して「SENNの扉」は実際の場所があるわけではありませんが、SENNで行っていた勉強や研究、関係などで見つけた自分がそこでやりたいことを実際に行動に起こすとき、同じ思いを持つ人たちをつなぎ、実行に移すための場所、インプットしたものに対して「アウトプットする場所」というものを作ろうという学生の意見でまとまりました。
 さらに今後、学生が長井市に来るためにはどうしたらいいかも話題に上がりました。今回の私が塩野入を連れてきたプロセスをあげますと、関係人口というものに興味を持っていたので実際に行く前にまず長井市がどのようなところか、SENNはどのような場所なのか、今までどのように学生が関わってきたのかを伝える機会を一度作り、学生がオンラインで長井市の話をする会にも来ていただきました。塩野入はその中で私たちが話す長井市に対しての思いの熱さみたいなところを魅力に感じてもらえました。
 それを加味しますと長井市に学生を連れていく前に、札幌で長井市やSENNのことを知る機会とSENNの扉のMTGに参加してもらい、学生たちが熱く語り合う町である長井市はどのような場所なのか興味をもってもらう。その後、実際に長井市を見てもらい、知ってもらい、体験してもらう。そこで得た経験を再び札幌に戻ってきて思いを述べてもらう。このような流れができれば長井市に今後も学生を呼び込む流れができたのではないかと考えています。その流れを作るための一歩として今回来てもらった塩野入にはすごく感謝しています。

 長くなってしまいましたが、今回の長期の滞在ではいろいろと考えること、たくさんの思いを見つけることができました。この経験はいずれなにかの形で還元したいと思ってます。そのためにも今以上の経験、勉強にいそしみたいと思います。
長井市に滞在することが今後もあります。

ではまたその時まで。

北海学園大学4年 森 知磨 
滞在期間8月17日-28日


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