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山形県長井市を訪れて(Vol.3.3)~関係の清算と意外な発見~

こんなに早いスパンで長井市に来ると思っていませんでした。
8月の2週間滞在からたった40日、10月7日から11日までの短い期間でしたが

私は再び長井市に滞在していました。

 なぜ私がこんなにもすぐに長井市にやってきたかというと、8月に滞在した期間でにんにく農家の多田野さんに「にんにくの植え作業があるから手伝いにおいでよ」と言われたり、地域おこし協力隊の大村さんと次は葉山を登りに行きましょうという約束をしていました。夏にできた関係性が口約束だけで終わるのはもったいない!
そう思った私は約束を果たしに長井市に戻ってきました。

案内人もり

 今回の長井市での滞在では基本的に8日から10日しか活動の時間を確保できませんでした。その中で一番初めに与えられたことがありました。8日の午前に大正大学の生徒さんがSENNを訪問してくれたのです。元々は長井市で行われている「レインボープラン」と呼ばれる生ごみを回収して畑の肥料へ変えるものがあるのですが、実際に実現するために多くの方が戦いをしてきたというバックグラウンドがあると聞いています。その「レインボープラン」について調査に来ていたのですが、インタビュー調査を受けていた市役所がSENNについてお話をしたようで大学生がSENNに来てくれる運びとなりました。

 インタビュー時に宿主であり、地域おこし協力隊の山崎さんは札幌にいたため、JANの高橋直紀さんと二人でインタビューに応じました。質疑に関して議事録をとっていたわけではなかったので詳しい内容は省きますが、SENNがどのような場所で、今までどのような人たちが関わってきたのか話をしました。おそらく学生にとってはSENNの訪問はおまけのような印象を受けましたが(もちろんそうでないこともおおいにあるが)、途中から私の自己紹介として北海道の学生が関わって、学生の取り組みを今後行いたいと考えていることを話しました。そこから学生の質問はだんだんとそこに関連した内容が増えていったように感じました。

 最後に興味のある学生だけにSENNの中身を紹介しました。その時に少しだけ個人と話をすることがありました。その時に知ったのですが大正大学の学生の中に一度SENNに来ていた北海道の学生の知り合いがいた人、SENNに興味を持ってくれて今度もう一度来たいと言ってくれた人がいました。このような機会に人の縁を感じたこと、これから広がるかもしれない縁があったこと。自分の中では人との「関係」を感じられて、このような輪を広げていくことをやりたいなという感情になりました。自分の中では人と人をつなげるだけではなく、これから広がりを持つかもしれない関係を築くのも関係案内人の役割にあるのではないかとこの時は思いました。
 (かといって自分が関係案内人と断言するにはだいぶおこがましいですが…)

偶然の連続

 今回の長井市滞在は、JANの高橋直紀さんと一緒にいることが多かったです。その時の話題として、SENNを実際の営業する際に、どれだけ修繕やものを揃える必要があるかというものがありました。SENNには今ほとんどものがありません。例えばテーブルやいすです。以前私は小国町に行ったときにかご細工の工房を見学していました。ふとその時に考えていた椅子の座面をつる細工でできないか、それをワークショップで学生に来てもらって作ったりしたら面白いのではないかなんて話をしました。
 
 そこで急だったんですが小国町で行われている再エネフェスと呼ばれるイベントが行われているので行ってみては?ということで、小国町で燃料の販売などを行っているPelletmanの高橋睦人さんを紹介していただきました。初めは睦人さんが出しているテントサウナのお手伝いという名目で行ったのですが、ご厚意もありイベントを楽しみながら参加させていただきました。
その中で知らなかったのですが、以前訪問していたかご細工のお店がはしおきづくりのワークショップを行っていました。これ見よがしに、椅子をつる細工でできるのかの相談をさせていただきました。
 聞くところによると二日ほどあればできるのではないかと教えていただきました。これはせっかくなのでSENNに招いて宿泊しながらワークショップとしてみんなで作成をする、ということが可能なのではないかということがわかりました。

 イベント企画の一環で、環境問題などを題材にした討論などが行われていたのですが、参加者をアナウンスで聞いてびっくりしたんです。

ソトコトの編集長指出さんがトークに参加していたんです!

 この方、私たちがSENNで考えている「関係人口」という言葉を提唱した人なんです。
 今年になって長井市観光計画策定委員会のアドバイザーに就任したことを耳に入れていたので、SENNにかかわっていたらそのうちに会えるのではないかなんて考えていましたが、まさか小国町に行ったタイミングで見かけることができるなんて思っていませんでした。イベントが終わって後片づけを終えたタイミングで、指出さんが会場を回っていたので声をかけさせていただきました。ソトコトで行っている学生のセミナーに誘っていただいたり、SENNでの取り組みについてお話をさせていただいたりなど短い時間でしたがお話しできたことがうれしかったです。ぜひいつかSENNに来ていただきたいですね。

関係の清算

 今回の長井市滞在はあらかじめ目的があったわけではありませんでしたが、流されるように体験したことの中にいろんな発見や出会いがありました。今年、長井市を訪れて学んだことを整理して、SENNでのイベントやSENNを通じて考えた企画を来年度に何かアクションにつなげたいと今は考えています。

あれ? 
もり、冒頭の農家さんのお手伝いとか葉山の登山はどうしたの?
なんかまとめに入っていない? と思っていませんか。

実はですね。
 長井市に滞在した期間は、農家さんは稲刈り作業で忙しそうでわざわざ体験のために時間を作ってもらうのはお手伝いではなく、イベントになってしまうので今回は控えました。登山は雨が降り、雨が上がっても雲がかかりすぎて何も見えない状態のコンディション最悪だったので今回は断念しました。

 もともと考えていたやりたかったことは何もできませんでしたが、これで今後はできないというわけではありません。自分が長井市の関係人口を目指すなら今後も関わり続けることになります。だからこそ「また今度」という言葉を残してきました。

 今年、長井市に行くのはおそらく今回で最後だと思います。今度は春休みの期間に長期で行きたいと考えています。その際はこちらで新たな学生も連れていけたらと思っています。それまでに札幌で学生の話し合いの場をつくろうと考えています。学生の話し合いや長井市体験を含めて、次回は書きたいと思います。

ちょっと早いかもしれませんがその時まで

よいお年を。

北海学園大学4年 森 知磨
(滞在期間 10月8日~11日)

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