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鳳凰が来る? あなたは、伝承を信じますか?

見出し画像は、一乗谷の朝倉館の唐門。
桐紋があり、
「豊臣秀吉に下賜された」
という伝承がある。
「ありえない」
確かに、豊臣秀吉は、天下を取ってから家臣に桐紋を与えているが、朝倉氏はそのずっと前に織田信長によって滅ぼされている。

「ありえない」で済ますのはよくないので、一応、唐門について調べてみると、「朝倉義景の菩提を弔うために移築した松雲院の山門で、江戸時代に建てられたと推定されています」とのこと。ということは、「豊臣秀吉が松雲院に寺紋として桐紋を与えた」可能性があるということ。伝承を「史実ではない」とバカにしないで、きちんと調べることが重要だと思った。

 ──鳳凰は徳のある場所に舞い降り、麒麟は仁のある場所に駆け来たる。

 鳳凰は桐の木にしか止まりません。武士が桐紋を好んだのは、皇室の菊紋に次ぐ格式のある紋だからでしょうけど、「徳治政治を行い、鳳凰を呼びたい」という意味もあるのでしょう。江戸時代には大ブーム(『寛政重修諸家譜』では473家が使用)で、庶民も用い、江戸幕府は、桐紋の使用制限令を出すも、幕末には、大名、旗本の2割が桐紋を使っていたそうです。

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