目に入る世界
忙しいから。
時間がないから。
あれがないから。
これがないから。
無理だから。
無駄だから。
いろんな理由をつけては、目の前のことをたしかに見ようとしていなかった。
この一年、歩みを少し止めることになったことがきっかけで、
床の埃を拾い、油はねを拭いて、元あった場所に戻し、壊れたものに手を加え、よく考えれば使わないものを手放して。
目に入る世界を、私たちはどれだけたしかに見ているんだろうか。
本当にそれでいいのか。
本当にそれがよかったのか。
この世界を望んでいるのか。
どの世界を望んでいたのか。
仕事やくらしの話のようで、
世界の、未来の、この惑星の話かもしれない。
目の前のゴミを拾える人は、いつどこででも誰かをほんの少し幸せにできるかもしれない。
一方で世界平和を語る人が目の前のゴミに気付きながら拾わなかったら、見て聞いているこちらには、モヤモヤが残る。
大きな幸せは何も大袈裟なことではなくて、
目の前のことをたしかに見ることから。
小さなことの中にある、大きなものを構成する一つひとつを、五感で味わうことから。
あなたの目の前にある幸せについて、今度聞かせてくださいね。
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