現代の奴隷制度ー外国人技能実習生をめぐる問題について

三年前、東京で知り合ったベトナムからの外国人技能実習生である友達を手がかりにして、日本の外国人技能実習生制度を初めて知った。その友達が他の社員よりも長時間働いているのに給料が安いので、好奇心で話しかけてみると、技能実習生として埼玉の弁当工場で働くために200万円を借りて来日したが、労働条件が悪いので逃げ出して東京で不正なバイトをやっていたという経過がわかった。表向きは、技能実習生が日本にきて技能、技術を勉強しながら労働している「学生」であるが、実際に、蓋を開けてみれば、薄給で奴隷のようにこき使われることが当たり前になってしまったと思う。
外国人技能実習生の労働条件については、厚生労働省が8月27日に公表した調査結果によれば、2021年に実施した監督指導のうち、73%の事業場で労働法違反が確認された。その中でも多かったのは、機械等の安全基準(24%)、割増賃金の支払(16%)、労働時間(14.9%)と、労働条件の最低基準を定める労働基準法や労働安全衛生法が守られない職場で技能実習生が働いていることがわかる。
さらに、外国人技能実習生への人件侵害も後を絶たない。知れ渡る技能実習生の死産事件はおろか、外国人技能実習生が労基法違反を指摘することで、逆に解雇されてしまうことはよくある。その場合、実習生は在留資格を喪失し、借金を抱えたまま帰国せざるを得ない。
技能実習制度は当初の目的と乖離している。よって廃止したほうがいいと思う


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