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⏰もしも、時間をあげたりもらえたり出来たら、#2

前回のあらすじ → こちらから
何事にも興味あるA君、日々多忙な毎日を過ごす
出来ればのんびり過ごしたいB子さん
出会った二人は、時間取引所で取引した (2時間をA君はB子から受取った)

もしも、時間をあげたりもらえたり出来たら、#1

時間取引所 Mr. Xの気持ち

Mr. Xは、2人の時間取引に対する期待感を見て
「やはり今回も。。。」とため息をつきました。
人は、すべての基準の少し上を望んでいます。
たとえば月20万円で暮らしていた人が、運よく転職して給与アップして月30万円の手取りになり、少し良い生活が過ごせるようになったとします。しかし、それでもまだ昇給昇格を望みます。まだその上の生活をするために。
人は欲張りだ、現状に満足する生き物ではないようです。
きっと、この二人は、これまでの人たちと同様、戻ってくるのだろう、と。

時間取引所での手続きは、速やかに終わりました。

A君はB子さんからもらった2時間を受け取り急いで家に帰りました。腕には1周13時間の文字のスマートウォッチ
A君は何度も腕の時計を確認しながら、足早に去って行きました。
B子さんも同様ですが、心のどこかで「これで良かったのだろうか」という心のひっかかりを感じながら、1周11時間のスマートウォッチを腕にして帰っていきました。

2人を待っていた Mr.X

通常の場合、1週間は待つことはありません。
結局「元の時間に戻してほしい」と申し訳なさそうに戻ってくるのが通例です。メリット・デメリットも伝達・納得して、署名までしたはずなのに。

1週間が経ちました。
A君B子さんとも「時間交換所」には姿を現しませんでした。
その次の週も、またその次の週も、、、
「どういうことだ。今回はしかも2人ともが戻してほしい、と言ってこないじゃないか」

次回続く


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