便秘や腹痛が継続するなら虚血性大腸炎かも? その特徴と診断法
虚血性大腸炎の概要
虚血性大腸炎は、大腸の粘膜への血液供給が不足し、虚血状態となることにより発症します。発症の背景には、糖尿病や高血圧による動脈硬化、脱水からの血流低下や、便秘や浣腸が原因の腸圧上昇など、多様な要因が絡み合います。特に、高齢者や便秘傾向のある人、そして女性に多い疾患として知られています。
主な症状
典型的な症状としては、突如としての腹痛とそれに続く下痢、そして血便の出現があります。痛みは大腸の左部分、特に下行結腸やS状結腸に集中する傾向があります。また、吐き気や冷や汗を伴う場合もあるでしょう。
診断方法
血液検査では炎症マーカーの上昇が確認されることが多いですが、特定の疾患を特定するには画像検査が必須となります。腹部のCTや超音波検査で、虚血状態の大腸壁が腫れていることが視認できます。また、大腸内視鏡では縦走する潰瘍や赤い粘膜が確認されることも。注腸造影検査は現在少なくなっていますが、特徴的な狭窄像が見られる場合があります。
治療法
治療は、腸を休めることを中心とした保存的な方法が主流となります。重症の場合、絶食を伴う入院治療が考慮され、点滴での水分や栄養の補給が行われます。症状の和らぎとともに食事の再開が図られ、徐々に食事内容を変化させていきます。大部分のケースでは後遺症はないものの、時折腸の狭窄が起きることがあり、これが重篤な状態を引き起こす場合は、手術の選択も検討されます。
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