料理を生み出す人

お家にいると、ご飯が楽しい。自炊が楽しい。
そう思えるようになったのは、大人になってからだ。
料理が全くできなかった、しかも興味もなかった私が、今では料理好きにまでなった。それは、料理を生み出しレシピを提供してくれる人たちがいるからこその成長だ。
お家時間に改めて思う、生活に欠かせない食べること・そのために作ること、について。

カタクリコってなに？

食べることが大好き。料理することも好き。
以前から、料理上手と言えるレベルではないけど毎日自炊している。
自分が口にするものを手作りする楽しさを大人になってから知った。

昔は、全っっっっっく料理ができなかった。
自慢じゃないけれどその出来なさ加減と言ったらそれはもう…きっと想像を遥かに遥かに超えるレベルだと思う。

子供の頃は親のお手伝いでキッチンに立つ、なんていう話をよく聞くが、私には料理の手伝いをしたほぼ記憶がない。
料理に、一切の興味がなかったのだ。それどころか、なぜか昔から火が怖くて、キッチンに近寄りたくないくらいの苦手意識を持っていた。幼い頃から、結婚するなら料理が出来る男性と決めていたくらいだ。

子供なら興味津々で身を乗り出して取り組んじゃいそうな包丁使いとか、お玉で鍋をかき混ぜながら何かを煮込む…とかも、何もしたことがない。（あ、餃子作りは工芸っぽくて好きだったこと思い出した）

「料理はしたくない、美味しく食べられればオッケー！」というわがまますぎる独自のスタイル（？）でいたために
実は10代は、野菜の名前も知らない…肉の種類も分からない…調味料も何も分からない…！という、恥ずかしすぎる状況だった。

実家を出てからスーパーでキャベツとレタスの違いが分からなくて固まる。
トレーに入っている生肉の、豚バラと豚ロース、え？豚肉は豚肉じゃないの？みたいな。。カタクリコ？ハクリキコ？みたいな。。（今この文を書いていて物凄く恥ずかしいのは言うまでもない）

そんな状況だったので、自炊をするにも一苦労。
ただ焼く！くらいしかレパートリーがなくて、本当に困っていた。
食べることは好きなので、毎日同じメニュー（焼き料理のみ）と外食じゃあ辛すぎる…と、料理本を何冊か買って少しずつ、少しずつ覚えていった。

何も分からない、そんな出来ないレベルから、普通に家庭料理を作れるくらいになるまでの伸びしろと言ったら！頑張って10代でなんとか出来るようになった自分を褒めたい。包丁使えるようになって良かった…と、しみじみ感じている。と、同時に、
そんなレベルだった私を、料理好きにまでさせたレシピの数々、それを作り上げた料理人の方々、すごい！！！

生み出す人

以前勤めていた会社で、営業マンだった先輩が「なんでもそうだけど、物を生み出す人は本当にすごい」と言っていた。私は企画職だったので、仕事で物を生み出す立場であり、自分がすごいとは思えなかった。だって、それが仕事だから。

でも思えば、料理を生み出す人はすごい、となんとなく昔から分かっていた気がする。

料理ができなかった私はしょっちゅうレシピを調べては、作り方を覚えるのと同時に、その工程が完成するまでの背景を考えてしまう。
切り方、調味料、その配合、全てがバランスで、何かが違えば別物になってしまうもの…

お菓子は、1グラム違うだけでなかなかの別物になってしまうし（だから昔から1番苦手だった）、
味の組み合わせなんて何がどうなったらそれを掛け合わせることを思い付くの！？というレシピを発見することも多々ある。
それらは、どうやって考えているのだろう。何度も経験を積んできた感覚？ひらめき？で生み出しているのだろうか。とか、レシピを見て、それが生み出された過程が気になるし、それを生み出した人に尊敬の気持ちでいっぱいになるのだ。

新しく生み出すことって、すごい！！！と、あの時の先輩の言葉を思い出す。

レシピを考案してくれている人のおかげで、自炊できる、今の私がいると言っても過言ではないのだ。

お家時間こそ衣食住

今、お家で過ごす時間が長くなって、前よりも料理に積極的になっている。（もちろん服も大事！）
実は先日、人生で初めてパンを手作りしてみた。
これまたレシピを検索しまくって、初心者にも優しい、分かりやすく工程も簡単なものをチョイスして。
見た目は不格好だったけど、自分が作ったパンだもん。美味しい！最高！手作りっていいねええええ！！と、めちゃくちゃアガった。

こういう時に、食のパワーはすごい、と感じる。
作って楽しくて、待ちきれなくてワクワクして、食べて幸せな気分に浸れる。

私がずっと携わってきたファッションも、だけれど
人のベースは衣食住にあり、とつくづく実感している最近だ。

レシピを生み出す人たちへ、幸せをありがとうと言いたい。