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【ROKU/2022/Q1決算速報】2022年第1四半期の結果は売上◎、EPS×、ガイダンス△。ユーザー数伸び減速が鮮明に。

(全文無料で読むことが出来ます)

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(ROKUの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は以下を参照してください。)

ROKUは以下の通り他のハイパーグロース銘柄と同様に昨年後半から厳しい値動きの中で1Q決算を発表しています。(値動きがARKKと似ていますね)


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$ROKU 1Q決算速報

売上 ◎
733.7M YoY28% vs 718.08M

EPS ×
▲0.19 YoY▲135% vs ▲0.18

ガイダンス
2Q売上 ×
805M YoY25% vs 815.7M

通期売上 ◎
3,732M YoY35% vs 予想3,720M

AH +1.5%

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◇ 大事なお知らせ
本文に入る前に、一点大事なお知らせです。今まで本記事のような決算速報は無料で配信してきましたが、今後さらなる「クオリティの底上げ」と、「発信領域の拡大」をしていくべく、2022年5月1日より有料マガジンにて発信させていただく運びとなりました。今後とも末永く、何卒よろしくお願い申し上げます。

(マガジンの詳細説明記事)


それではROKUの決算を詳しくみてきましょう!Earnings Callが発表された後に付け足します。

1.Revenue(売上高)

Q1売上高:733.7M YoY28% vs 718.08M

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2020:$320.8M(YoY +55%)
Q2-2020:$356.1M(YoY +42%)
Q3-2020:$451.6M(YoY +73%)
Q4-2020:$649.9M(YoY +58%)
Q1-2021:$ 574.2M(YoY +79%)
Q2-2021:$645.1M(YoY +81%)
Q3-2021:$680M(YoY +51%)
Q4-2021:$865M(YoY +33%)
Q1-2022:$733.7M(YoY +28%)

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成長率が鈍化しているのがわかります。内訳別で詳しくみてみることにしましょう。

【Player売上】97.4M YoY△26%
→ Player売上はテレビに差し込むROKU TVのチップの販売売上高です。Player売上では利益をROKUは狙っていませんが、次の広告収入つまりPlatform売上の拡大のためには販売台数は伸びていないといけません。

今回△19%とマイナス成長となっています。つまり新たなROKU TVを見る顧客の獲得に苦戦しています。実際ユーザーの伸びは以下の通り鈍化傾向が継続しています。

【Platform売上】646.9M YoY39%
→ 主力の広告収益は成長率は落ちていますが、堅調であることがわかります。前Qより下落していますが、これは毎年のことで季節要因です。

プラットフォーム収入は、一部の業種では引き続き軟調だったものの、コンテンツ配信の増加や広告収入の堅調な伸びにより、前年同期比39%増の6億4,700万ドルとなりました。

Earning Call

売上総利益も前Qで落ち込みましたが高い水準を維持しています。

プラットフォームの売上総利益率は59%で、前年同期比で約8ポイント低下しましたが、これは、新サービスの開始により利益率の高いM&Eやコンテンツ配信が大きく伸びた前年同期と比較して、動画広告の構成比が高まる方向に変化したことを反映しています。

Earnings Call

市場自体は魅力的な市場が広がっていることをEarnings Callで示しています。

今日、米国では、視聴者がテレビ視聴時間の46%をストリーミングに費やしているとニールセンが報告していますが、eMarketerは、広告主がテレビ広告予算の18%しかストリーミングに費やしていないと報告しています。いずれはすべてのテレビとすべてのテレビ広告がストリーミング化されるため、この両者は100%になると思われます。

2.EPS(1株当たりの当期純利益)

1Q EPS:$▲0.19 YoY▲135% vs 予想$▲0.18

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■ EPS推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2020:$-0.45
Q2-2020:$-0.35
Q3-2020:$0.09(YoY +141%)
Q4-2020:$0.49(YoY +477%)
Q1-2021:$0.54(YoY +220%)
Q2-2021:$0.52 (YoY +249%)
Q3-2021:$0.48 (YoY +433 %)
Q4-2021:$0.17 (YoY ▲65%)
Q1-2022:$▲0.19 (YoY▲135%)

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そもそも予想がマイナスなのが深刻ですが、更にそれを下回るという結果になっています。

3.ガイダンス

ガイダンスは以下となります。売上は以下の通りそもそも低い成長率が想定されている予想すら下回る結果となっています。

更にEPSは今期のマイナスよりも幅を拡大することが想定されています。

まあ、株価がずっと売り込まれるておるのは致し方ないの。。

Callでは以下の通り述べられています。

売上高8億500万ドルは、先ほど申し上げた継続的なマクロの逆風により、一部の垂直市場における広告支出が減少または遅延する可能性があるとの見通しを反映したものです。しかし、当社は引き続き事業全体のマネタイズ能力を向上させており、非常に厳しい事業環境にもかかわらず、純収益の増加に反映されると考えています。2021年第2四半期のプラットフォーム売上が前年同期比で2倍以上になったことを思い出してください。

3億9,500万ドルの売上総利益は、プラットフォーム事業において、他の収益源よりも若干マージンが低い動画広告の部分を引き続き成長させるという我々の予想を反映しています。また、プレーヤー事業では、アカウント獲得を優先し、高騰したコストを吸収するため、サプライチェーンの混乱が引き続き圧力となり、売上総利益がマイナスになると予想しています。これらを合計した総粗利益率は約49%になると予想しています。

Earnings Call

4.KPI

視聴者と視聴時間と1人あたりの広告単価が重要となるのでKPIとして経過観察しています。

【Active Account】

伸びが緩やかとなっている理由についてCallで以下の通り伝えています。

予想通り、2021年第1四半期に裁量的な消費支出を一時的に促進した政府の景気刺激策が終了したため、前年同期の有効口座純増数は緩やかなものとなりました。また、サプライチェーンの混乱の継続により、2022年第1四半期に米国のテレビ価格が上昇し、業界全体のテレビ販売台数は3四半期連続で2019年のCOVID前の水準を下回りました。

【ARPU】

【Streaming Hour】

アクティブ・アカウントのリーチ数で、当社のプラットフォームにおける米国内のトップ5のアプリとなりました。また、ストリーミングのエンゲージメントでは、初めて米国でトップ5のアプリとなりました。

Earning Call

5.CF (営業CF、投資CF、財務CF)

ROKUは上場後まもない昨年の新規株式発行による資金調達フェーズから脱しています。現在は営業CFが増えてきており堅実な経営体制となっています。

営業CF:101.8M (前年同期95.8M)
投資CF:▲14.8M (前年同期▲106.5M)
財務CF:2.1M (前年同期995.1M)

6.財務状況

以下は総負債比率となります。安定して推移していますね。

支払い利息は営業利益の1%程度なので金利は損益を全く圧迫していません。

7.Earnings Call

Earnings Callの内容は以下ですが、重要な部分は1-6に盛り込んでいます。

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