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【目次記事】 成長株発掘法の著者、ウィリアム・オニール氏が提唱する「CANSLIM投資法(キャンスリム)」とは?大化け株の探し方は存在した。

「CANSLIM」は成長株発掘法の著者、ウィリアム・オニール氏の成長株の見極めに用いられる判断指標です。



オニール氏の理念は以下です。


・CANSLIMを満たすかどうかで真の成長株かどうかを見極める。
・株価チャートで売買のタイミングを測り大きな利益の獲得を狙う。



CANSLIMとは以下の頭文字です。これら全てを満たすと「大化け株」となります。(満たしていなくても有望銘柄として売買はOK、投資家の技量が試される)


C(=Current Quarterly Earnings=当四半期のEPSと売上)
A(=Annual Earnings Increase=年間EPSの増加、高いROE水準)
N(=New Products, New Management, New Highs=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)
S(=Supply and Demand=株式の需要と供給)
L(=Leader or Laggard=主導銘柄か、停滞銘柄か)
I(=Institutional Sponsorship=機関投資家による保有)
M(=Marker Direction=株式市場の方向)




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CANS-LIMについては一文字ずつまとめておるからの!以下、それぞれの項目から概要を見て詳しく知りたい衆はリンクにとんでみてくれい!

今回の記事は「まとめ」的に活用してくれるがよいぞ!

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1. 「C」(=Current Quarterly Earnings=当四半期のEPSと売上)


「C」の条件

● 最低条件は前年同期比直近EPS成長率は25%以上
● 強気相場の時は前年同期比直近EPS成長率は40%以上
● 過去10四半期に以前に比しEPS成長率が加速している
● 直近売上成長率は少なくとも25%以上上昇、又は直近直近3四半期で売上増加率が加速していることが最低条件

(補足条件)

● 2四半期続けて大幅にEPSが成長
● 翌四半期、翌々四半期も力強い成長が予想されている
● 今後2年間で成長の軌道にのるガイダンスがある
● 同業他社でEPSの成長率が高い銘柄が少なくとも1つ以上存在

(注意点)
● EPS成長率が66%以上の減少が二四半期続けば危険




2. 「A」(=Annual Earnings Increase=年間EPSの増加、高いROE水準)


「A」の条件

● 過去3年連続で年間EPSが増加。EPS Stability(後述)が25以下
● 年間EPSの増加率が25%-50%以上の銘柄を選択
● ROEが17%以上(出来れば25%以上)

(補足条件)

● アナリストのコンセンサス予想が翌年EPSが上昇すると見込んでいる
● 実際のEPSに比べて営業CFが20%以上大きい




3. 「N」(=New Products, New Management, New Highs=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)


「N」の条件

● 成長著しい新興企業
● 新しい画期的な製品やサービスを提供
● 素晴らしい経営陣
● 正しい株価ベースを抜けて新高値




4.「S」(=Supply and Demand=株式の需要と供給)


「S」の条件

(供給側)

● 発行済株式数が多い銘柄は上昇しにくい
● 長期間かけて自社株買を継続している企業

(需要側)

● 株価下落時で出来高が枯れてきているか、上昇時に出来高を伴っている

→ U/D Ratioが1.0以上
→ Acc/Dis RatingがB以上

(補足条件)

● 経営陣が発行済株式の1%-3%以上を保有(中小型株なら3%以上)
● 過去2-3年の間に総資本に対する負債率が減少している

(注意点)

● 過度な株式分割を行う企業は危険




5.「L」(=Leader or Laggard=主導銘柄か、停滞銘柄か)


「L」の条件

● 業界内で上位2-3位の銘柄を狙う(時価総額ではない)
● レラティブストレングス指数が80以上(大化け銘柄の平均は87)

(注意点)

● 共振株(=おこぼれ企業)には投資しない
● レラティブストレングス指数が60以下の企業に投資してはいけない




6.「I」(=Institutional Sponsorship=機関投資家による保有)


「I」の条件

● 直近四半期で、株主数が著しく増加しているか?(一番重要)
● 最近の数四半期で、保有している機関投資家の数が着実に増加しているか?
● 株主となった機関投資家は優秀か?




7.「M」(=Marker Direction=株式市場の方向)

今までCANSLIという6つの項目を見てきました。

しかし、オニールはこれら6つの条件全てを満たした銘柄でも、マーケットの方向性を見誤れば意味がないと断じています。


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つまりマーケットがUptrendであることはグロース株投資の前提条件ということじゃの!マーケットが悪かったら4銘柄のうち3銘柄はうまくいかないとしておるぞ!

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マーケットのタイミングなんて測れるものか!

という意見の方も多いと思いますが、オニールはそれは個人的な見解や感情に支配されていると断じています。注意深くマーケットを観察することでマーケットのタイミングを測ることは可能としています。

「オニールの格言」オニールの成長株投資法P338より

市場の将来の動きを予測したり言い当てることが株式市場の熟練者への道ではない。過去数週間で実際に市場で何が起こって、現在は何が起こっているかを知って理解することが正しい道なのだ

それでは同書で示されている相場の天井と底の見分け方について、筆者が纏めたものが以下となります。


「M」の条件

(天井圏の傾向)

● 株価は寄り付きで強く引けで下落する傾向にある
● 前日より出来高が増加し且つ指数が0.2%以上下落する売抜日カウントが4週間-5週間で3-5日起こる。(上昇中に発生)
● 2-3週間という短い期間で売抜日が4日あっても注意が必要。
● 売抜日は1つの指数で確認されれば十分
● 上昇を先導していた先導株が下落を始める
● CANSLIを満たした銘柄を正しい買いポイントで買った直近の銘柄が伸びないものが多い
● 低価格で投機的なボロ株が浮上し始めたり、オールドエコノミーが堅調になる(新高値の中にしめるディフェンシブ銘柄の比率が上昇するのは弱気相場の始まりのサインになりうる)


(注意点)

● 売抜日はカウントから25営業日経過後に消滅。また、カウントした日の終値から5%上昇した時に同じく消滅。
● フォロースルー日を迎えたら累積売抜日はリセットされる。フォロースルー日とは投資家に有料株を買い戻しても大丈夫なタイミングを教えてくれるものです。

<<フォロースルー日とは?>>
前日比で上昇した日を1日目として、2日目、3日目が直近安値を下回らずに4日目以降に大幅な出来高上昇を伴って急激に上昇した時にフォロースルー日と考える。

(天井圏を見極める補足的な事項)
あくまで市場平均の値動きや出来高といった指標が最重要であるが、以下も補足的な天井圏のサインとして列挙しています。

● 平均株価に乖離が頻繁に起こっている。(SP500、ダウ平均、ナスダックがそれぞれ異なった動きをしている)
● アナリストの見通しが強気のものが多くなる
● 金利が上昇したり、今後の利上げ観測が顕在化する
● 買われ過ぎ、売られ過ぎを表す指標は信用しない

(上昇の試しが失敗するサイン)
天井をつけた後、再び上昇トレンドに戻す動きが失敗する時に発生するパターンについても言及しています。試しに失敗しそうなら更にポジション縮小を提言

● 反発した日(1日目)の翌日(2日目)も寄りは強いが引けにかけて弱い
● 3日目、4日目、5日目も上昇するが出来高は前日よりも少ない
● 指数の上げ幅が前日よりも少ない
● 前に付けた高値から直近の安値の半分も回復していない

(底の見分け方)

● フォロースルー日を経験する
● フォロースルー日の後に下落した場合も直近安値を下回らなければ合格
● あくまで市場の底入れのサインであり、最高の銘柄のベース抜けまで購入は我慢するべし

(底の見分け方の補足的事項)

● プットコールレシオが1を上回る(投機家たちが市場に悲観的になっている→底の可能性があるが、毎回そうなるとは限らないのであくまで補足的事項)
● 空売り比率の急増が通常2回か3回現れる
● 騰落ライン(1日に上昇した銘柄数と下落し銘柄数の比率)が弱気相場からの上昇を試みる時に下落する場合は、まだマーケットが脆弱であるサインとなる。(たった数社の先導株だけでは新たな強気相場を作るのには不十分)




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マーケットについては毎週相場環境についてオニール流に纏めておる!以下マガジンを参考にするがよいぞ!

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ーFINー

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