見出し画像

(米国株式市場4月19日〜23日)今週の合戦の振り返り!株価3指数は横ばい、ヘルスケア、不動産が株式市場を牽引。来週の決算ウィークを前に様子見ムード?


今週の合戦(米国株式市場)の振り返りをします。


1.今週の合戦の要約

・米国代表株価3指数は横ばい
・累積売り抜け日もS&P500は3、NASDAQは2と蓄積されてきている
・セクターはヘルスケア、不動産が牽引
・FRB動向に変化なし
・インフレ見通しは下落、金利水準は落ち着きを取り戻す
・来週はGAFAMTをはじめとした大型銘柄の決算が目白押し


2.米国代表指数動向(&強気相場 or 弱気相場判定)

[4/16 close to 4/24 close]

スクリーンショット 2021-04-24 12.30.21

・ブルー:S&P500
・ピンク:ナスダック
・グリーン:NYダウ


[現在は強気相場?弱気相場?]

現状は強気相場を維持。S&P500が売り抜け累積日数3で弱気相場の始まりへの懸念膨らむ。

売り抜け日カウント↓↓↓

スクリーンショット 2021-04-24 12.21.54


(※売り抜け日カウント数とは?)
前日比で0.2%以上のマイナスを前日以上の出来高ともなって記録した日を「売り抜け日」とカウント。4-5週間で4-5日あれば天井から下落の可能性あり。「フォロースルー日」を迎えたらカウントはリセット。「フォロースルー日」は下落局面で前日比プラスで引けた日から4-7営業日後に出来高を伴って大幅に上昇した日のことを指す。


[S&P500とナスダックの出来高動向]

S&P500指数とナスダックで出来高が枯れてきています。特に以下の通りナスダックの出来高が明らかに2月から3月に比べて減少しています。


画像3


これは、機関投資家が本格的に動いてはいないことを示しています。資金が株式市場にフォーカスしていないことが読み取れます。資金が実体経済へと流れている可能性があります。


3.セクター別(4/9 close to 4/16 close)


[S&P500 Highlight]

Edwards Life sineces(EW)+9.47% 
IQVIA(IQV)+7.77%
Danaher(DHR)+6.88%
International Business Machine(IBM)+6.62%

スクリーンショット 2021-04-24 12.31.55


[業種別 Highlight]

Health Care(ヘルスケア)+1.88%, Real Estate(不動産)+1.62%, Consumer Staples(生活必需品)+0.35%

スクリーンショット 2021-04-24 12.35.23



[セクターETF騰落率 Highlight]

ENERGY:TAN+6.38%
CHINA:ASHR+4.38%
REAL ESTATE:DRN+5.44%

スクリーンショット 2021-04-24 12.36.38


4.FRB動向

(FRBの金利動向に気をつける)
→過去を振り返ると、FRBの金利が引き上げられたことがきっかけで弱気相場が始まり不景気に突入した歴史がある。弱気相場が終わるのは金利が下げられた時が多い。最も簡単で役に立つ金融指標はFederal Fund(FF)レート。コンピューターによる自動売買や様々なヘッジサービスによってリスクの高い弱気相場で発生する株価の下落から資金を守るために、ポートフォリオの大部分をヘッジするファンドが現れた。金利が急騰する場面は相場が下落しやすい仕組みになっています。(但し、金利よりも株価が相場を見極める指標としては最重要です)


・米国の今年のインフレ率は一時的に「やや高く」なるとの見方を示した。
・FOMC4月27 or 28日開催予定。
・最新ドットチャート:2022年に利上げを見込むFOMCメンバーは現状4人。2021年は利上げ予定なし。


スクリーンショット 2021-04-24 12.38.22


米雇用統計については、コロナショック後一旦マイナスに沈む局面もありましたが、経済再開期待が高まり実際に雇用者数も再び増加を始めています。


スクリーンショット 2021-04-24 12.38.57



[ブレイクイーブンインフレ率]

市場が期待するインフレ率を意味します

この1年間「5年ブレークイーブンインフレ率」と「10年ブレークイーブンインフレ率」は上昇基調です。

青:10年期待インフレ率
赤:5年期待インフレ率

画像11


しかし、4月に入り落ち着きを取り戻しています。人々のインフレ期待が一旦落ち着いたことを示しています。特に5年の期待インフレ率は下落しています。以下は今週の動きです。


画像11


結果として上昇基調だった長期金利(米国債10年利回り)も落ち着きを見せる構えとなっています。以下の通り、米国5年債、10年債ともに金利は落ち着きを取り戻しています。


画像12


金利は株式市場だけでなく為替市場にも影響を行います。米金利によってドルがどのように動きかみるのに役立つのがドルインデックスです。

ドルインデックスとは、ドルの強さを表す指標です。日本円やユーロ、ポンドなど複数の主要通貨に対する米ドルの強さを指数化したものです。

年初来上昇してきた金利が落ち着き一旦調整局面に入っていたこともあり、先週から引き続きドルインデックスは下落しています。


スクリーンショット 2021-04-24 12.48.19


ドル円も少し前まで110円台だったのが107円台後半までドル安・円高となりました。


5.プットコールレシオ


[ここでは年初来からの比率(%)を観察。直近の投資家心理を確認]
・プット(Put)=投資家が株式相場下落を期待
・コール(Call)=投資家が上昇を期待

・S&P500(ブルー)
・NASDAQ(オレンジ)

画像14

・S&P500は2021年1月1日比 -8.16%(投資家は安心)
・NASDAQは2021年1月1日比 -21.86%(投資家は安心、但し週半ばにナスダック下落に賭ける投資家が急増)

6.Volatility index(VIX指数/恐怖指数)

VIXとは市場で取引されている価格から逆算された「株式市場のボラティリティ」のことを指します。株価指数は上昇時は緩やかに上昇し、下落時は急落します。市場参加者が高いボラティリティを見込んでいるということは、市場に対して不安を抱いていると想像できます。


S&P500指数とNASDAQのVIX指数の推移は以下となります。

・S&P500(ブルー)
・NASDAQ(オレンジ)

5年↓

画像15

今週 日本時間↓↓

スクリーンショット 2021-04-24 12.53.00

VIX指数は株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象にした指数。通常、株安が懸念される局面で上昇し、20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。 2008年の金融危機の際にVIX指数が80超に上昇して注目を集めた。18年2月と10月にもVIX指数の上昇をきっかけに米国株が下落する場面があった。VIX指数の上昇に連動して機械的な株売りを出す「リスク・パリティ」などと呼ばれるファンドが存在するからだ。(引用:日経新聞)


3月の下落相場から急落しており、20を大きく下回る水準です。市場が安心しているのが分かります。


7.空売り比率 (Short Volume)


空売り比率、ショートボリュームはNYSEで空売りされている株式の数をNYSEの総出来高との割合で示したものです。

この比率が高ければ投資家が市場をネガティブに見ていることが読み取れます。

特に暴落局面で注視するのが有効で弱気相場が底をつける時というのは空売りの急増を示す数値の上昇が通常二回か三回現れるとオニールは言及しています。

それではまずS&P500指数の空売り比率は以下となります。S&P500指数で最も取引Volumeが多いETFであるSPYで見ていきます。


画像17


4月に入ってからは安定的に推移しています。

注意して欲しいのは空売り比率は現在残っている空売残ではありません。空売残はShort Interestと言います。


次にナスダックです。ナスダックインデックスに連動する0NEQの空売り比率ですが、まだ依然として高い水準となっており下落にかける向きも一定数あることが見て取れます。


画像18


8.機関投資家やアクティブファンドマネージャーの動向


センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したもの。スコアが1を超えていたら、ポジションが増大していることを示し、-1を下回るとポジションが縮小していることを示しています。


画像19


4月17日更新「0.7」。ポジションは増加基調ではありますが、その勢いは以前に比べて落ち込んでいます。


次にNAAIM Numberです。NAAIM Numberはアクティブファンドの投資動向です。100を超えるということはアクティブファンドがレバレッジをかけていることを意味します。


画像20

1、2月はアクティブファンドの積極的な買いが入っていたことがわかります。3月は50%くらいまで引き下げ。4月は再び100を目指しています。アクティブファンドは上昇を見込んでいると考えられます。ただ、この数週間は出来高が枯れていたことからも分かる通り機関投資家は大きく動いていないことがみて取れます。


9.注目経済指標の動向


画像21


新規失業保険申請数は予想比で1割ほど下落しています。実体経済が良好に推移していることが示されています。


10.米国企業決算スケジュール

来週4月26日の週はGAFAMやTeslaといった超重要企業の決算が目白押しとなっています。以下は来週の主要銘柄の決算スケジュールです。

今後のマーケットを占う決算となるため、注視してみていきたいと思います。


スクリーンショット 2021-04-24 13.41.16


11.その他トピック

バイデン政権が富裕層増税検討(あくまでも検討)。市場は一時パニックになり下落するも後日落ち着きを取り戻し株価も再度上昇。


まとめ

もう一度最初の概要を再掲しておきます。

・米国代表株価3指数は横ばい
・累積売り抜け日もS&P500は3、NASDAQは2と蓄積されてきている
・セクターはヘルスケア、不動産が牽引
・FRB動向に変化なし
・インフレ見通しは下落、金利水準は落ち着きを取り戻す
・来週はGAFAMTをはじめとした大型銘柄の決算が目白押し

良い週末を!


〜完〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?