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【PINS/2022/1Q決算速報】2022年第1四半期の結果は売上◎、EPS◎。ユーザー数は減少し成長減速が鮮明に。

全文無料で読めます。

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(PINSの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は以下を参照してください。)

PINSの株価は単調減少関数のように悲惨なこととなっておるな。そんな中で迎えた決算ということになる。

上記は日足ですが、週足でみても悲惨ですね。

決算の概要は以下です。


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売上 ◎
574.9M YoY+18.5% vs 572.94M

EPS ◎
$0.10 YoY▲9% vs 0.04

Monthly Active User
433M QoQ ▲5.4%

ガイダンス(2Q)
売上×
680.2M vs 予想692.5M

AH:+7.18%

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正直買う理由は一つも見当たらんが、7%の上昇ということはFB同様ショートカバーと考えるのが自然じゃな。買っているのではない閉じているのだと


◇ 大事なお知らせ
本文に入る前に、一点大事なお知らせです。今まで本記事のような決算速報は無料で配信してきましたが、今後さらなる「クオリティの底上げ」と、「発信領域の拡大」をしていくべく、2022年5月1日より有料マガジンにて発信させていただく運びとなりました。今後とも末永く、何卒よろしくお願い申し上げます。

(マガジンの詳細説明記事)


失礼しました!

それでは本文に移っていきます。Earnings Callの内容も盛り込んでいます。

1. Revenue(売上高)

Q1-2022:売上$574.8M/YoY+18.5%(アナリスト予想:$572.9M)。

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2019:$201.9M
Q2-2019:$261.2M
Q3-2019:$279.7M
Q4-2019:$399.8M
Q1-2020:$271.8M(YoY +34%)
Q2-2020:$272.4M(YoY 4%)
Q3-2020:$442.6M(YoY +58%)
Q4-2020:$705.6M(YoY +76%)
Q1-2021:$ 485.23M(YoY +78%)
Q2-2021:$ 613.21M(YoY +125%)
Q3-2021:$ 632.93M(YoY +43%)
Q4-2021:$846.66M (YoY+20%)
Q1-2022:$574.88M (YoY+19%)

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成長率は鈍化した状態が続いています。ユーザー数と単価については追ってKPIの項目でお伝えします。

売上高については以下の要因で好調であったと述べられています。

これは、リテール広告主、国際事業、SMB 管理広告主が好調だったためで、CPG や欧州での戦争の影響による景気低迷をすべて相殺することができました。一方、エンゲージメントは引き続き逆風にさらされています。

Earnings Call

地域別にみると欧州が力強かったことが示されています。

欧州の売上高は前年同期比 27%増加しました。前年同期の為替レートを適用した場合、欧州の売上成長率は約34%となります。

Earnings Call

2. EPS

Q1-2022: $0.10 YoY▲9% (予想$0.04)

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Q1-2019:$ -0.32
Q2-2019:$ -0.06
Q3-2019:$0.01
Q4-2019:$0.12
Q1-2020:$△0.10
Q2-2020:$△0.07
Q3-2020:$0.13(YoY +1200%)
Q4-2020:$0.43(YoY +258%)
Q1-2021:$0.11(YoY+210%)
Q2-2021:$0.25 (YoY47%)
Q3-2021:$0.28 (YoY+115%)
Q4-2021:$0.49 (YoY+14%)
Q1-2022:$0.10 (YoY▲9%)

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遂にEPSは前年同期比でマイナスとなっています。

3. ガイダンス

Press Releaseでガイダンスについて触れられている項目は以下となります。

現在の予想では、第2四半期の売上は前年同期比で約11%増加すると見込んでいます。第2四半期の非GAAPベースの営業費用は、前四半期比10%前後の伸びを予想しています。通期では、ネイティブ・コンテンツ・エコシステムに対する投資の拡大が続くため、Non GAAPベースの営業費用は前年比35~40%増になると予想しています。

ネイティブコンテンツエコシステム、Pinner体験、ショッピング、研究開発および営業・マーケティング部門*への投資を引き続き強化するための費用です。

Press Release

上記の投資に対する影響については以下の通り述べられています。

ネイティブコンテンツのエコシステムを構築するための投資は、収益に対して1桁台半ばの逆風となる可能性があります。しかし、この取り組みは、時間の経過とともに、エンゲージメントと収益の双方に貢献するものと考えています。

Earnings Call

2021年2Q時点の売上613.2Mから11%増加すると考えると2022/2Qの売上は680.6Mが想定されます。アナリストの事前予想では692.46Mとなっているので未達ですね。

Monthly Active User については自信がないコメントがCFOから聞かれています。

第2四半期のMAUについて考えるにあたり、補足情報を提供したいと思います。第2四半期は、季節的にMAUが最も少ない時期ですが、これは、外出や出張が増え、主要なユースケースを使用する機会が減る傾向があるためです。なお、四半期末のMAUは、各四半期の最終月から30日間を基準に算出されています。米国では6月はエンゲージメントが弱い月なので、4月25日のMAUのスナップショットは6月のMAUを予測できない可能性があります。

また、2021年第4四半期に発生した検索アルゴリズムの変更による前年比成長の逆風に引き続き直面し、さらに今後の検索アルゴリズムのアップデートによる新たな逆風の可能性もあり、そのタイミングを予測するのは困難な状況です。

最後の記述の通り、日本のアフィリエイターと同様でGoogleの検索アルゴリズムの変更の影響をうけるので、読めない部分がありますね。

4. KPI

ではユーザーと単価について見ていきましょう。

【ユーザー数】

QoQでユーザー数は再び下落に転じています。ユーザー数が下落しているって冷静に深刻ですよね。

ちなみに2022年4月25日現在、米国およびカナダのMAUは9,400万人(3末時点と同じ)、全世界のMAUは4億3,290万人(3末時点4億3300万人なので微減)となっています。

3末に比べて減少している理由についてCFOから以下の説明がありました。Googleのアルゴリズム変更による検索流入の減少は結構クリティカルなので即座に解決はできない問題です。(ブログ運営をした経験のある方なら身にしみてわかりますよね…)

1つは、これまでにもお話ししてきたように、特に前回の電話会議では、検索からのトラフィックが減少したことが挙げられます。例年、2月と3月には、新規ユーザーの登録や再登録が増加するのが一般的でした。しかし、第4四半期に実施した検索アルゴリズムの変更の影響により、第1四半期はそのような現象が起きなかったと思われます。

2つ目はロシアのウクライナ侵攻で、これはCOVIDのロックダウンの最初にも少し触れましたが、他の大きなニュースが起こっている期間には、人々はインスピレーションや計画行動から、他のサービスで見つけたリアルタイムのニュース更新に目を向けることが多いのです。

そういえば昔やっていたPINSの広告をてっきり見なくなったの。。。。

エンゲージメントに関してはCFOから以下のコメントがでています。モバイルは比較的ましなようです。

第1四半期のエンゲージメント傾向については、インプレッションと収益の大部分を占めるグローバルなモバイルアプリのMAUが、前年同期比で1桁台半ばの伸びを示したことが特筆されます。

米国およびカナダにおけるモバイルアプリのMAUも比較的堅調で、前年同期比で約6%減少にとどまりました。一方、ウェブベースのMAUは前年同期比で31%減少しました。

前四半期比では、米国とカナダのモバイルアプリのMAUは横ばいでした。Z世代の若いユーザーも好調で、前年比1桁台半ばの伸びを示しました。最後に、ショッピング利用は比較的堅調で、Pinnersの利用者数とショッピング利用者数は前年同期比で増加しています。

ユーザー数が伸び悩む一つの要因として以下をあげていますが、あくまで一要因であり本質的ではないという印象をうけますね。

Pinterestでは、ユーザーがサイトにアクセスしたときに、すぐにサインアップを求められることなく、より閲覧しやすい環境を整えています。これは、当初はグローバルでの新規ユーザー登録に若干のマイナスの影響を与えましたが、より長い閲覧セッションの障壁を取り除くことで、長期的にはより多くのアクティベーションを促すことができると考えています。

【単価】

単価は季節性があるので前年同期比で見る必要があります。()は前年1Q

全世界
$1.33 ($1.04)

米国
$4.98 ($3.99)

米国以外
$0.32 ($0.26)

なんとか単価の上昇に助けられているという感じですね。

茶の湯TIME:エンゲージメント回復のための施策とは?

Earnings Callではユーザー数やエンゲージメントの減少に対しての対策を以下のように述べています。

全世界の月間アクティブユーザー数は 4 億 3,300 万人で、パンデミックの影響を受けて増加した前年同期と比較して 9%減となりました。
また、検索エンジンからのトラフィックの減少や、競合プラット フォームでの利用時間の減少の影響も受けました。私たちは、ピナーの体験を向上させ、エンゲージメントの逆風に真っ向から取り組むために、さまざまな取り組みを行っています。

近い将来、私たちは洗練された機械学習をプラットフォームのあらゆる側面に適用する予定です。その結果、ホームフィードの関連性、検索結果の品質、通知への関与が著しく改善されたことが確認されています。これらはすべて、ピンナーのためのプラットフォームの品質を向上させ、ユーザーのエンゲージメントを深めるための先行指標となります。また、第3四半期からは、グローバルなブランド認知・理解促進マーケティングキャンペーンを実施する予定です。

Earnings Call

要はAIでプラットフォームを改善していくということですが、結局改善されたと指摘する「ホームフィードの関連性、検索結果の品質、通知への関与」の定量的な指標がないので、今後もユーザー数の推移を追っていくしかなさそうですね(KPI項目で)

上記の内容は抽象的だったが具体的に行なっていることとしては以下を述べておった。良いクリエーターを囲ってPinterestを通じた購買行動を促進させるための取り組みを継続しているということが読み取れるな。

クリエイターがより良いコンテンツを作れるように、新たに買収したVOCHIの協力を得て、新しいパブリッシングツールを構築していく予定です。コンテンツは単に面白いだけでなく、ユーザーベースをインスピレーションから行動へと導くのに役立ち、私たちが保存しているコンテンツでもあります。

また、より多くのインスパイア系クリエイターをPinterestに呼び込むために、リワードの拡充も行っています。最後に、私たちはPinterestをショッピングの目的地にするために投資を続け、ここでいくつかの大きなステップを踏み出しました。Pinterest API for shoppingを立ち上げ、マーチャントとピナーが見る商品について、価格から在庫状況までリアルタイムの情報を提供することを支援します。

また、「Your Shop」のベータテストを開始しました。これは、味覚や嗜好を理解する独自の機能を用いて、それぞれのPinnerにパーソナライズされた体験を提供するものです。この作業は、私たちのビジョンの根幹をなすものです。ユーザーは、インスピレーションを得ることを期待してPinterestを訪れるだけでなく、購入することでそのインスピレーションを現実のものにできることを知ることができるのです。

私たちは、ピナーがインスピレーションの閃きから、購入、製作、試用、そして実行に至るまで、全面的に支援するための前進を続けています。

5. CF(営業CF、投資CF、財務CF)

完全に営業CFで投資CFと財務CFをまかなっています。

営業CF:213.4M
投資CF:49.4M
財務CF:1M

6.総負債比率

総負債比率は上場からあまり時間が経過していない企業としては非常に低い水準となっています。CFの欄でも触れましたが、資金を有効活用して事業活動のために使っておらず、今後も懸念されるところです。

7.Earnings Call

Earnings Callについては以下でお伝えしています。内容は1-6に盛り込んでいます。

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