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(米国株式市場8月2〜6日)今週の合戦の振り返り!主要3指数は最高値を更新するも売抜日は多く引き続き警戒感。雇用統計は力強さを示し、金利とドルが上昇、金が下落という素直な動き。

おはようございます。東京オリンピックも終盤に差し掛かっていますね。

株式市場は引き続き決算WeekをこなしながらナスダックとS&P500指数で最高値を更新するという展開となっています。

今週も合戦(米国株式市場)も振り返っていきましょう。

先週の合戦については以下↓↓↓

今週当マガジンで取り上げた決算は以下となります。

✔︎ SQ
✔︎ FVRR

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決算に関しては、売上やEPSがクリアしたとしても、ガイダンスが示せなかったり見通しが暗かったりすると暴落するという傾向が続いておるの。

コロナショック後に暴騰してきた銘柄は、成長継続性を示せるかが試されている局面と言えるの。

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1. 今週の合戦の要約

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・ダウ平均、S&P500指数、ナスダックの主要3指数は最高値を更新
・売抜日はS&P500指数が7でナスダックが5となり「Confirmed Uptrend」なるも警戒感がある。
・S&P500指数でも半分以上が50日移動平均線を下回っている
・堅調なセクターは金利上昇の恩恵を受けた金融セクター
・雇用統計は94.3万人と予想87万人を上回り今年最大の上昇(6月も速報値85万人から93.8万人と上方修正)
・失業率も予想5.4%と予想5.7%を下回る
・雇用統計を受け金利上昇、ドル上昇、金下落、オールドエコノミー株上昇、ハイテク株下落という素直な動き。10年債金利は1.3%台を回復。
・アナリストの見解もテーパリングに向けた前進という見解(8月26日から28日のジャクソンホールに注目が集まる)
・プットコールレシオは楽観水準からニュートラルな水準に
・アクティブファンドマネージャーのポジションは100%近くにストレッチ

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2. 代表株価指数動向(&強気相場 or 弱気相場判定)

□ 各株価指数の動き

以下は主要4指数の動きです。ダウ平均、S&P500指数、ナスダックともに最高値を更新しています。不調が続いているラッセルも上昇していますが、依然として50日移動平均線を下回っています。

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わかりやすく主要3指数の一週間の動きを比較したものが以下となります。

青:S&P500指数
緑:ナスダック総合指数
赤:ダウ平均

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ナスダックが勢いよく上昇していきましたが、後ほどお伝えする雇用統計が堅調な結果となり金曜日に金利が上昇したことを受けて下落しました。とはいえ、3指数の中で最もよい成績となっています。

わかりやすく年初来の4指数の動きを比較したものが以下となります。

S&P500指数:18.12%
ナスダック:15.11%
ダウ平均:14.56%
ラッセル2000:13.22%

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中小型指数であるラッセル2000は1月と2月の急上昇のあとは軟調に推移しています。結局一番高いリターンを示しているのは大きく崩れることなくコツコツと積み上げているS&P500指数となっています。

ただ、直近S&P500指数の中で50日移動平均線を超えている銘柄は減り続けており40%程度という水準に落ち込んでいます。全体としては垂れてきているものの、一部の銘柄に支えられているという状況になっていることは念頭に置いた方がよいでしょう。


□ 現在は強気相場?弱気相場?

以下はS&P500指数とナスダック総合指数の今週の動きと売り抜け日の数となります。S&P500指数は売り抜け日は1つ追加され7と高水準となっています。

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累積売り抜け日はS&P500が7(先週比+1)、NASDAQは5(先週比+1)。売抜日は高水準になっていますが、短期的な50日移動平均線だけでなく21日指滑移動平均線すら上回り最高値を更新していることから、ステータスは「Confirmed Uptrend (確固たる上昇相場)」の継続となっています。

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(売り抜け日カウント数とは?)

前日比で0.2%以上のマイナスを前日以上の出来高ともなって記録した日を「売り抜け日」とカウント。4-5週間で4-5日あれば天井から下落の可能性あり。2-3週間という短期間で売抜日が4日ある場合も注意が必要。

「フォロースルー日」を迎えたらカウントはリセット。「フォロースルー日」は下落局面で前日比プラスで引けた日から4-7営業日後に出来高を伴って大幅に上昇した日のことを指す。また、カウントから25営業日経過後にも消滅する。

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現状はまだ買って良い水準です。ただ、直近成長株に関してはブレイクアウト(=高値抜け)してもすぐ押し戻されるケースが多くなっており成長株投資家としては注意深く投資をするフェーズに来ています。

ミネルビニ氏も直近の相場に関して警戒感を示しています。


3.セクター別(1week)

□ S&P500

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LLY+8.19%、PFE+5.28%、BAC+4.67%、NVDA+4.45%
FIS△10.22%、CI△8.80%

堅調な雇用統計を受けた金利の上昇を受けて金融機関が堅調な成績をのこしています。

□ セクターETF騰落率 Highlight(1week)

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KRE (Regional Bank ETF):+4.97%
XLF (Financial Sector):+3.67%
GDX (Gold Miners):△4.81%

□ 業種別 Highlight(1week)

業種別のリターンは以下となっています。

まだ、データが更新されていませんので追って更新します。


4. FRB動向

(FRBの金利動向に気をつける)過去を振り返ると、FRBの金利が引き上げられたことがきっかけで弱気相場が始まり不景気に突入した歴史があります。弱気相場が終わるのは金利が下げられた時が多いです。

最も簡単で役に立つ金融指標はFederal Fund(FF)レート(政策金利)。コンピューターによる自動売買や様々なヘッジサービスによってリスクの高い弱気相場で発生する株価の下落から資金を守るために、ポートフォリオの大部分をヘッジするファンドが現れました。

金利が急騰する場面は相場が下落しやすい仕組みになっています。

□ 今週のHighlight

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・7月の雇用統計は94.3万人と予想87万人を上回り今年最大の上昇
・6月も速報値85万人から93.8万人と上方修正
・失業率も予想5.4%と予想5.7%を下回る
・雇用統計を受け金利上昇、ドル上昇、金下落、オールドエコノミー株上昇、ハイテク株下落という素直な動き
・アナリストの見解もテーパリングに向けた前進という見解
・8月26日から28日のジャクソンホールに注目が集まる

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□ 雇用統計

7月の雇用統計が金曜日に発表されました。

7月速報:94.3万人 (予想 87.0万人) 今年最大の改善
7月失業率:5.4% (予想5.7%)
平均賃金の伸び:前月比+0.4%、前年比4.0%(6月の3.7%から加速)
6月確報値:93.8万人に上方修正 (速報値は85.0万人)

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以下は雇用者数の推移です。コロナで大幅に下落しましたが約75%程度は雇用が回復してきていることが読み取れます。

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失業率も停滞していましたが、下落に転じる動きを見せています。

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雇用の増加を索引しているのはLeisure and hospitality(レジャー)と政府部門と移動関連となっています。経済再開に向けた動きが出てきているといえるでしょう。

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以下は結果を受けたロイターの分析となります。季節的要因が寄与している部分もあり、失業率も計算方法によっては5.7%であると慎重な見方をしめしています。


学校が夏季休暇に入る7月は例年、教育関連の雇用が100万人程度減少するが、今年はパンデミック(世界的大流行)に伴う混乱が一段落したことでサマースクールに参加する学生が多く、政府がデータから季節的変動を取り除くために使用しているモデルに狂いが生じ、雇用者数の増加につながった可能性がある。

7月は政府部門の雇用者数が24万人増加。州・地方政府の教育関連が22万1000人増となった。雇用統計をまとめている労働省の労働統計局(BLS)は「教育分野におけるパンデミック関連の人員変動が通常の季節的な増員・解雇パターンを歪め、7月の雇用増に寄与している可能性が高い」とした。
学校が夏季休暇に入る7月は例年、教育関連の雇用が100万人程度減少するが、今年はパンデミック(世界的大流行)に伴う混乱が一段落したことでサマースクールに参加する学生が多く、政府がデータから季節的変動を取り除くために使用しているモデルに狂いが生じ、雇用者数の増加につながった可能性がある。

7月は政府部門の雇用者数が24万人増加。州・地方政府の教育関連が22万1000人増となった。雇用統計をまとめている労働省の労働統計局(BLS)は「教育分野におけるパンデミック関連の人員変動が通常の季節的な増員・解雇パターンを歪め、7月の雇用増に寄与している可能性が高い」とした。

業種別では、レジャー・サービス業部門が38万人増加し、全体の伸びの4割を占めた。レストラン・バーの雇用は25万3000人増加。また、専門職・企業サービス、運輸・倉庫、ヘルスケアなども増えた。製造業では2万7000人、建設業では1万1000人それぞれ増加した。

失業率は5.4%と、前月の5.9%から低下し、20年3月以来1年4カ月ぶりの低水準となった。生産活動に従事し得る年齢の人口に占める働く意志を表明している人の割合、いわゆる労働参加率は61.7%。6月は61.6%だった。

ただ、失業率は新型コロナウイルス禍で発生した「雇用されているが休職中」の人の扱いがかく乱要因となっており、こうした要因を除いた場合の失業率は5.7%となった。

参照:ロイター

FOMCのテーパリングの時期を決定するためには経済の進展を確認する必要があることが先週のFOMCで示されています。以下はFOMC後のパウエル議長の発言です。

【パウエル議長の発言】
✔︎ テーパリングについては今後のデータ次第
✔︎ 「さらなる著しい進展」についての数値基準は示せない
✔︎ まだ、見極めるべき点が多い。雇用の面ではほど遠い。
✔︎ デルタ拡大は重しとなる可能性
✔︎ 物価上昇圧力は大きいが元に戻ると考えている
✔︎ ただ、経済再開は前例がないのでインフレが予想以上に上昇する可能性はある

今回の雇用統計の結果はFRBのテーパリングの議論を進展させるのに十分なものかは不明ですがアナリスト達の声を聞いてみましょう。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「強い繰越需要(ペントアップデマンド)が見られる中、労働集約型のサービス部門の雇用増が続いている。労働市場は健全な状態で第3・四半期に入った」と述べた。

参照:ロイター


アバディーン・スタンダード・インベストメンツのチーフエコノミスト代理、ジェームズ・マカン氏は「今後2─3カ月で(労働市場の)力強い数値が発表されれば、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)に関する事前発表にゴーサインが出る可能性は高い」との見方を示す。

また、ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクワドロス氏は「米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長にとって今回の統計が(今月下旬の)ジャクソンホール会議の前に確認できる最後の雇用統計だった」とした上で、「パウエル氏は9月のテーパリング発表も視野に下準備を進めていると想像せざるを得ず、年末までにテーパリングが開始される可能性が引き続き高まっている」と分析した。

一方、新型コロナ変異株「デルタ」による感染拡大がリスクだ。人口の約半数がワクチン接種を完了しているため経済活動への大きな影響はないとみられているが、感染が拡大すれば雇用の妨げになる可能性がある。

概ねポジティブな見解でテーパリングの議論をすすめるのに前進する結果という捉え方になっています。

また、最後の段落でお伝えしているコロナの懸念についても触れていきたいと思います。米国でもコロナの感染拡大が懸念されており、各所でマスクの義務化などの動きがでてきています。

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サンフランシスコやロサンゼルス郡など、マスク着用ルールを復活させる政府や企業も出てきています。ニューヨーク市は屋内での活動に予防接種を義務付けだしました。また、米国の自動車会社や労働組合は、労働者にマスク着用の再開を求め始めました。自動車メーカーを筆頭に、各企業がマスク着用を義務化したり、職場への復帰を遅らせたりする動きが相次いだ。マイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)のグーグルは、労働者が職場に戻る前に予防接種を義務付けています。

ただ、ワクチンのおかげで以下の通り死者数は以前に比べて格段に抑えられています。

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死者数の増加は感染者数に遅れて伸びてくるので今後の動きは注視していた方がよいでしょう。

このコロナ拡大への懸念が雇用統計までの債券利回りの低下に一役かっています。雇用統計を受けてオールドエコノミーが多いダウ平均は上昇し、ハイテク株が多いナスダックは下落という素直な動きになっています。

また、金利上昇によってドルが上昇し金が下落という素直な反応になっていますね。

【DXY=ドルインデックス】

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【金先物(=ドル建)】

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□ 長期金利(5・10年債利回り)

長期金利の動向は株式市場関係者は非常に注意深く見ています。10年債利回りと株式のバリュエーションはシーソーゲームの関係にあるからです。金利が上がれば(債券が売られれば)株の評価は下がります(あえて、非常に簡易的に表現しています、評価が下がるのはそれだけではありません)。

【10年債】
1週間の動き:1.15%まで下落していましたが1.3%台まで上昇しています。

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YTD:6月から続く下落基調から切り返している。

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データ:Market Watch


【5年債】
1週間の動き:0.6%前半まで下落していたが0.75%を超えてきている

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YTD:6月から続く下落基調から切り返している。

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参照:Market Watch

□ ドットチャートの動き

更新は3月・6月・9月・12月です。3月から引き続き、2021年での利上げは見込んでいません。次回は9月ですが、現状認識のために6月の結果のおさらいです。

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月の会合で、2023年時点で現状から2回の利上げが見込まれると発表されました。2023年の中央値が2021年3月時点では0.125%、今回は0.625%です。

利上げ見通しに加え、経済見通しについても発表がありました。

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・2021年GDP見通し:前回6.5%→今回7.0%
・2021年のインフレ率:前回2.4%→今回3.4%
・2021年のコアインフレ率:前回2.2%→今回3.0%

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□ FRBのバランスシート(BS)拡大・縮小動向

テーパリングが話題にのぼっているので日々FRBのバランスシートが拡大しているかは確認する必要があります。バランスシートは以下の通り現状も定常ベースで伸びていっています。

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5. プットコールレシオ

ここからはあくまで補助的な指標です。5、6、7の項目が売りを示しているからといって下落するというわけではありません。あくまで重要なのは指数の値動きと出来高です。そのため以下の項目は補足的にご覧いただければと思います。

ここでは年初来からの比率(%)を観察します。直近の投資家心理を確認。

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・プット(Put)=投資家が株式相場下落を期待(%が高い時)
・コール(Call)=投資家が株式相場上昇を期待(%が低い時)

プットコールレシオ= Put売買金額 /Call売買金額

で算出されます。つまりプットコールレシオが1を超えているということはPutの売買代金の方が大きく下落を警戒する投資家が多いことを意味します。これは相場が悲観的なことを意味しており相場の底局面ではプットコールレシオが高くなる傾向があります。

一方、プットコールレシオが1を下回っているということはCallの売買代金の方が大きく上昇を期待する投資家が多いことを意味します。ただ、これは楽観的であるということを意味しており、相場の高値圏ではプットコールレシオは低くなる傾向があります。

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(年初来/S&P500)

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S&P500のプットコールレシオは0.94となっています。1を下回っているのでコール(上昇を期待する投資家)の方が多いので楽観的な水準ではありますが、前週の0.8から上昇しており比較的ニュートラルな状態になっています。

6. Volatility index(VIX指数/恐怖指数)

VIXとは市場で取引されている価格から逆算された「株式市場のボラティリティ」のことを指します。株価指数は上昇時は緩やかに上昇し、下落時は急落します。市場参加者が高いボラティリティを見込んでいるということは、市場に対して不安を抱いていると想像できます。

VIX指数は株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象にした指数。通常、株安が懸念される局面で上昇し、20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。

2008年の金融危機の際にVIX指数が80超に上昇して注目を集めた。18年2月と10月にもVIX指数の上昇をきっかけに米国株が下落する場面があった。VIX指数の上昇に連動して機械的な株売りを出す「リスク・パリティ」などと呼ばれるファンドが存在するからだ。

(引用:日経新聞)


S&P500指数とNASDAQのVIX指数の推移は以下となります。

<5年推移>

青:S&P500指数のVIX
赤:ナスダック版のVIXであるVXN

一貫して下落基調を維持しています。ただ。直近停滞しておりコロナ前よりは依然として高くなっています。

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<直近1ヶ月推移>

S&P500指数のVIXハ8月に入ってから下落し続けています。

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7. 空売り比率 (Short Volume)

空売り比率・ショートボリュームはNYSE(ニューヨーク証券取引所)で空売りされている株式の数をNYSEの総出来高との割合で示したものです。

この比率が高ければ投資家が市場をネガティブに見ていることが読み取れます。(「空売残」はShort Interestです。ここでは触れません)


特に暴落局面で注視するのが有効で弱気相場が底をつける時というのは空売りの急増を示す数値の上昇が通常2回か3回現れると成長株の巨匠・オニール氏は言及しています。

それではまずS&P500指数の空売り比率は以下となります。S&P500指数で最も取引Volumeが多いETFであるSPYで見ていきます。週前半は落ち着いていましたが、水曜日以降70%近い水準となっています。

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【前週データ】

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また、ナスダックについては取引ボリュームが大きいQQQでみていきたいと思います。QQQは今週は先週に比べて空売り比率は落ち着いています。

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【前週データ】

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8. 機関投資家やアクティブファンドマネージャーの動向

□ センチメントインジケーター

センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したもの。スコアが1を超えていたら、ポジションが増大していることを示し、-1を下回るとポジションが縮小していることを示しています。以下は最新の8月2日に更新されたものです。

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前回7月24日のポジションが0.3であったことを考えると0.2縮小したことになります。7月からポジションが徐々にへってきていますね。

□ NAAIM Number

次にNAAIM Numberです。NAAIM Numberはアクティブファンドの投資動向です。100を超えるということはアクティブファンドがレバレッジをかけていることを意味します。

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今週急激にポジションが拡大し、6月初旬ぶりにポジションは100%に近い水準となっています。

9. 注目経済指標の動向

テーパリングを意識する局面では経済指標の重要性が増してきています。今週最も重要だった指標は先述の雇用統計であることは疑いありません。

しかし、その他にもISM非製造業指数が発表されており、予想60.5に対して64.1と堅調な数値をたたきだしています。

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10. 米国企業決算スケジュール

来週も引き続き決算Weekです。非常に多くの銘柄が決算を迎えるので全部記載するのは不可能でしたので主だった銘柄を載せておきます。全ての決算についてはEarningwhisperをご参照ください。

来週はUを秀次郎(@hidejiromoney)が決算速報を担当します。


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まとめ

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・ダウ平均、S&P500指数、ナスダックの主要3指数は最高値を更新
・売抜日はS&P500指数が7でナスダックが5となり「Confirmed Uptrend」なるも警戒感がある。
・S&P500指数でも半分以上が50日移動平均線を下回っている
・堅調なセクターは金利上昇の恩恵を受けた金融セクター
・雇用統計は94.3万人と予想87万人を上回り今年最大の上昇(6月も速報値85万人から93.8万人と上方修正)
・失業率も予想5.4%と予想5.7%を下回る
・雇用統計を受け金利上昇、ドル上昇、金下落、オールドエコノミー株上昇、ハイテク株下落という素直な動き。10年債金利は1.3%台を回復。
・アナリストの見解もテーパリングに向けた前進という見解(8月26日から28日のジャクソンホールに注目が集まる)
・プットコールレシオは楽観水準からニュートラルな水準に
・アクティブファンドマネージャーのポジションは100%近くにストレッチ

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