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【RBLX/Q4-2021決算速報】ゲーム版Youtube/メタバース中心銘柄「ロブロックス(Roblox)」, 2021年第4四半期の結果は売上×(※)、EPS×。AHで株価大きく下落。今回も決算とEarningsCallから業界動向をチェック。

(全文無料で読めます)

※このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(Robloxの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【RBLX/米国株銘柄分析】「かくれんぼ」も今は仮想空間で!?ゲーム版Youtube/メタバース中心銘柄「ロブロックス(Roblox)」の概要, ビジネスモデル, 今後の株価見通し(将来性/成長性)を直近決算&Earnings CallとCANSLIMの観点から考察。」を参照。)

「Roblox(ティッカーシンボル:RBLX)」のQ4-2021の決算結果が出ました。(Jan-2022ガイダンスの"Bookings"ですがYoY+2〜3%の間違いです。失礼しました。)


After Hourで株価は決算を受けて下落中です。

(RBLXの2月15日時点の株価)

50MA(赤線)が150MA(緑線)と200MA(黒線)を下抜けそうですね。しばらくダメそうです。一時は141ドルあった株価も今は半値の73ドルです。ここからさらに下がりますが、ハイテク企業が強くなる時期をじっと待ちましょう。


どうもいつもお世話になっています。秀次郎(@hidejiromoney)です。それでは今回の決算の詳細を見ていきましょう。


2021年度第4四半期決算結果


◇ Q4-2021:

・売上:$568.8M/YoY+83%
・Bookings:$770.1M/YoY+20%(予想$772.02 - 781.71M)
・EPS:-$0.25(予想-$0.12 - 0.13)×
・DAUs:49.5M/YoY+33%
・Hours Engaged:10.8B

◇ Jan-2022:

・Bookings:$220 -230M/YoY+64 - 66%
・DAUs:54.7M/YoY+32%



■ Revenue(売上高)

◇ Q4-2021:$568.8M/YoY+83%

※予想比較はロブロックスの場合は後続の"Bookings"(企業KPI)で実施します。本来は会計上の売上でアナリストは予想を出すはずなのですが、毎回”Bookings”で予想を出すパターンが多く統一感もありません。参考情報程度に留めるのが良いかと思います。



※YoY = year over year(前年同期比)

Q2-2019:$110.5M
Q3-2019:$119.2M
Q4-2019:$131.1M
Q1-2020:$161.6M(YoY+46.2%)
Q2-2020:$200.4M(YoY+68.1%)
Q3-2020:$251.9M(YoY+92.1%)
Q4-2020:$310M(YoY+110.0%)
Q1-2021:$387M(YoY+139.5%)
Q2-2021:$454.1M(YoY+126.6%)
Q3-2021:$509.3M(YoY+102.2%)
Q4-2021:$568.8M(YoY+83%)




■ EPS(1株当たり純利益)

◇ Q4-2021:-$0.25(予想-$0.12 - 0.13)×

EPSは予想を下回りました。IPOしたばかりなのに普通に決算失敗しています。しばらく買い場は遠そうです。

(Net loss per share, basic and diluted)


Q1-2020:-$0.44
Q2-2020:-$0.40
Q3-2020:-$0.26
Q4-2020:-$0.11
Q1-2021:-$0.46
Q2-2021:-$0.25
Q3-2021:-$0.13
Q4-2021:-$0.25



■ 営業キャッシュフロー

◇ Q4-2021:$122.2M(YoY-31.7%)


※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2019:$25.5M
Q2-2019:$14.3M
Q3-2019:$22.9M
Q4-2019:$36.5M

Q1-2020:$43.5M(YoY70.6%)
Q2-2020:$116.6M(YoY+715.4%)
Q3-2020:$185M(YoY+708.7%)
Q4-2020:$179M(YoY+390.4%)
Q1-2021:$164.5M(YoY+278.2%)
Q2-2021:$191.2M(YoY+64%)
Q3-2021:$181.2M(YoY-2.2%)
Q4-2021:$122.2M(YoY-31.7%)



わかりやすく鈍化しています。巣篭もり銘柄ですので、致し方ないですね。

意外と「仮想現実でセカンドライフ」はしばらく盛り上がらないかもしれませんね。秀次郎もぶっちゃけ仮想現実よりリアルな海外リゾートで酒を飲みながらピチピチギャルと戯れたいです。


■ フリーキャッシュフロー

◇ Q4-2021:$77.3M

前年比率が地面掘ってしまっていますね。

2020年-2021年前半は営業CFと同様、2020年は革命の時代だったのではないでしょうか。直近は流石にパンデミック期との比較になりますので、逆V字になるのも致し方ないですね。

巣篭もりで稼いだキャッシュで地道に事業を拡大していってほしいです。


企業KPI

■ BOOKINGS

◇ Q4-2021:$770.1M/YoY+20%(予想$772.02 - 781.71M)

アナリスト予想も下回っています。(参考情報として取り扱ってください)



こちらもCovid-19パンデミック特需の関係でやはり成長率は下がります。

Bookingsとは何かを少し解説します。

Bookings represent the sales activity in a given period without giving effect to certain non-cash adjustments. Substantially all of our bookings are generated from sales of our virtual currency which we record as deferred revenue and then recognize that revenue over the estimated average lifetime of a paying user. See the section titled “Management’s Discussion and Analysis of Financial Condition and Results of Operations—Critical Accounting Policies and Estimates—Revenue Recognition” for more information, including the methodology for the average lifetime of a paying user estimate. Bookings also include a minimal dollar amount from advertising and licensing arrangements.

RBLX IR


Bookings(予約)は、測定期間中にユーザーが購入した仮想通貨(Robux通貨)の量に相当。これを繰延収益として計上し、その後、有料ユーザーの推定平均寿命(平均的な利用期間)に亘って収益(売上)を認識していきます。会計原則的には売上とされませんが、ロブロックスの業績をタイムリーに示す指標として公表されています。


FF7で言えば、自分のお金をFF7内の「ギル」に換金した瞬間にBookingsに反映されるということです。ドラクエでいえばゴールド。ギルがないとマテリア(魔法を使うための球状のアイテム)や強い武器を買えません。

(Final Fantasy7の武器屋)


ユーザーの平均寿命(estimated average lifetime)」の見積もり方法は、各有料ユーザーグループ(共通した因子を持ち、観察対象となる集団)の月間保有データに基づいて計算されます。

そして、有料ユーザーがプラットフォーム上で過ごし、ロブロックス環境に参加するであろう、と予測される加重平均期間を決定します。

これにより、平均保有期間を算出します。2021年12月31日に集計したQ4有料ユーザーの平均保有期間は23ヵ月でした。


1万円を1万ギルに変換したら、1万円を23ヶ月に亘って売上に計上していくというイメージですね。つまり、最新の売上は大半が過去にユーザーがRobux通貨に換金したものが遅れて計上されてきていることが想像できます。


■ Daily Active Users (DAUs/1日あたりのアクティブユーザー数)

◇ Q4-2021:49.5M(YoY+333%)

こちらは順調に伸びています。右肩上がりに成長しています。1日に4,950万人もロブロックス内で遊んでいるんですね。まさにメタバース。一つの国のようです。

デイリーアクティブユーザーは、「特定の暦日にロブロックスのウェブサイトまたはアプリケーションを介してロブロックスにログインし、訪問したユーザー」と定義されています。要するに1日あたりどれくらい来ているのかです。

2つの暦日にまたがる24時間以内に複数回ロブロックスを訪問した場合、そのユーザーは最初の暦日についてのみDAUとしてカウントされます。ダブりは無しですよと。


■ Hours Engaged

◇ Q4-2021:10,818M(YoY+28%)

10,818百万時間、108.18億時間となっています。Q3から少し短くなりましたね。2022年の夏には真の陰キャしか残らなくなってくると予想(嘘です)。


アワーズ・エンゲージド(接続時間)」は、ユーザーがプラットフォームで過ごした時間です。


■ Average Bookings per DAU

◇ Q4-2021:$13.49(YoY-1.7%)

Average Bookings per DAUは、ユーザー1人当たりのBooking(BookingsをDAUで割る)です。こちらは、Q3に続いて前年同期に比べるとマイナスになっていますね。


上記までの数字は、総じて巣篭もりバブルからの下り坂という感じですね。地道に経営拡大していってほしいです。魅力的な企業なので。


財務状況(資本配分/自社株買い/M&A)

■ 資本配分

まだIPOしたてで公募は行われていません。今後の株価次第ですね。

■ M&A

8月に対戦型ゲーマー向けのチャットプラットフォームを構築するGuilded(Discordの競合/非公開企業)を9,000万ドル(現金と株式)で買収を発表。

ROBLOX ACQUIRES GUILDED, A PLATFORM TO CONNECT GAMING COMMUNITIES

階層型のボイスチャット、ビデオチャット、統合カレンダー、スケジューリングツールなどのツールや機能を含むプラットフォームを持つGuilded社と共に、ゲームコミュニティの強化を目指します。

FY-2022ガイダンス

1月までの実績が発表されています。


・売上:$203 - $206M/YoY+64 - 66%
・Bookings:$220 -230M/YoY+2 - 3%
・DAUs:54.7M/YoY+32%
Hours engaged:4.2B/YoY+26%
・ABPDAU:$4.02 - $4.08/YoY-22% - 23%



1月のユーザー数の増加に加えて、1月の17歳から24歳のセグメントは前年同月比51%増となりました。これは、あらゆる年齢層の人々を当社のプラットフォームに集結させるという当社のビジョンが見事に実証された結果です。国際的には、アジア太平洋地域、ラテンアメリカ、ヨーロッパでの堅調な成長に加え、当社が注力している日本とインドの2カ国で前年比100%以上の成長を達成し、当社にとって素晴らしい結果となりました。

COVIDは現在7四半期目に入っています。最初の4四半期は、事業が劇的に成長し、トップラインが前年同期比で3倍になった四半期もありました。去年の今頃は、一昨年の2.6倍だったんですよ。このように、私たちはかなり大きな成長を遂げています。しかし、確実に分かっているのは、22年に向けて、願わくば世界が再び開かれる時期に、これまでにない規模と立場で飛び込んでいくということです。このプラットフォームのユーザー数はピークに達しています。エンゲージメントもピークに達しており、42億時間を超え、初めて40億ドルを超えました。これほど多くの有料会員を獲得したことはありません。

EarningsCall和訳


Earnings Call(役員説明・Q&A)

こちらに日本語訳(調整済み)で全文記事にしてあります。重要ポイントは上記の決算数字項目に落とし込み、以下記事内ではハイライトにしています(太字)ので参考にしてください。


内容は上記の決算項目にそれぞれ盛り込んでおりますので、ここでは市場が最も関心を寄せている最初の質疑応答を記載します。

質疑応答

Q1:当四半期におけるギフトカードの影響、特に12月の影響について、どのようにお考えか、少しお話いただけないでしょうか。また、それが1月の予約にどのような影響を与えたのでしょうか?

マイケル・ガスリー/Roblox CFO:

第4四半期のギフトカードは非常に大きなものでした。ギフトカードは驚くほど急速に伸びました。私たちが学んだことは、ギフトカードは素晴らしいチャネルだということです。非常に強力で、ギフトカードをより多くの方々にお届けすることは、私たちにとって最優先事項です。12月のギフトカード事業の成長率は、本当に加速しています。

プレゼントに最適なアイテムですね。確かに、ユーザーがRobloxの残高を持ったまま1月を迎えた可能性もあります。私たちはそれを解明しようと社内で少しずつ作業を進めています。1月に購入を延期した可能性を示唆するような十分なデータはありません。ですから、私はそのようなことは申し上げたくありません...本当に申し上げたくありません。しかし、ここから得られることは、当社のプリペイドカードチームは、ストアバリュー商品を非常にエキサイティングなものとして捉えており、2022年の成長に向けてかなりのリソースを投入していくということです。


ーFINー

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