(米国株式市場6月7〜11日)今週の合戦の振り返り!ラッセル2000、ナスダックを中心に株価指数上昇。ヘルスケア・情報技術・通信サービスセクターが市場を牽引。長期金利1.4%台へ、成長株へ追い風!来週はFOMC開催。アクティブファンドのリスクテイク拡大。来週はORCL、CCL、ADBEが決算。テクノロジー、旅行セクターへ影響出るか?
米国株投資家の皆さま、おはようございます!!一週間お疲れ様でした!!!
さて、今週の合戦(米国株式市場)の振り返りをします。
先週の合戦については以下↓↓↓。
どうも、夏が近づきテンションBUCHIAGEの秀次郎(@hidejiromoney)です。今週の週報は私がまとめていきます。それではいきましょう。
1. 今週の合戦の要約
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・ラッセル2000、ナスダックを中心に株価指数上昇、ダウ平均はアンダーパフォーム。(ヘルスケア・情報技術・通信サービスセクターが市場を牽引)
・現在の米国株式相場ステータスは週初より「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」。積極的に買いにいける相場付き。
・来週6月17日にFOMC、8月26〜28日にジャクソンホール会合予定。テーパリング・利上げなどについて何か発信するかどうか注目。
・ブレークイーブンインフレ率は下落継続。長期金利は1.5%台から1.4%台へ。ボラティリティさらに縮小、グロース株に追い風の状態。
・先週から引き続きアクティブファンドのリスクテイクする動きが拡大。
・来週はORCL、CCL、ADBEの決算。テクノロジー、旅行セクターへ影響出るか?
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2. 代表指数動向(&強気相場 or 弱気相場判定)
今週はラッセル2000/ナスダックが大きく上昇しました。ダウ平均がアンダーパフォームしています。主要株価指数4つが50日移動平均線を上回っています。S&P500は最高値更新です。
6月10日(木)に米CPI(消費者物価指数)が発表されました。5月CPIは5.0%(予想4.7%)。一時米10年債が上昇しましたがその後下落。株価に大きな影響はありませんでした。
□ 現在は強気相場?弱気相場?
現在は「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」です。先週金曜日に「Uptrend Under resumes(上昇相場再開)」に転換しました。グロース株がわかりやすく今週は回復しました。
累積売り抜け日はS&P500が5(先週比-1)、NASDAQは2(先週比-2)。先週までは積極的にポジションを立てていく場面ではありませんでした。今週は、出来高を伴いブレイクアウトする銘柄に素直に入っていける週でした。
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(売り抜け日カウント数とは?)
前日比で0.2%以上のマイナスを前日以上の出来高ともなって記録した日を「売り抜け日」とカウント。4-5週間で4-5日あれば天井から下落の可能性あり。2-3週間という短期間で売抜日が4日ある場合も注意が必要。
「フォロースルー日」を迎えたらカウントはリセット。「フォロースルー日」は下落局面で前日比プラスで引けた日から4-7営業日後に出来高を伴って大幅に上昇した日のことを指す。また、カウントから25営業日経過後にも消滅する。
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3.セクター別(1week)
LLY+10.39%, ADBE+7.29%, AMZN+4.39%
(参照元:finviz)
□ セクターETF騰落率 Highlight(1week)
(ヘルスケア)XBI+7.16%, IBB+5.94%
(エネルギー)TAN+3.88%
□ 業種別 Highlight(1week)
・Health Care(ヘルスケア)+3.00%
・Information Technology(情報技術)+2.75%
・Communication Service(通信サービス)+2.19%
(参照元:Fidelity)
4. FRB動向
(FRBの金利動向に気をつける)過去を振り返ると、FRBの金利が引き上げられたことがきっかけで弱気相場が始まり不景気に突入した歴史がある。弱気相場が終わるのは金利が下げられた時が多い。
最も簡単で役に立つ金融指標はFederal Fund(FF)レート(政策金利)。コンピューターによる自動売買や様々なヘッジサービスによってリスクの高い弱気相場で発生する株価の下落から資金を守るために、ポートフォリオの大部分をヘッジするファンドが現れた。
金利が急騰する場面は相場が下落しやすい仕組みになっています。
□ 今週のHighlight
6月7日:リバースレポ・ファシリティーの取引額が再度過去最高の4,861億ドルを記録(これまでの最高は2021年5月27日の4,850億ドル)。
□ 今後の予定:
来週は6月17日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。
また、8月26〜28日にジャクソンホール会合、対面形式(世界の中央銀行首脳らを集めて開催する経済シンポジウム)。テーパリング・利上げについて何か発信するかどうか注目です。
□ ドットチャートの動き
3月時点でのドットチャートは以下の通りです。現状は2021年での利上げは見込んでいません。今月更新されます。
□ 米雇用統計
米雇用統計については、コロナショック後一旦マイナスに沈む局面もありましたが、経済再開期待が高まり実際に雇用者数も再び増加を始めています。
5月の結果は予想67.5万人に対して55.9万人でした。予想が大きく外れました。失業保険の特別給付が影響しているとの声が多いです。厚遇が労働者の労働意欲を削いでいる結果になっています。
これを受け、米25州が失業保険の特別加算について当初予定の9月を待たずに打ち切ると宣言しました。
□ FRBのバランスシート(BS)拡大・縮小動向
FRBは金利を引き上げる前に、まずはバランスシート(BS)の縮小(テーパリング、資産買い入れプログラムの変更)を実行することを見込まれています。
BSが拡大するということは、市場に流通する資金が増大して、景気を加熱させることに繋がります。
(2002/12/18-2021/06/09)
現状はまだまだBSの拡大は継続しています。
※資産買い入れプログラムについて、現在では米国債を月800億ドル(約8兆4千億円)、住宅ローン担保証券(MBS)は同400億ドルのペースで買い入れています。こちらのペースを下げることを「テーパリング」といいます。
□ ブレイクイーブンインフレ率
ブレイクイーブンインフレ率とは、債券市場が期待するインフレ率を意味します。
この1年間「5年ブレークイーブンインフレ率」と「10年ブレークイーブンインフレ率」は上昇基調で進んできましたが、5月に入り一服、6月も続落です。
(2020/01/01-2021/05/28)
(2021/06/01-2021/06/11)
先週に引き続き、市場が期待するインフレ率は下がってきています。経済回復のピークを織り込み切った段階といえるでしょう。FRBが「一時的に」インフレ率は高騰すると考えていた段階が過ぎたと言っても良い段階でしょう。
□ 長期金利(5・10年債利回り)
長期金利の動向は株式市場関係者は非常に注意深く見ています。10年債利回りと株式のバリュエーションはシーソーゲームの関係にあるからです。金利が上がれば(債券が売られれば)株の評価は下がります(あえて、非常に簡易的に表現しています、評価が下がるのはそれだけではありません)。
(2020/01/01-2021/05/28)
2020年3月のコロナショック後から長期金利は低下し、2021年の3月以降、大きく利回りは上昇しました。直近は落ち着きを取り戻しています。
一時は1.7%台まで上昇した10年債利回りも、1.4%台まで下がってきています。ハイパーグロース株などへはポジティブな状況です。
5. プットコールレシオ
ここでは年初来からの比率(%)を観察します。直近の投資家心理を確認。
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・プット(Put)=投資家が株式相場下落を期待(%が高い時)
・コール(Call)=投資家が株式相場上昇を期待(%が低い時)
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(年初来/S&P500)
(年初来/NASDAQ)
・S&P500は0.848%(投資家は上昇を期待)
・NASDAQは0.431%(投資家は上昇を期待)
6. Volatility index(VIX指数/恐怖指数)
VIXとは市場で取引されている価格から逆算された「株式市場のボラティリティ」のことを指します。株価指数は上昇時は緩やかに上昇し、下落時は急落します。市場参加者が高いボラティリティを見込んでいるということは、市場に対して不安を抱いていると想像できます。
S&P500指数とNASDAQのVIX指数の推移は以下となります。
(S&P500/VIX)
(NASDAQ100/VXN)
S&P500&NASDAQ共に、2021年3月の下落相場からVIX指数は急落。
S&P500/NASDAQ100は20を下回る水準で推移しています。投資家心理は安定しています。
VIX指数は株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象にした指数。
通常、株安が懸念される局面で上昇し、20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。
2008年の金融危機の際にVIX指数が80超に上昇して注目を集めた。18年2月と10月にもVIX指数の上昇をきっかけに米国株が下落する場面があった。VIX指数の上昇に連動して機械的な株売りを出す「リスク・パリティ」などと呼ばれるファンドが存在するからだ。(引用:日経新聞)
(参考:VIX/VXNの5年推移)
7. 空売り比率 (Short Volume)
空売り比率・ショートボリュームはNYSE(ニューヨーク証券取引所)で空売りされている株式の数をNYSEの総出来高との割合で示したものです。
この比率が高ければ投資家が市場をネガティブに見ていることが読み取れます。(「空売残」はShort Interestです。ここでは触れません)
特に暴落局面で注視するのが有効で弱気相場が底をつける時というのは空売りの急増を示す数値の上昇が通常2回か3回現れるとオニールは言及しています。
それではまずS&P500指数の空売り比率は以下となります。S&P500指数で最も取引Volumeが多いETFであるSPYで見ていきます。
先週金曜日から空売り比率は上昇していますが、異常値ではありません。今後の動向に引き続き注目です。
次にナスダックです。ナスダックはVolumeがあるNASDAQ100インデックスに連動するQQQの空売り比率です。SPYと連動する動きを見せていますね。
8. 機関投資家やアクティブファンドマネージャーの動向
センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したもの。スコアが1を超えていたら、ポジションが増大していることを示し、-1を下回るとポジションが縮小していることを示しています。
6月8日更新「0.4」(5月24日は「0.2」)。アクティブファンドのポジションは大きくなっています。NASDAQ、ラッセル2000が今週は出来高が伴い上昇しました。
次にNAAIM Numberです。NAAIM Numberはアクティブファンドの投資動向です。100を超えるということはアクティブファンドがレバレッジをかけていることを意味します。
1、2月はアクティブファンドの積極的な買いが入っていたことがわかります。3月は50%くらいまで引き下げ。4月は再び100を超えました。4月に比べ、5月は大きく下げています。6月は80まで上昇。
先週まで今のアクティブファンドの積極性の無さは2020年3月のコロナショック後以来、最も弱気な水準でしたが、先々週からリスクテイクを開始したことがよくわかります。
9. 注目経済指標の動向
CPI発表を通過です。米10年債利回りが一瞬上昇し1.6%台まで回復するも、その後1.4%台前半まで下落しました。成長株にはポジティブな状況です。
来週は6月17日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。
10. 米国企業決算スケジュール
来週注目決算はORCL、CCL、ADBEあたりですね。オラクルはテクノロジーセクターのセンチメントに。CCLは旅行産業のセンチメントに決算結果次第では影響が出てきそうです。
個人的には、6/15のLZBに大注目しています。何ですか?レイジーボーイって。会社名なんですか?プレイボーイといいレイジーボーイといいけしからんですなっ。
今回の週報のまとめ
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・ラッセル2000、ナスダックを中心に株価指数上昇、ダウ平均はアンダーパフォーム。(ヘルスケア・情報技術・通信サービスセクターが市場を牽引)
・現在の米国株式相場ステータスは週初より「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」。積極的に買いにいける相場付き。
・来週6月17日にFOMC、8月26〜28日にジャクソンホール会合予定。テーパリング・利上げなどについて何か発信するかどうか注目。
・ブレークイーブンインフレ率は下落継続。長期金利は1.5%台から1.4%台へ。ボラティリティさらに縮小、グロース株に追い風の状態。
・先週から引き続きアクティブファンドのリスクテイクする動きが拡大。
・来週はORCL、CCL、ADBEの決算。テクノロジー、旅行セクターへ影響出るか?
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それでは皆さま、良い週末を〜!!もうすぐウキウキの夏ですね!海に行こうぞ。
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