僕はりあむPになれない

おはようございます。僕です。


アイドルマスターシンデレラガールズに新加入したアイドルの一人、夢見りあむ。加入当時、僕は彼女に衝撃を受けた。

砂塚あきらちゃんと同系統の今時のアイドルという感じだが、なんというか派閥が違った。彼女は完全に自己顕示欲のためにSNSをやり、「は〜やむやむ」と言いながらTwi◯terで燃えている。絶対あきらちゃんとインターネットリテラシーのレベルが違う。

僕はなんとなくシンパシーを受け、「こいつとだったら仲良くやっていけそうだな」と思った。
夢見りあむはどうしようもないザコメンタルであり、同時に強靭なメンタルの持ち主でもあった。確かにすぐに挫けるし精神面のHPは少ない。しかし、言い換えれば「普通のきずぐすりでも全回復することが出来る」のだ。
HPが20以下ですぐ瀕死になるりあむだが、その分一番安いきずぐすりで全回復できる。そういう奴だ。死ぬのは早いが復活も早い。これこそクズに必要なスキルだったのだ。

「自分は可哀想なやつなんだ」と思い込み、その上で「自分はダメなやつだ」と自分に言い聞かせる。そうすることで徹底的に「自分はダメなんだ。だから仕方ないんだ」「自分は世の被害者だ。庇護されるべきだ」という意識が出来上がる。「逃げてもなんとかなるっしょ」でなんとかなってきた人生を送ったきたんだろう。僕なりの夢見りあむの考察だ。

と、いうか、これは僕だ。

僕も「得意分野以外やりたくない。だって僕はそれ以外ダメなやつだから」「いや〜◯◯だったら出来るんだけどな〜」「とにかく下手なことに挑戦して失敗したくない。怒られるの嫌だから」とまるで漢字の読みだけ得意なやつみたいな言い訳をして今まで生きてきた。高校受験に落ちたって「なんとかなるでしょ」と言い、全く勉強をしなかった。結果、全く勉強してないあほあほ状態でも定員割れしている高校に入ることが出来た。本当になんとかなってしまったのだ。しかもこの高校、一次受験で落ちた高校よりも偏差値が高かった。どういうことだよ。
また、高校一年生にして数学の点数がヤバすぎて留年しかけた結果、補修課題をやることで単位をもらい、留年を阻止したこともあった。色んな人のお情けをもらいながら「逃げてもなんとかなる人生」を送ってきたのだった。

僕は急に彼女の担当Pになることは無理だと悟った。
担当Pになるということはそのキャラを愛すること、そのキャラと向き合う必要がある。彼女の人となりを真正面から知り、理解を深める必要があるのだ。

僕には無理だった。
ここまで考えてわかるのは「夢見りあむは僕と同系統のクズだった」ということだ。僕が彼女と向き合うということは、僕のこれまでの人生と向き合うことに等しい。そんなことは無理だ。僕は過去にしがみつく人間だが、嫌なことからは目を背けたい。
そんな精神構造の人間が自分とほぼ同じような種類の人間と向き合い、理解を深めるようなことは自殺行為に等しい。自分の嫌な過去の擬人化のようなものと向き合えるわけがない。しかも、その擬人化が自分の成し得なかった可能性を成功させていくとしたら、僕は死ぬかもしれない。

どんな性格だろうと彼女はアイドルだ。今までの人生の一発逆転をかけて勝負に出ている。彼女には「アイドルとはかくあるべし」という信条がある。「自分はそんなものになれないかもしれないけど、そうありたい」という願望があり、それを実現したいと言っている。インターネットに弄ばれるオモチャではないと主張している。
ここでもう僕との格の違いが出ていた。彼女は確かに厚顔無恥でなりふり構っていないくせにはたけば折れるクズだったが、それでも人と関わり、何者かでありたいと願っている。僕とは大違いだ。

僕は単純にりあむの担当になる勇気がなかったのだ。
彼女の活躍を素直に喜べそうになかった。「失った可能性が一人歩きし、成功を収めている」ような様子を見ていると、嬉しい気持ちと共に自分の中に暗雲が立ち込める。その気持ちがなんなのかはっきりと言語化は出来ないが、確実にマイナスな感情であることは理解できる。そんな精神状態の人間が担当など務まるわけがない。

僕は彼女が好きで応援したいと思っているが、担当になることは出来ない。彼女が成功し元気になっていけばいくほど反比例で僕のメンタルは削られていく。ここまで書いておいてなんだが、僕も相当のザコメンタルなのでそろそろ終わりにしようと思う。

僕は、りあむPにはなれない。

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