見出し画像

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)論争をめぐって考えること。

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)について、つねに論争が燃え上がっています。私自身は、積極的な反対派でも、推進派でもありません。判断できない、というのが正直なところです。そもそも熱意をもって、この問題を語ってきませんでしたし、今後もおそらく語ることはないと思います。原因はさておきワクチンの「副反応」に苦しむ方がいらっしゃり、また実際にがんで苦しみ、命を落とされている患者の方もいらっしゃるとても重い問題で、判断しかねるというのが偽らざる本音です。

しかしツイッターで、「ワクチン反対派だ」とバッシングを受けました。そもそもはHPVワクチンの「推進派」の方の発言を放置したため(それくらい、判断できない問題だと思っていたのです)、積極的推進派だと誤解され、誤解を解いただけです。難しい問題であるから、自分の子どもにどのような判断をするべきなのか、それは「子どもの代理」の行為であるため、悩みがあるといった個人的なお話でした。それも、お互いへのリプという形での、会話でした。

しかしその「反ワクチン」という会話を部分的に恣意的に切り取られ、スクショで「反ワクチン派の馬鹿」と拡散されました(スクショでなければ、会話が全部ついてくるからでしょう)。私はHPVワクチンに疑問を持つ方も、そうでない方も、双方を非難するつもりもありません。「それなら、HPVワクチン推奨だと断言すべきだ」という意見もいただきましたが、私が判断できることを超えていると思いますので、推進も反対も、責任のとれないことはみんな向かってはいえない、としかいえません(ツイッターというネットに書いたことだから「言い訳」になるかもしれませんが、お互いにへのリプという形での会話であり、ずっと時間がたってから掘り起こされて「炎上」させられるとは思ってはいませんでした。相手との信頼関係があるなかでの発言でしたし。ツイッターの発言は、いちおう140字で完結しますし、全世界に開かれています。そういう意味では軽率だったと反省します。ツイッター、向いてないわ)。

ネット上でのバッシングは、バッシングすること自体が目的なので、いくら弁明してもそれは無視され、バッシングに必要な部分だけが、恣意的に切り取って拡散されてしまいます。流石に「文脈を無視してのバッシングは酷い」「元のネタを覚えているけれど、そんな話ではなかった」と擁護してくれるひと(ほかの点では私と意見が異なるひと)も現れましたが、目的がバッシングである限り、「本当の意見」を聞きたいわけではないのでしょう。

「子宮頸がんはうつらない」と書いたことも、無知ののしられたのですが、うつるのはウィルスであって、がんがうつるなどと聞いたことがなかったのですが、間違っているのかしら。

以下、ツイッターで書いたことを置いておきます。私の意見は、これ以上でもこれ以下でもありません。

***

①私の発言から「HPVワクチン積極的推進派」だと思われ、たしなめられた時に、必ずしもそうではないと説明した最初のツイートだけが恣意的に切り取られて嫌がらせ目的で出回り、鬱陶しいので何度も書きましたが改めて説明します。私はHPVワクチンに積極的に推進・反対のいずれの立場をとっていません.

②反ワクチンの方たちに、「千田さんは反ワクチンではないよ」と擁護され、片瀬久美子先生にまで同情されるという、謎な事態になっておりますが、「ワクチンの是非」に関して私は全く判断しておりません。というよりも医師ではないので、できないと思っております。当然のことですが。

③ワクチンには、多くの「副反応」の被害者がいらっしゃいます。「副反応」の原因が何であれ、苦しんでいらっしゃる方がいるときに、その方たちに対してバッシングするようなことは、私はしませんし、できないと思っています。その方たちのいち早い回復を、心よりお祈り申し上げています。

④女性ばかりにHPVワクチンが推奨されているのも、変だと思っております。それであるならぜひ、男性にも同様に、HPVワクチンを推奨すべきではないかと考えております。また子宮頸がんは、飛沫感染や空気感染でうつる病気ではありません。その意味で、ワクチン非接種を非難したくありません。

⑤ワクチンの接種を決定する主体が、本人のみならず、保護者にならざるを得ないところにジレンマは感じますが。人口の数割の方は生涯、性交渉を持たないままに暮らしておりますし、その方々には「基本的に」ご自身に関して、リスクをあまり持たない人たちだと思います。

⑥さらにいえば、多くのひとがウイルスに感染しても、癌へと進行せずに排出される場合もあり、逆にいえば、ワクチンを接種していてもすべてのウイルスに有効ではなく、子宮頸がんにならない保障はありません。STD対策は、子宮頸がんにも、絶対でなくても、ある程度は有効であると認識しております。

⑦ワクチンを受けていても、そうでなくても、「毎年子宮頸がん検診を受ける」ことの大切さも同様に、認識したいと思います。

私の医学的知識が間違っていたらご教示いただきたいと思います。私自身はHPVワクチンに関して、正直に言えば何かを皆に啓蒙する立場にいるとは思っていません。

⑧これは、リプロダクティヴヘルスライツにかかわることで、重要な問題だと思います。恣意的に反ワクチンに仕立て上げられて当惑しています。恣意的に「叩き」目的に使うひとたちは、本当に健康や安全に関心があるのか、嫌がらせのためにワクチンネタ使っているのではないかと、疑ってしまいます。

⑨子宮頸がんその他、ウイルス由来の咽頭がん、肛門がんなどに罹患し、苦しまれる方が減りますように。また治癒されますように、祈っております。病気を恣意的なバッシングのために使うのは、ある意味で不謹慎であり、患者の方のことを考えれば許されないことだと思います。よろしくご理解お願いします(23:43 - 2019年5月4日 )

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?