一人暮らし初夜

初台に引っ越した。今日、初めて一人暮らしの家で寝泊まりをする。

さっきまで同僚と飲んでいて、ある先輩が「初めての一人暮らしの夜は一生に一度だよ！」と言っていた。

確かに。そう言われたらそうだ。

そんなことを考えながら家の布団に寝っ転がりながらスマホを打つ。今は深夜3時。
まだ酒で頭がぼーっとしている。

どうぶつの森の最初みたい

シャワーは水しか出ない。明日ガスを通すから。
夏でよかった。冬だったら死んでた。

飲み水がほしくて近場のコンビニまで歩く。
寝巻きのTシャツ短パン。髪はピン留めすらしてない。

歩きながら大学生の時を思い出す。

あの頃は一人暮らししてた友達がやけに羨ましかった。
友達の家に泊まって、遅くまで酒を飲んで、コンビニまで歩いて買い出しに行く。
あの時は、大人の階段を登った気分だってけど、友達の階段を借りてるだけだった

でも今は違う。
この空気、感覚は自分だけのもの。
この七月の生ぬるい空気も、たまに吹く涼しい風も、鍵をかけずにコンビニまで歩いたソワソワした気持ちも自分だけのもの。

電気代をケチってエアコンを切って網戸を開けてみたが、鳥の声がうるさくてしょうがない。流石に窓を閉じてエアコンをつけよう。社会人なんだし。

カーテンを一枚しか買ってないので、半分丸見え