ブラヒロシ・東海道15 御油-岡崎




世良一夢

 今日から三河國です。最大宿場は岡崎ですが、その手前の吉田・御油・赤坂も面白いです。特にこの御油・赤坂の二宿場は街道最大級の歓楽街だったそうで、宿場間の距離が最も短く2kmもありません。そのため隣宿同士の遊女が熾烈な客引き合戦をしていたらしく、浮世絵にもその様子が出てきます。今なら新宿・渋谷で競争しているようなものでしょう。「御油に赤坂・吉田がなくば、何のよしみで江戸通い(参勤交代の武士)」という台詞が残っています。余程楽しかったのかな?今ならツイッターの独白ですかね。その後、御油は鉄道、国道から外れたので、江戸風情の街並みが残り、樹齢三百年以上の黒松並木が国の天然記念物にもなっています。
 暫く行くと、岡崎です。五万石の小藩ですが、駿府に次ぐ賑わいだったそうで、岡崎城他の色々な名所、名物が残っています。
 岡崎城は、家康生誕地だけに立派ですが、公園に大家康公像とは別に、幼少期の竹千代の像があるのが微笑ましいです。城の西側の今の矢作橋の所には街道一の375mの「矢矧大橋」があったそうです。この橋の上で日吉丸(秀吉)が蜂須賀小六に出会ったという話がありますが、後世のフィクションとのこと。
 この地の名物は、八丁味噌です。創業三百五十年という老舗が営業していて、城から八丁(900m)の場所というのが名前の由来だそうです。これは全国ブランドですね。
 先日、中国人の友人が作った中国人向けの岡崎の観光案内を見ていたところ、岡崎城とこの八丁味噌、綺麗な装飾の和蠟燭、「家康」という名前の日本酒が紹介されていました。如何にも中国人好みですね。

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