ブラヒロシ・東海道18 桑名

画像1

世良一夢
 
 今回は、伊勢国・桑名宿です。「七里の渡し」と伊勢街道を控えて大いに賑わい、本陣が二、脇本陣が四、旅籠が百二十あったそうです。当時はお伊勢参りも盛んだったので、参勤交代の行列が重なりでもしたら、さぞかし大変な騒ぎになったことでしょう。
   浮世絵を見て下さい。今到着した宮(熱田)からの舟でしょうか、乗船客で一杯ですね。後ろは徳川家康四天王・本田忠勝が作った桑名城で、三方を海で囲まれ、扇城と呼ばれた美しいお城だったそうです。今でも「蟠龍櫓」というお城の見張り台が、海岸に復元されています。
 東海道を歩いていると、行く先々で思わぬ物に出会います。桑名を通ったのは、数年前の十一月の事でしたが、非常に面白いお祭りに遭遇しました。十念寺の七福神祭りがそれで、普通は人々が七箇所の七福神のお寺をお詣りして回るのが一般的だと思いますが、こちらのは七人の神様が纏まって市内を練り歩き、笑顔を振り撒いておりました。非常に得した気分になれました。
 桑名市内を歩いていると、機械や金属加工の工場が多いことに気がつきます。調べてみると、かつては、「東の川口、西の桑名」と言われる程の鋳物の産地だったそうで、本田忠勝が鉄砲を鋳造させたことが始まりらしいです。各地で昔の人達が作った技術の種が今日の地元産業を作っていることが良くあります。伝統の力は大きいですね。
 ここのグルメは、言わずと知れた「その手は桑名の焼き蛤」でしょうね。色々な蛤や貝料理の店があり、割烹店には必ず焼き蛤がメニューに並んでおりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?