9/14

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匂いと記憶は関係が深いと言うが、
本当にそうだと思った。

今日は木曜日。きょうから明日の午前中まで家族の事情で有給を取っていて、現在ちょうど地元へと向かう電車の中にいる。そういえば電車の上りと下りの定義ってなんなんだろう。なんとなく都心が上りで田舎が下りって認識でいるけど、実はちゃんとした規定があったりするのかな。

下り電車は長い一駅区間を繰り返し、ゆっくりと進んでいく。実際はもっと高速で進んでいるのだろうが、代わり映えのない景色のせいか、ひどくのんびりとした気分になる。いつもだったら今ごろ井の頭線で四方八方からの圧力を全身で体感してる頃なのに、一方こちらは座席に横になっても余裕だもんな。下りすごい。
都市部に想いを馳せてたら、仕事関連で出さなきゃいけない封筒をバックに入れっぱなしだったことに気がついた。地元のポストから投函したら、消印、不思議に思われるだろうか。

さて、匂いの話だ。
電車のドアが開いたとき、中学生の頃の4月の匂いがした。これはポエムでも何でもなくて、そう。それとしか言いようがないあの、中学生のときに3回訪れる新学期のにおい、というのがちゃんと存在していて、なぜか9月の下り電車のドアの向こうから、匂いをのせた風がそよそよと。吹き込んだ。

一瞬ですべての感覚が脳に流れ込んできて、次の駅に着くのを待たずに消えた。
地元で暮らす母が少し前から一人で住み始めたマンションは、私が通っていた中学校の真裏にあって、夏に帰省したときはベランダからプールの塩素の匂いがした。
そんなのもあってノルタルジーの感度が上がってるのかもしれないな。

そろそろ駅に妹が迎えに来る。

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