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どこかで見たことあるっぽいことが起きた。
【登場人物】
私(30)…私
立川(34)…私の仕事相手。コピーライターの男性
店員(40代)…喫茶店の店員。女性
オーナー風ババア(60代)…客かオーナーかわからないババア
仲間ババア(60代)…オーナー風ババアのババア仲間
◯道(昼)
取材を終え、歩く私と立川。
帰り道の途中で喫茶店を見つける。
◯喫茶店(昼)
レトロでやや装飾的な内装。
カウンターに腰掛けるオーナー風ババアと仲間ババア。
ババアたちと店員が話している。
私と立川以外、客はいない。
店員「いらっしゃいませ」
◯同・テーブル席
私と立川の座るテーブル。
アイスコーヒーを注文する私。
メロンソーダを注文する立川。
私「好きなんですか」
立川「ホントはクリームソーダがあればいいんですけど」
私「ないっぽいですね」
立川「そうみたいです」
私「せめて乗ってるといいですね、さくらんぼ」
テーブルの上の灰皿を確認する立川。
立川「すみませんタバコ吸っていいですか?」
私「あ、どうぞ」
タバコを咥え、ジャケットからライターをとりだす立川。
火が着かない。
立川「あれ」
私「あら」
◯同・カウンター席
仲間ババア「じゃあね、どうも」
店員「ありがとうございました」
退店する仲間ババア。
座りながら見送るオーナー風ババア。
◯同・テーブル席
立川「ありました」
先ほどとは反対側のポケットから使い捨てライターをとりだす立川。
タバコに火をつけようとする。
火が着かない。
立川「あれー」
何度か着火ボタンを押してみる立川。火花だけが散る。
手を止め、使い捨てライターの印字に目を向ける。
私「どしたんですか」
立川「いや、なんだったっけなと思って」
のぞき込む私。
私「なんだろ、Ba…li……あっ」
立川を見る私。目があう立川。
私「これホテルじゃないですか?」
私「ラブの」
◯同・カウンター席
なぜか弁当を食っているオーナー風ババア。
◯同・テーブル席
半笑いで固まる立川。
好奇の目を向ける私。
立川「……ふふ 」
私「……ふふふ」
リュックに手を伸ばす立川。
立川「ふふふふふふ」
私「ふふ、ふふふ」
リュックを探る。奥のほうから使い慣れたZIPPOが見つかり、目配せする。
おもむろにタバコに火をつける立川。
店員「おまたせしましたアイスコーヒーと」
軽く手を挙げる私。
アイスコーヒーをテーブルに置く店員。
店員「それと、メロンソーダ」
半月型のレモンのささったメロンソーダが立川の前に置かれる。
◇ ◇ ◇
ということがありました。
なんかのシーンみたいじゃないですか、これ。
~完~
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