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【気づき】Vol.1007(2011年4月5日発行のブログより)

やっぱりやめます。

先日行きつけの南青山のカフェでこんなことがあった。

隣に座ったお洒落でカッコいい初老の夫婦が、
アイスクリームを⾷べたいという。

店員さんが言った。

「アイスクリームは置いていないんですよ〜」

別に店員は感じの悪くない言い方だった。

と同時に、どうせ別のデザートを注文するんだろうという、
傲慢さも垣間見えた。

それはこのカフェの店員が悪いのではなくて、
大半の店に当然に見られるよくありがちな光景だろう。

普通ならここで、コーヒーだけ飲んで帰るか、
妥協して別のスイーツを注文するはずだからだ。

ところが、この老夫婦の男性が1秒後にこう言った。

「そっか〜、じゃやめます」と。

これが実に爽やかだった。

「うわー、カッコいい!」と思った。

とても新鮮だった。

「やっぱりやめます」

というひと言を口に出せなくて不幸になる人は多い。

ホテルの予約でも、ネットで予約したら必ず電話でも確認しておくことだ。

画⾯上は喫煙ルームしか空いていないのに、
禁煙ルームに宿泊したいときなどは絶好のチャンスだ。

インターネット接続可能でも“いやらしい”ホテルは、
後出しじゃんけんで今どき接続料を請求するところもあるから、
これをいちいち確認してみるのもいい。

インターネットでは隠蔽できたサービスの質が、
⾁声をちょっと聞くだけで見事に露呈させるのだ。

電話の対応でわずかでも感じが悪いホテルは、
それ以外のサービスはそれ未満であるのは間違いない。

たったの10円や20円でハズレホテルに宿泊するリスクを回避できる。

「やっぱりやめときます」

を言える人が一人でも増えることによって、

ドンマイ店舗やドンマイ会社を撲滅させることができる。

結果としては、
ドンマイ店舗とドンマイ会社に消えてもらうリスクを背負わせることが、
ドンマイ店長とドンマイ社長を育成していくことにもなる。

また、断ることによって、相手に一目置かれる存在になる。

それこそが人としての真の姿だと思うのだ。

ゆとり世代を甘やかせて、サービスまでゆとりサービスにしてはならない。

ビシバシ断って、飢えの苦しみを味わせるくらいでちょうどいい。

食べられない本当の苦しみを味わう経験をさせるべきだ。

親が甘やかせたのだから、社会でビシバシ鍛えていかなくてはならない。

あのときのお洒落な老夫婦は恐らくお金持ちだろう。

服装やちらりと目に入ったカラフルな靴下、
二人がかぶっている帽子はとても上質で落ち着いていた。

カフェの外には服を着たパグがいた。

なぜだか、死んだ祖父母を思い出した。

断ることの大切さって、あるよね。

追伸.

『断れる20代になりなさい︕』(すばる舎)
自分でもう⼀度読みなおしました。

まるで自分の本ではないように、ダブル折りを追加しました。

追伸の追伸.

航空会社も地下鉄も証券会社も飲⾷店も、
どんどん断ってどんどん淘汰させて、
新しい人たちにチャンスを与えていかないと、
結局は顧客がその犠牲を⽀払わないといけなくなるんだよ。

税金といった、取り立てによってね。

追伸の追伸の追伸.

さっそく先日格調高い旧御三家ホテルでモンブランセットを注文した際、

「ちょうど先ほど品切れになりました!」

という嘘っぽい店員さんに別の商品を延々と売り込まれました。

もちろんカッコいい初老の夫婦を⾒倣って、

「じゃあ、やっぱりやめておきます。また来ます!」

とハッキリと答えました。

こんなに快感だとは思いませんでした。

店や会社をナァナァに甘やかせてはいけないんだね。

 ...千田琢哉(2011年4月5日発行の次代創造館ブログより)

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