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【気づき】Vol.1015(2011年4月13日発行のブログより)

束縛くん。

束縛されるのは素晴らしいことだ、と今になって思う。

束縛される時期がなければ、永遠に好きなことができるようにはならない。

10代20代で独房に閉じ込められるような人生を送ってきた人は、強い。

10代20代は⻘春を謳歌する時代ではない。

とことん束縛されて閉じ込められる時期なのだ。

僕はもともと学校教育にはまったく向いていないということが、
物心ついた頃からうすうす気づいていた。

大人たちは、

「そんなのみんな⼀緒。みんな、がまんしているだけだよ」

「がまんすれば、そのうち慣れるよ」

とすべての大人に10,000回以上説教されたものだ。

でも、それは違った。

ハッキリと違った。

映画『ターミネーター』でも未来から過去にタイムスリップしたときに、
どれだけ説明してもわからないヤツはわからないし、
わかるヤツには⼀瞬でわかる、あのまどろっこしい気だるい感覚だ。

学校教育は僕にとってはまさに監獄だった。

大学入学後は死ぬほど運動して死ぬほど本を読んだ。

本当にやりたいことを、

「もっとやっておけばよかった」

と微塵も思わないくらいにやり切った。

そうしたら不思議なものだ。

今度はまた束縛されたくなったのだ。

自分はずっとSだと思っていたがMだったのだ。

束縛されるためには、
自分に最も不向きな古くて固い組織に⾝を置くことが⼀番だ、と思った。

自分の感性で最もダサいと直感する組織でなければダメだ、
と本能が騒いだのだ。

案の定、毎日が地獄だった。

最⾼の地獄だった。

妙な表現だが、天国以上に天国だった。

なぜだか、懐かしかった。

でもこの地獄があったからこそ、
この業界をテーマとした処⼥作を世に出し、
この会社の本社で講演することができた。

転職もした。

今度は最初に⽐べると⼩さくて自由な監獄だった。

パラダイスだった。

でも、やっぱりすぐにまどろっこしくなった。

窮屈だった。

⾼速道路で⾛りたいのに、どうしてみんなは徐行ばっかりして、
クラクションの鳴らし合いをしているのだろう。

何をチンタラ仕事しているふりをしているのだろう。

それがサラリーマン社会の縮図だった。

でも、それが経済の本質だと感じ取ることができた。

⺠の中⾝に目を向けようと気づかせてくれた。

爆発して弾けた結果、今がある。

束縛されるのが自分の本質と対極だったからこそ、
感受性豊かな時期にとことん束縛されてよかった。

今、ようやく人生のスタートラインに⽴ったと感じることができる。

なんて幸せなんだろう、
もう⼀度生まれ変わっても僕になりたいと⼼底思う。

束縛くん、ありがとう。

追伸.

「もっと自由にやらせてほしい」と軽く口にする人は、
束縛がまだ不⾜しているかもしれないよ。

追伸の追伸.

1社目の保険会社では新入社員研修で元キャビンアテンダントによる、
ビジネスマナー研修があった。

研修の最終日に講師から僕だけ⼀⼈呼び出された。

居眠りばかりしていたから、また説教されるのかと思っていた。

⾃販機の果汁100%オレンジジュースを渡されて開⼝⼀番、

「千⽥さん、すっごい靴履いていますよね。なんか怖いんだよね。
将来は何されるんですか?」

大企業の新人研修で、サラリーマンのプロを育成するはずの新人相手に、
このセリフを言った美人のSさんも凄い。

追伸の追伸の追伸.

コンサルタント5年目でちょうど周囲からチヤホヤされていた頃、
ただ⼀⼈、

「アンタ、コンサル5年やって頭のキレが悪なったなぁ。平和ボケや。

アンタはもっと大きな海で自由に泳がへんと腐るで」

と言ってくれた年収5億円のO社長には感謝しています。

 ...千田琢哉(2011年4月13日発行の次代創造館ブログより)

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