見出し画像

【気づき】Vol.1140(2011年8月16日発行のブログより)

思考模写。

以前から僕は思想摸写という言葉をよく使う。

サラリーマン時代の師匠から、

「オレの考えをパターン暗記するのではなく、思想模写しろ」

と言われ続けてきたからだ。

思想模写とは師匠が考えていることを、
先取りしてまるで師匠のように考え行動してしまうこと。

過去にやったことの猿真似ではなく、
過去にやったことのないことを師匠に代わって先取りして
やってしまうのだ。

僕が好きな学者に札幌大学教授の鷲田⼩彌太さんがいる。

鷲田⼩彌太さんの著書の中で、もっともわかりやすい思想模写の代表作が、

『哲学ドリル』(すばる舎)だった。

この本が絶版になった後、昨年9月に、

『イラスト・哲学「仮想」⼤論争会』(彩流社)

が新装版として新しく出された。

本書では、過去の名だたる哲学者たちが時代を超えて議論を交わしてる。

実際にはあり得ないんだけど、これはすごい。

プラトンやアリストテレスに始まって、
カント、ヘーゲル、ニーチェはもちろんのこと、廣松渉まで登場する。

しかも、すべてのテーマに対して各哲学者たちの回答が、
たった一行のキャッチコピーで述べられている。

その後の解説も実に面白い。

まさに思想模写の結果だ。

思想模写をするためには2つの努力が必要だ。

1.相手の過去をとことんしゃぶり尽くすこと

2.相手を唸らせてやろうと野心を持つこと

たったこれだけだ。

1は比較的誰でもやっている。

優等生が得意だ。

だが差がつくのは2だ。

故人であっても、目の前にいるものとして唸らせてやろう、
という意気込みが必要だ。

それが創造力になるからだ。

過去のパターンを暗記して、
それをそのまま猿真似するのはパクリなんだけど、
思想模写なら誰にも文句を⾔われない。

思想模写しているモノ真似芸人は、
モノ真似の対象となっている本人からも尊敬される。

パターン暗記と思想模写の決定的な違いだ。

あなたの尊敬する人の思想模写をしよう。

追伸.

思想模写とは、一生モノの合法的インストールなのだ。

 ...千田琢哉(2011年8月16日発行の次代創造館ブログより)

↓千田琢哉のコンテンツ↓

🔷千田琢哉レポート
文筆家・千田琢哉が書き下ろしたコトバを毎月PDFファイルでお届けします。

🔷真夜中の雑談~千田琢哉に訊いてきました~
文筆家・千田琢哉があなたから頂いたお悩みに直接答える
音声ダウンロードサービスです。毎月1日と15日発売!
“毎月1回の飲み代を、毎月2回の勉強代に”

🔷千田琢哉公式チャンネル

「3分の囁き」千田琢哉の独り語りをYouTubeでお楽しみ下さい。