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設計力を上げる建築の学び方総集編【本質的な思考法から即効性のある具体策まで】

この記事は次のような方へ向けた内容になっています。

  • 建築家を目指して頑張りたいけど頑張り方が分からない

  • 設計の勉強って何をするの?

  • 設計に自信がなくて…

この記事には、私が運営するブログ「ケンチクカノオト」やinstagram
での発信内容と重複する内容が含まれます。
それでもこの記事を読むメリットは、

  • ブログやinstagramの内容を分かりやすく体系化している

  • ブログやinstagramの内容からさらにブラッシュアップしている

  • 新規に追加した項目が含まれている

  • 有料で購入する必要があるため本気で学習するモチベーションになる

などがあります。

これまで発信してきた情報量がそれなりに増え、情報が発散し始めていたので、体系化するという意味で、今回は「設計力を上げる建築の学び方」という括りにまとめました。この記事に関連する一通りの情報が詰まっています。

まとめるに際し、かつての投稿の分かりにくい言い回しや補足が必要な箇所はできる限り改善しました。さらに新しい内容を追加してパワーアップしています。今後も追加すべきことを思いつき次第、この記事に加筆します。

実は大切だと思っていることは「有料」にするということです。
「ケンチクカノオト」の平均滞在時間は、流し読みしているのが明らかなくらい短いし、instagramの投稿もささっと飛ばすことがほとんどだと思います。でもそれを責めているわけではなくて、現代が情報社会である以上、急ぐ気持ちは十分に分かるのです。(一部の熟読してくださっている方、ありがとうございます。)
できる限り有益な内容にしようと作成してきましたが、パパパッと見ただけでは正直効果が薄いと思っています…。
「有料」にすることで読む人が限られるというデメリットはありますが、「買ったからにはしっかり学ぼう!」と建築を学ぶことに本腰を入れる人が一人でも増えた方が良いと考えました。集中し、繰り返し読むことで成長効果は絶対に高まります。内容に関しては、値段の数倍の価値は少なくともあると思いますので、その点はご心配されなくて大丈夫です。

※『このリストから選べば間違いない!建築を学ぶための本 【100冊 !】』で公開している100冊リストはこの記事にも含まれています。両方ともご購入されないようにお気を付けください。

1.建築を学ぶためには過ごし方から


入学当初は皆同程度の学力のはずなのに、学年を追うごとにみるみると差が開きます。その原因は日々の積み重ねに他なりません。数年分の積み重ねはとても大きなもので、卒業時にはどうしようもない程の差になります。建築を学ぶためには、学生生活の日々の過ごし方から変える必要があります。

1-1.サークルやバイトも大切だけど、もっと大切なことがある


大学や専門学校というとサークルや部活に所属するのが当たり前、というイメージを持たれる人が多いと思いますが、私は所属しないという選択肢も大いにあると思います。初めから所属しない人は全然いますし(私もそうでした)、一旦所属しても1年経たずに辞める人も多かった印象です。その理由は建築学科が忙しいからというのもありますが、建築学科には他にもワクワクするような課題だったり、多種多様なワークショップ(体験型イベント)もあるので、サークルや部活に入らずとも十二分に青春は謳歌できると思うからです。
決して、所属してはいけないとまでは思いませんが、個人的に強く惹かれるサークルや部活がある場合を除いて、建築に集中するために所属しない方が良いと思います。

建築学科は模型代に製図道具代など出費が多い…。ということでアルバイトを沢山する学生がいます。なかには夜勤バイトを入れて朝起きられず授業に出られなかったり、シフトの詰め過ぎで課題をする時間が作れなかったり…、そうした状況になっては本末転倒ですので、アルバイトの入れ方は注意しましょう。金銭状況は人それぞれで個々の事情があると思いますので、その可能な範囲内で建築に向き合える時間を有効につくっていきましょう。

一度は経験したいアルバイト先として「設計事務所」があります。
私は5つの設計事務所でアルバイトをして、そのうちの1つに就職することになりました。(期間は1週間〜3ヶ月と短いのがほとんど)
働く場所や雰囲気を見られるのは将来の参考になります。※設計事務所によっては格安のバイト代しか払われないところもあるので、事前に確認しておきましょう。

1-2.熱心な友人や先輩・後輩、他大学で頑張っている人とつながろう


精神的に追い込まれたり妥協しそうになったとき、相談したり、案を見せ合い進捗状況を報告できる熱心な友人がいると精神的に助けられます。
優秀な先輩は多くの有益な情報を与えてくれます。模型やパースのつくり方を学んだり、自分の設計課題のエスキスをしてもらうこともできます。
他大学も含め友人・先輩・後輩とつながる機会は次のように沢山あります。その機会をものにできるかは自分次第ですので、積極的にコミュニケーションを図ってみましょう!

  • ワークショップ(体験型イベント)への参加

  •  模型のお手伝い制度(※下記で説明しています。)

  •  建築系サークル

  •  設計事務所アルバイト

  • 友人・先輩・後輩からの紹介

『模型のお手伝い制度とは』
先輩の課題を手伝う(主に模型)数十年前から続く慣習です。学校によっては禁止されていることもあります。課題で作成する模型の規模は学年を追うごとに大きくなり、パースや図面制作と並行しては手に余るようになるので、後輩に手伝ってもらいます。後輩側は手伝いを通して、設計の仕方や模型の作り方などを見て学びことができます。建築学科独特の伝統です。


1-3.【継続は力なり】卒業間近で焦っても挽回は難しい


卒業間際の設計課題で上位の人は、早い段階から頑張り続け蓄積のある人がほとんどです。2~3年生くらいの設計課題であれば短期的な頑張りでどうにかできてしまうこともありますが、それは皆がビギナーだからです。4年生や大学院生になると頑張り続けていた人は地力がつき始め、短期的な頑張りのみの人は通用しないのです。卒業間際に焦っても、数年間の蓄積ある人に追い付くのは非常に難しいのです…。数年後に後悔しないために、今から「建築を学び始める」ことをお勧めします。

2.学びべきことの大項目


私は大学入学時、「建築」の知識が全くありませんでした。デザインや芸術に対しても同様です。身近に「建築家」が居たなんていう環境もありません。『0』からのスタートでした。
同級生には建築に詳しい人、親が建築家という人もいたので、「自分は大丈夫なのだろうか」と入学早々漠然とした不安と焦りを感じました。ただ嘆いたところで過去は変わりませんから、これから頑張って挽回しようと開き直り、建築の面白さにのめり込んでいくことになります。
その結果、9割以上の設計課題で優秀賞(全体講評進出)となり、通算成績では学内1位という結果をおさめることができました。某卒業設計展やコンペで受賞することもできました。「この学校で設計といえば◯◯さん(私の名前)」と後輩に言ってもらえるようにまでなりました。
この記事では、そこまでに至った学習方法を丸ごと紹介していこうと思います。

とにかく基本学習が0ではどうにもできない


小学生で九九や漢字を学ぶように、まずは建築の基本を学ぶことから始める必要があります。最低限の有名建築を訪れたり、巨匠と呼ばれる建築家の思想に触れたり、建築史のざっくりした流れを知る、といったことです。
例えば英語の場合も、基本的な単語や文法を知らないと文章が読めないのはご存知の通りだと思います。建築も同じように基本を知らないとどうにもできません。そして無から有は生まれませんので、学習量が少ない人ほど「アイディが全然思い浮かばない…」「設計は向いていないんじゃないか…」と苦しむことに繋がります。

でもひとたび基本を学ぶと、一気に成長の感覚が得られます。建築の奥深さに気がついたり、設計案が少しずつ頭に浮かぶようになります。それが加速していくと、建築の理解が深まり、設計力が向上し、将来的には建築家への道が開けると思います。

この記事の内容は、基本を学ぼうとする人にも、ある程度学習が進んでいる人にも、既に優秀な人にも、それぞれの段階で学びがあるはずです。
この記事をきっかけに、建築を学ぶ楽しさを実感してもらえると幸いです。

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