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アンドロイド転生542
白水村:リペア室
「ミオ。見てくれる?私を知ってくれる?」
アオイはミオの側に座り手を握った。横たわるミオを挟んで合い向かいにルークがいる。端正な顔が感謝すると言わんばかりに頷いた。
ミオは嬉しそうに微笑んだ。アオイはハッとする。なんて綺麗なんだろう。25歳のミオは微笑みに憂いがあった。ああ。起き上がって立ち上がって歩く姿が見たい。おめでとうと祝いたい。
ミオはイヴに顔を向けた。
「イヴ。アオイと繋がっても大丈夫?私のウィルスプログラムがアオイに移ることはない?」
そうだ。ウィルスは感染するとも限らない。
イヴはミオを見下ろす。
『ウィルスはアンドロイドならば誰でも感染する可能性があります。でも私はホーム内は既にバリアを張りました。安全です』
イヴはアオイを見た。
『しかし、アオイとミオが繋がるのは危険です。セーフティエリア作ります。その場でなら安全は守られます。アオイに感染しません』
ミオはホッとしてアオイに礼を言う。アオイとミオは頸のデバイスで繋がった。途端にミオの内部にアオイの数々の想い出が押し寄せた。アオイの初めての記憶は2歳だ。両親が笑っていた。
ミオの顔がパッと華やかになった。
「ああ。なんて小さな手なの!モミジみたい!あ!この人はアオイのママね?綺麗ね!幸せそうね!パパもいるね。わぁ…家族なんだぁ」
アオイの記憶の赴くままに過去が蘇る。突然12歳になったかと思うと7歳になる。4歳になり22歳になる。人間の記憶は順番通りではない。より強烈な想い出に引き寄せられるのだ。
室内の重い空気がミオの喜びの声で一掃されたようだった。アオイは嬉しかった。自分が少しでもミオの安らぎになるならば、なんて事はない。アオイは何度も頷いた。
イヴが微笑んだ。
『私はこのまま作業を続けます。キリとリョウはもう少し休んでいて下さい』
2人は勢い良く頭を横に振った。
イヴも首を振った。
『いけません。あなた方の身体的精神的疲労は大きいです。パフォーマンスが低下します』
キリとリョウは顔を見合わせ頷いた。
サツキがイヴを見上げた。
「私にもお手伝いをさせて下さい。私ならば40時間休みなく働けます」
イヴは承諾し、サツキも参戦した。
扉が開き、チアキとエリカがやって来た。直ぐにその場の状況を理解した。彼女らもサツキと同様に加勢する事になった。何が何でもミオを助けるのだ。皆が一丸となった。
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