NIPTのはずが…赤ちゃんのむくみを指摘された(胎児水腫?ヒグローマ?)
出生前診断って何のためにやるの?
前回の記事で障害児のリハビリが仕事だと書いたが、正直出生前診断についてはほぼ知識がなかった(専門学校時代に触れたような気もする…先生すみません)。漠然と、産まれる前に障害があるかどうかわかる検査だと思っていた。でも、実際はNIPTでわかることはごくわずかな染色体異常だけで、陰性だったからと言って障害がないと決まったわけではない。むしろ丁寧な超音波検査が超大事なのでは。第一子の妊娠で出世以前診断のイメージが大きく変わったので、数回に分けてそのことを書いていこうと思う。
もともと夫婦間で、13トリソミーや18トリソミー等産まれてからも長く生きるのが難しい場合は妊娠継続を諦め、年齢的にも次の妊娠に向け動いたほうがいいのではないかと話していた。21トリソミーについては、私は育てられると思っていたが夫は悩んでおり結論が出ないまま、とりあえず検査を受けて考えようと言っていた。まさか引っかかるなんて想像もしてなかったし。
妊娠12週を越えると、中絶にしろ流産にしろ分娩の形をとらなくてはならず母体への負担が大きいため、なるべく早く受けるならNIPTかなという話になった。今考えるとこの選択がとても重要だった。
NIPT外来へ
NIPTを受けられるところを探していると、随分色んな施設があった。
☑認可なのか無認可なのか
(無認可だと性別判定しているところが多い印象)
☑カウンセリングありかなしか
☑羊水検査・絨毛検査まで実施しているか
値段も8万~15万くらい幅があった。色々オプションがついていると20万越えのところも。たっか!!
私が妊婦健診で通っていた産婦人科では出生前診断をやっていなかったので、近所でNIPT外来をやっている病院に足を運んだ。この時妊娠10週と4日。まずは医師のカウンセリングを受け、同意すればその日のうちに採血⇒2週間後に結果を聞きに再度受診するという流れだった。値段はカウンセリング1万5千円、NIPT12万だったかな。
胎児超音波検査は実施していない病院だったが、我々夫婦は心配性なので(つい4日前に妊婦健診で順調と言われたにも関わらず!)「普通のエコーでいいからやってくれないか。元気な赤ちゃんを見て安心したい」とお願いしてみた。結果赤ちゃんは全然元気じゃなかったのだが、今考えるとこれがめちゃくちゃナイスな判断だったのである。すんなりOKいただき経腟超音波検査をしていただいた。言ってみるもんだね。
素人目には、心臓も動いていたし赤ちゃんは元気に見えた。
しかし医師の顔が曇る。「もうすぐ11週だっけ…?」「むくんでる…」そうつぶやいた声が聞こえた。いつもはまぬけな夫の髭面が険しい表情になる。私はけっこう冷静なつもりだったが、移動する間ずっと夫が背中をさすってくれていたので顔がやばかったのだろう。別室で以下の説明を受けた。
胎児が全体的に浮腫んでいる。胎児水腫もしくはヒグローマの状態。
こういう場合、3分の1に染色体異常があり、そうでなくても心臓の奇形などなんらかの障害がある可能性がある。
超音波検査の時点で染色体異常の可能性がある場合、NIPT(非確定検査)ではなく確定検査(羊水検査・絨毛検査)を受けたほうがいい。
妊婦健診をやっている病院でもう一度じっくり診てもらうように。
結局この日は採血せず、カウンセリング料とエコー代だけ払って帰った。安心するためにNIPTを受けに行ったはずなのに、とんでもないことになってしまった。
つい4日前は元気と言われたのに。妊娠9週を越えると流産の確率はかなり下がるとネットに書いてあったのに。母子手帳だってもらったし、マタニティマークもつけてる。来週からは仕事復帰なのに…
焦り・不安・混乱…いろんな気持ちでぐちゃぐちゃだった。
参考になった文献・サイト
大学で講師をしている学者肌(ていうか学者)の夫。帰りの道中から早速「胎児水腫」「ヒグローマ」に関する文献をあさっていた。以下は私レベルでもわかりやすかった論文。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspnmsympo/34/0/34_45/_pdf/-char/ja
私は文献より、SNSで実際の体験談を探した。具体的で実際的な情報が出てくるとイメージが湧くし、何より気持ちに共感できることが多かった。Xでメッセージをくださったみなさん、ありがとうございました。参考に読んでいたブログ、note貼っておきます(無断ですみません)
以上の素人夫婦による即席研究でわかったことをほんのりまとめてみた。あくまでド素人の理解なので「ふ~んそうなのね」程度に読んでください…。
夫婦で話し合った事
次の妊婦健診は妊娠12週0日を予定していた。妊娠12週を越えると中絶にしても流産にしても分娩と同じ処置になる。病院のホームページでやり方を検索しても、Xで体験談を聞いても、母体への負担は相当なものであると想像できた。
私たちは前述の通り、染色体異常があったら妊娠継続を諦める方針だったので、もし赤ちゃんに何かあるなら、そんなことはしたくないけど、心苦しいけど、中絶も視野に入れていた(気を悪くした方がいるかもしれない。一般的に障害児は育てられないということではなく、あくまで私たち夫婦が子育てしていく上での考えと言うことをご了承いただきたい)。
数日後には11週になる。まだ赤ちゃんは生きているから、希望がないわけじゃない。でも、12週という明確な区切りが来てしまう前に、できる限り正確に今の状況を把握したい。今後のことを考えるための判断材料が、一つでも多くほしい。NIPTは検査結果が出るのに時間がかかるし、羊水検査は15週以降じゃないと受けられない。染色体異常以外の胎児の異常も網羅的に診てくれる出生前診断専門(胎児ドック専門)の病院を急いで探した。条件は以下。
☑胎児超音波検査を専門的にやっている
⇒超音波であれば染色体異常以外の心臓の奇形もわかるんじゃないかと思った。
☑絨毛検査ができる
⇒絨毛検査は羊水検査より早くから実施可能だが、やってる病院がかなり少なかった。検査による流産リスクは羊水検査より高いようです。
☑結果が即日わかる、すぐ予約が取れる
⇒すぐにでも精密検査をして、12週までに判断材料をそろえたかった。
当てはまる病院が、1つだけ見つかった。
次回はその病院での診察のお話を書きます。