「いらっしゃいませ 在庫を切らしております」第三話
この作品はフィクションです。
登場人物やストーリーはすべて架空のものであり、創作物です。実在する人物や団体、商品等とは一切関係ありません。
『大変申し訳ございません。在庫を切らしております』
何度この言葉を言われても、仕方ないと思える。
入手困難だと分かっていて、探しているのは自分なのだから。
在庫がなければ仕方ない
在庫がなければ
本当にないのなら。
ルノックスの販売店の扉の向こうには『手に入れるべき時がまだ来ていない』という戯言がその空間に響き渡っていた。
しかし私は諦めない。
そこにはきっと求めるものがあるはずなのに販売員たちは頑なにその存在を否定する。
もし在庫があるのに『ない』と言っているとしたら
私はあの時計をどうやったら手に入れることができるだろうか。
喉から手が出るほど欲しいあの時計を
夢にまで見るあの時計を
あの時計がどこかに存在しているのならば
どこまでも追い求める
そして必ず手に入れるのだ
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13,235字
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