味の素の冷凍餃子に出会ってから餃子を作らなくなった話

完敗です。

私も主婦歴がだいぶありますし、一通りの一般的な料理は作れます。私の母も手作り料理が多かったため、どちらかと言えば外食・中食の少ない家庭で育ちました。小さい頃はせっせと餃子を包みましたし、若かりしころは友人たちと手作り餃子パーティーなんかしました。加えて、良質なにんにくが安価に手に入りやすい青森県という立地、せんべい汁を始めとする粉物文化。餃子を作ることに特にハードルがない環境、いやむしろ恵まれている環境でもあります。

ですが、味の素の冷凍餃子には完敗です。 

びっくりドンキーのハンバーグも同じく好きですが、ハンバーグはたまに自作のハンバーグを食べたくなる。大体何でもそうですよね?外食や中食はおいしい。おいしいけれども、自分の好みの分量味付けで作る料理はやはりおいしい。子供たちもどちらも喜んで食べてくれる。「ドンキーも好きだけどお母さんのハンバーグも好き」ってね。

けれども、味の素の冷凍餃子に出会ってから餃子を作る気が失せた。

おいしい。

いや、おいしすぎるでしょ、そして作りやすい、更に安価。かかるコストに対して得られる物が大きい。あまりにメリットが大きくて「でもさー、外食・中食って味が均一だから飽きるよね」という負け惜しみすら出てこない。何度食べても美味しい。

ぱりっとしたちょうど良い厚みの皮、漂うごま油の香り。臭みがなくほろほろと口の中で肉汁とともにほぐれる肉。肉汁とともにあふれる旨味、香り、喜び。

もちろん、子供たちも大好き。冷凍庫には常時2袋ストックしてある。つかれた日はもちろん、疲れていなくても重宝する。

なんといってもすごいのは、コツがなくてもきれいに焼ける。餃子って結構焼くコツが必要で、色々なタイミングを見極める集中力が必要だ。途中で「おかあさーん」って子供がきたらアウト。ところが、味の素の冷凍餃子はどうだろう。中火で蓋をして4分。ふたを開けて水分をとばせばパリッと焼きあがる。

子どもの話に相づちをうちながら、カレンダーの予定をちら見してスケジュールを頭に入れながら焼いてもそこにはパリッとした餃子が焼きあがるのだ。時折料理をしているとジレンマにおそわれる。家族に喜ばれたく料理をしているのに、その料理中に子どもの相手をおざなりにしてしまう。その罪悪感や葛藤を味の素は救ってくれる。

す……すばらしい!

下味がしっかりしている餃子はご飯には勿論、ビールにも合う。大人も子どもも大喜び。

食べながら毎回想像する。このきめ細やかな気配りがされた味付け、作りやすさ、価格はどうやって産み出されたのか。「どこかに落ち度があるに違いない。」そんな意地悪な気持ちでじっくり味わおうと一口、また一口、もう一口じっくりと味わおうと思っていても気がつけば口に運ぶ加速度は増しパクパクパクパク。

おいしぃいいいいいい!

やっぱりおいしい!分析なんかできなーい!どうやって作ればこんなに簡単においしくできるのも全然わかんなーいっていうか美味しくて意地悪な気持ちも吹っ飛ぶ!味の素すごすぎない?どうやって作ってるの!?

もう紛れもなくそのおいしさは、愛。何もかも包み込む愛。挽き肉と野菜と共に包み込まれた愛に私もまた包まれる。餃子In私。

味の素の冷凍餃子、それは確かにそこにある一つの愛のかたちなのです。

あー、おいしい。かんぱーい!



来年またなにかやれたらいいな