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統計を用いて社会心理学を学べる!【社会学部 稲葉ゼミ】

今回の記事では、稲葉ゼミを再度ご紹介します!今回は2年前の記事で扱うことができなかったあれこれや、2021年度のゼミの様子について、稲葉ゼミ3年の成重さんにインタビューをさせていただきました。

↓ 前回(2019年)の記事はこちら

■社会心理学でマーケティング?

――成重さんが稲葉ゼミを志望されたきっかけは何ですか?

 私自身、社会学部で学んでいくうちにマーケティングに急に興味が湧いてきたんです。数学の単位の制約が厳しくて転学部は断念したのですが、社会心理学であれば消費者心理や消費者行動ということでマーケティングに近いことが学べるなと思って稲葉ゼミに入りました。

――マーケティングに関連した社会心理学ですか!具体的にどんなトピックを扱っているのですか?

 例えば好きな芸能人が使っているものを買いたくなることってあるじゃないですか。社会心理学ってその場に居合わせた人の中で心理学的に発生することを調査する学問なので、自分たちの購買行動がどんなことに左右されているのかも社会心理学に含まれるんです。

――他のゼミテンの方はどんなことに関心を抱いていらっしゃいますか?
 
 稲葉ゼミではRを用いた統計も行うので、「量的データ解析法Ⅰ」などを受講して統計学に関心を持った学生も居ます。あとは先生のご専門が「噂」についてなので、メディアやジャーナリズムに興味がある学生も多いですね。学年によってカラーが異なるようで、政治に興味がある学年、マーケティングに興味がある学年……とさまざまです。皆目を向けている方向が少しずつ違うので、議論がとても盛り上がって楽しいです。

――2年前の記事にもありますが、Rを用いた統計を行うのも稲葉ゼミの特徴ですよね!

 心理学の実験においては実験で得られた結果が妥当かどうかを統計的な手法でチェックすることがとても重要なので、4年生になって自分の領域に応用できるよう3年生ではRの練習をします。

――プログラミング言語に全く触ったことのない方でもついていけるでしょうか?

 まったく問題はありません!先生はパソコンの電源の入れ方レベルから優しく教えてくださいます。私も最初は不安があったのですが、ゼミテンと助け合いながら頑張っています(笑)

■ゼミのスケジュール

――ではゼミの具体的な内容についてお話を聞かせてください。どのようなスケジュールで進めていくのでしょうか?
 
 概ね2年前の記事と同様です。3年生は次年度の研究に向けて関連書籍を読んだり、Rの基礎を学んだりします。夏に論文発表、冬にグループ発表があることも変わりません。
 夏の論文発表について、夏休みの課題として論文を1本執筆するのですが、自分で統計処理を施さなければならないので良い実践的演習になりました。

――授業はどのように進めていくのですか?
 
 基礎となる本を数冊読んできて、チームでディスカッショントピックを決め、全体でディスカッションをするという形を春夏学期では取っていました。今年度は『創造の方法学』や『「社会調査」のウソ』、有斐閣の『社会心理学』などを読みました。あとは月に1回、読書課題として先生指定のリストの中から1冊を選び、感想やメモを書くというものがあります。毎回の授業の流れとしては、前半でディスカッションを行い後半でRの実習をするという形です。

――稲葉ゼミを含む、社会心理学系のゼミを志望する方に、これまでに役に立った授業やおすすめの科目はありますか?

 「社会心理学Ⅰ(社会的分野)」「社会心理学Ⅱ(心理的分野)」や「心理学」など、「心理学」と名の付くものは基本的に取っておくと良いかなと思います。「マスコミュニケーション基礎論」は大部分で稲葉ゼミと領域が被っています。あとは先程も話した通り、「量的データ解析法Ⅰ」を受講して統計を学びたくなり稲葉ゼミに来た、というゼミテンも居ますね。
 一橋は心理学系の授業が少なく毎年抽選倍率も高いので、単位互換制度を使って他大学で心理学の授業を取るのもおすすめです(※成重さんはお茶の水女子大学で心理学の授業を受講していたそうです)。あとこれは授業……ではないのですが、東大などが実施している心理学実験のバイトに参加するのも楽しいです。

――心理学実験のバイト!?そんなものがあるんですね……!

 はい!たまにTwitterなどで募集がかかっているんですよ。ただ静止映像を見つめて、それが動いたらボタンを押す……みたいな実験にも参加しました(笑)心理学的な実験の方法は授業でもよく習いますが、それを自分の体験に落とし込める機会ってあまりないと思うんです。なので、学外でそういった活動に参加してみると学びの幅が広がるんじゃないかなと思います。

■明るくアットホームな雰囲気

――それではゼミの雰囲気について伺いたいと思います。どんな雰囲気のゼミですか?
 
 明るい学生が多く、アットホームな雰囲気です。皆落ち着いていて、優しいです。現在はコロナ禍で飲み会や夏合宿などはできなくなってしまいましたが、それでもゼミテンはかなり仲が良いと思います。普段から「インスタに何故皆友達の写真を上げたがるのだろう……?」といった社会学部カラー強めの会話を交わしています(笑)

――とても楽しそう……ちなみに先生はどんな方ですか?

 見た目以上に優しくフレンドリーな方だと思います。最近はリングフィットアドベンチャーにはまっているらしいです(笑)社会心理学は普段の私たちの生活に密接しているので、若者文化を含めた世の流れや流行には敏感で、お詳しいなと思います。

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↑ 「マジョリティ」のパワーというテーマに関連して、休み時間中に突如欅坂46の『サイレントマジョリティー』を流し始められた際の様子。しかし先生曰く、アイドルの曲としては『二人セゾン』がお好きとのこと。

――これまでのお話から先生がとても寛容でお優しい方なのがよく伝わってきました。ゼミ情報の欄に先生は「飴と鞭を使い分ける方」という記載がありましたが、どんな場面で鞭を感じますか?

 Rの課題をチャットで提出するのですが、間違った解答を送ると修正が入って返ってくるんですよね。そのときコメントで「詰めが甘い!」と。指導すべきところはきちんと厳格に指導を入れる、そんな先生だと思います。

■周りで起こる現象について問いかける癖がついた

――成重さんが稲葉ゼミに入ってよかった、と思うことは何ですか?

 就活の面接時に「社会心理学でRを学んでいる」と企業の方に言うと、結構興味を持ってくださるんですよね。なので、その点でもRはアドバンテージになるスキルなのではないかと思います。それと、社会心理学を学ぶようになってから、自分の周りで起こる現象について「何故こうなっているのだろう?」と常に問いかける癖がついたように思います。

――稲葉ゼミを検討している学生さんに一言お願いいたします!

 多岐に渡るトピックを扱っているゼミなので、少しでも自分の関心と重なる部分があれば思うままに研究が進められる環境だと思います。さまざまな関心を持ったゼミテンが居るので、所属中に新たなことに関心が湧くといったこともあると思います。「日常の中のこの行動ってこんな心理に基づいていたんだな」ということを詳しく学びたい方、稲葉ゼミでお待ちしています!

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