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十二国記はじめました『月の影 影の海 (上) 十二国記 1』(小野不由美)【読書ログ#143】

『月の影 影の海(上)十二国記1』(小野不由美)

とうとう手を出してしまった。

十二国記はずっと気になっていたのだけど、未完の物語にはなるべく手を出したくない気質なので、じっと我慢をしていました。

でも、でもですね。18年ぶりに新刊が出たわけですよ。そして、にわかに私の周りの方々がざわついているわけです。書店員も何かざわついているわけです。ソワソワしているの。発売前から特設コーナーが出来たかと思うと、既刊本が並びだし、日に日に店員の手書きのポップが増えていくのを見ると、どうしたって気になるわけです。

書店員さんのはしゃぎっぷりが手に取るようにわかる。ああ、書店員って本が好きなんだな! と分かってほっこりしたよ。

で、気になって、気になって、本が好きな友人に「あれって、面白い?」とか聞いちゃうんだけど、全員が全員「面白いよ!」と熱くレスポンスしてくる。

えー、ちょっとは批判的な方が居ても良いのに。と、思うのだけど、誰一人として悪いことを言わない。ネガティブな事を言わない。

べた褒め。超べた褒め。

丁寧にネタバレを避けながら、すごく魅力的に紹介してくるし。今から楽しめるなんて羨ましいとか言われる。

もう、ここまできたら読まないわけにはいかないよね。ということで買いました。既刊すべて買いました。

啓文堂で買いました。啓文堂でドサッと買ったら、書店員さんに「いい買い物ですね」って言われましたよ。初めてだよ、書店で店員さんに話しかけられるの。凄いな十二国記。

で、読みました。上巻読みました。なるほど、下巻だね? 下巻がすごいんでしょ? わかりました、下巻読みます。すぐ読みます。

上巻は、陽子が成長するための助走のような話が続きます。それは、彼女にはもう、居場所などないという事を、彼女に思い知らせる過酷な旅の話です。頑張れ、陽子。

あらすじを紹介です。

微妙にネタバレがあるかもしれないけど、きっと大丈夫。

日本で生まれ育ち、親の言いつけに従いたいしたことのない女子高に通う中嶋陽子は、毎晩同じ悪夢にうなされるようになる。

寝る度に同じ悪夢を見るのだが、徐々に輪郭がはっきりしてくる不思議な悪夢だ。最初は影のようなものだったのが、徐々に近づいてきて、やがてその影が異形の獣たあちであることがわかる。そして、その異形の獣たちは、夢をみるたびに近づいてくる。一か月かけてジワジワ近づいてくる。

学校生活は微妙だった、クラスメートとなじめず、表面的で窮屈な友人関係にうっぷんをためていた。だが、自分から何か変えていこうということは出来ない。目立ちたくない一心で、クラスで行われているいじめにも加担してしまう。だめな子だ。

理由など特になく、ただ、浮きたくない、目立ちたくないという理由で、宿題はみんなに写させるし、いじめに加担する。陽子はダメな子だ。

陽子はそんな自分に自己嫌悪を感じている。

家庭では、イマドキ見たことも無い男尊女卑な父親と、イマドキ見たことも無い従順な妻である母親が、奥ゆかしい女性像を押し付けてくる。

どこに居ても息苦しい。そんな陽子のもとに、突然「ケイキ」と名乗る男性が現れる。膝の裏まで伸びた超ロン毛で金髪。和装っぽい服装。しゃべり方はおじゃるまる。明らかに怪しい。

そこに妖魔の襲撃。異形の獣が陽子を襲う。ケイキは、僕と契約して主になってよと迫り、陽子の僕となる。そしてケイキはなぞの召喚獣を呼び寄せながら獣を退け陽子を助けつつ、嫌がる陽子を異界に連れていこうとする。

ケイキは説明が足りない、説明が足りないくせに、従わない陽子をバカ呼ばわりするし、怒鳴り散らすし、あきれたりする。まるで仕事の出来ないパワハラ上司だ。

ケイキは陽子に「決して無くすな」といいながら、鞘に覚められた剣を渡し、さらに謎の妖怪を憑依させ、その妖怪に身体を操らせ、剣を振るえるようにし、そのまま異世界に放り投げた。

パワハラな上に放任主義。実力社会の禍々しさを体現するケイキ。

異世界に放り出された陽子は、それはもう大変な苦労をする。見知らぬ土地は流浪人への差別が酷く、皆他人を陥れる事ばかりしている、ひどい人ばかりだ。

なぜか剣を通し覗ける「元の世界」は、両親も、友人も、担任も、すべての人が自分勝手に陽子の失踪をダシに、誰から構わず攻撃をし、いがみ合っている。それは、陽子思うような世界ではなかった。

そんな中で、妖魔をコツコツ倒し経験値を積んだ陽子は徐々にすれっからしになっていくが、妖魔との度重なる戦いにとうとう疲れ、行倒れてしまう。

(下巻に続く)

下巻よみます。すぐ、読みます。楽しみだ。

「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。