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毎日読書#178『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』(J・D・サリンジャー)

サリンジャーは生前、『ナイン・ストーリーズ』『ライ麦畑でつかまえて』『フラニーとズーイ』『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア―序章―』の4作しか世に出していない。

それ以外にも沢山書いていたのだけど、雑誌等に掲載されたきりで、書籍としては、前述の4冊のみの刊行。

日本では、『サリンジャー選集』とか、上記4冊以外の作品の翻訳もあれこれとあって、今日紹介する短編集にも入る『ハプワース16,1924』もずいぶん昔に読んではいたのだけど、新しい翻訳で読めるというのは嬉しい。嬉しいし、なんだかとても読みやすい。

『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』(J・D・サリンジャー)

今回翻訳された短編は、『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン少年やその兄の話が多く収録されるのだけど、『ナインストーリーズ』の最初に掲載されいた短編『バナナフィッシュに最適な日』で自殺をしたシーモアの理解につながる作品として「ハプワース16, 1924年」が掲載されており、サリンジャーファン的にはとても重要な短編集なのだ。

個人的にはライ麦よりも、グラース一族の話のほうが好きなので、賛否あるらしいが「ハプワース16,1924年」を新しい翻訳で読めたのはとても嬉しい。他の作品も良いね。どの作品もやっぱりサリンジャーはいいな! と思えるものだけど、個人的には「ロイス・タゲットのロングデビュー」が良かった。

生前に刊行されたのは4冊のみという話を書いたが、アメリカではいまでも書店で買えるのはその4作品のみと聞く。サリンジャーの作品をどこの国よりも多く読めるのが日本だなんて驚きよね。日本人に生まれて良かった。

死後発掘された未発表原稿に長編4本が含まれていて、近々刊行されるというニュースが数年前にあったけど、あの話はどうなったのかしら。

「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。