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毎日読書#177 『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ヤニス・バルファキス)

面白かった。読み物としてとても面白かった。

経済の仕組みやトピックを解説する本にふれてこなかった方は、最初に読むと良いランキング1位に本書を推薦したい。他を推薦できるほど明るくないけど。無駄に沢山読んできた身としては、とてもよく整理されていることはよくわかる。

『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ヤニス・バルファキス)

経済というか市場原理について、(たぶん)知っておくと良い事が網羅的に整理されている。しかも平坦な言葉で、わかりやすく書いてある。中学生位ならギリギリ読めるだろう。

しかし、この手の話はありとあらゆる書籍で語られてきた事でもあるので、ある程度この手の話題に触れてきた方には物足りないのかもしれないなと感じた。なので、あくまで初学者向けというか、トピックを拾っておけば十分満足だぞ、という方向けの本。

ただ、(悪く言えば)ありきたりなトピックでも、ストーリーを整理するだけでてきめんに面白いコンテンツになっており、その点ではとても勉強になった。

なんだか、いまいちな感想に聞こえるけど、とにかく面白い事は確かだ。

目次は以下の通り

プロローグ 経済学の解説書とは正反対の経済の本
第1章 なぜ、こんなに「格差」があるのか?――答えは1万年以上前にさかのぼる
第2章 市場社会の誕生――いくらで売れるか、それがすべて
第3章 「利益」と「借金」のウエディングマーチ――すべての富が借金から生まれる世界
第4章 「金融」の黒魔術――こうしてお金は生まれては消える
第5章 世にも奇妙な「労働力」と「マネー」の世界――悪魔が潜むふたつの市場
第6章 恐るべき「機械」の呪い――自動化するほど苦しくなる矛盾
第7章 誰にも管理されない「新しいお金」――収容所のタバコとビットコインのファンタジー
第8章 人は地球の「ウイルス」か?――宿主を破壊する市場のシステム
エピローグ 進む方向を見つける「思考実験」

読んでみてわかる、(たぶん)絶妙に上手な網羅性。

「君には 、いまの怒りをそのまま持ち続けてほしい 。でも賢く 、戦略的に怒り続けてほしい 。そして 、機が熟したらそのときに 、必要な行動をとってほしい 。この世界を本当に公正で理にかなった 、あるべき姿にするために 」


「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。