HHKBユーザーが分割キーボードに憧れてMistel の BAROCCO MD770 を買ってしまったので使えるようになるまで少し頑張った記録
パソコンにつなげるキーボードの話しです。久しぶりの投稿なのに本の話題ではありません。少しだけマニアックなキーボードの話しになります。
ちょっとリハビリがてら。記録がてらに。
HHKB一筋の人生
25年前にプログラマとして仕事をするようになったとき、初めて使った外付けキーボードがPFUの HHKB(Happy Hacking Keyboard)でした。
知る人ぞ知るスパルタン系キーボードであるHHKBですが、強いこだわりがあった訳では無く、仕事でSunのワークステーションを使っていたとか、最初に触れたキーボードがASCII配列だったとか、ハッカー文化への儚い憧れだとか、そんな様々な事情のANDを取った結果のHHKBでした。
最初はキー配列のクセの強さに難儀しましたが、一度このキー配列に慣れてしまうとそれが宿痾となり逆に普通のキーボードが辛くなるという。結局25年近く使っています。
斜めロゴが可愛かった初代Professionalから何度か買い換えが行われ、今は Professional HYBRID Type-S というBluetoothに対応しつつ静音化されたモデルを愛用しております。
それはもう大満足で使っています。
肩こりに悩まされ分割キーボードに憧れる
このまま両腕が健在であれば死ぬまでHHKBを使い続けるだろうと思っていたのですが、どうしても気になっていたものがありまして、それが分割タイプのキーボードです。
私は酷い肩こり持ちで、暇があれば「肩こり 撲滅」とか「肩こり 消え去った世界」とググっていたのですが、あるとき、分割キーボードが肩こり解消に効くらしいという記事を見かけ、それがずっと心に残っておりました。
分割キーボードは、その名の通りキーボードの中央分で半分に別れている製品なのですが、この左右に分かれたキーボードを離して利用することで胸が開き、その体制が肩こりを予防するという理屈です。
大変に気になる。
しかし、分割キーボードというのはイコール自作キーボードの世界にも繋がっていて、どうやら踏み入れると帰ってこれなくなるらしいのです。
HHKBはキーの数がフルサイズの60%程度しかなく、ただでさえキーが少ないと世間から迫害されがちですが、自作キーボードの世界では数字キーすらない40%キーボードだとか、キーが整然と格子状にならんでいるだとか、片手で操作するものだったりとか、ちょっともう「変態性」と頭につけても良い世界が広がっています。
ただでさえ(少しだけ)変わったキーボードを使っていて、家族から使いにくいと迫害されがちなのに、さらに変態性を磨くわけにはいきません。
ということで、憧れつつも避けていたのが分割キーボードの世界でしたが、うっかり既製品で良さそうな製品をみつけてしまい、うっかり衝動買いをしてしまいました
Mistel BAROCCO MD770 というメカニカルキーボードです。
ASCII配列。メカニカルタイプ。そして既製品。
85個もキーがあるので、余計なキーだらけで使いにくそうだなと思いつつ、自作を避けると他にめぼしい選択肢もなさそうなので、エイヤーと購入です。
実は、Mistelには62キーのモデルもあって、一見HHKBとの類似性を感じるのでこちらにしようと思っていたのだけど、こちらには致命的な問題があったので85の方にしました。
62キーモデルですが、HHKBユーザー的な問題として、まず、左のShiftキーの横にFnキーが無い。これでは、HHKBユーザーはカーソルが使えなくなってしまいます。
また、ESCキーが正しい位置にあるのは良いのですが、そのせいで追い出されたチルダキーが行方不明になっています。(Fn+ESCで入力するっぽい)
本来は右上にチルダキーを置きたいのですが、物理的にキーの数が足りないので、持っていく所がありません。
これでは人生をHHKB配列に絡め取られた人間には活用が難しい。
しかし、85キーの方は、完璧ではないが、どうにかなりそうな雰囲気を感じます。大は小を兼ねる的な感じで。
まず、左Shiftの横にFnキーがある。これは重要。さらに、ESCキー周りに余計なキーがあるので、そのあたりにチルダキーを割り当てらればなんとかなりそうだ。
ということで色々とキーマップを替えた
ということで、MD770のキーマップをいじっていきます。
まず、左上の処理として、ESCとチルダを入れ替えました。
そして、チルダはひとまず左上に退いていただきました。
続いて、右側。
Backspaceをバックスラッシュを入れ替えて、Backspaceを正しい位置に配置しました。
ここはキーキャップの変更が効かないので、キーキャップはそのまま。仕方なし。
多分、交換用キーキャップが買えると思うので、いずれ購入しようと思う。
続いて、カーソルキーを正しい操作で使えるようにするため、上カーソルキーをFnにし、Fn+ ] ; ' / でカーソル操作が出来る様に設定します。
上カーソルキーがFnになるのですが、HHKBだとFnは右下となり、小指で探しやすいのでタッチタイプに支障が出ないのですが、このキーボードは右に余計な一列があり、手探りでFnを探すのが難しい問題が起こりました。
これは、キーボードに付属してきたなぞの飛行機キーに差し替えることで対応しました。上列用のキーらしく、高さがあるので小指で手探りをしても見つかるようになりました。
最後に最下段。スペースバーのある最下段は邪魔なキーが多くて気になるのですが、利用したいキーだけ上下逆さにキーキャップを取り付け、タッチタイプ時に間違えないようにしました。
右端のキーは全部邪魔なので、Insから時計回りにFnキーまでキーキャップを外してみたのだけど、これは、LEDが目に刺さりまぶしいので元に戻し、そのかわり誤爆しても問題が無いよう、全てのキーをコントロールキーに割り当てました。
ということで、MD770をHHKBライクに使うカスタマイズが完了したのでテストランです。
一週間使ってみた
これで1週間くらい利用しましたが、下記のような問題がありつつも、概ね問題無く使えています。
チルダが左上はやっぱり不便。Slackを使っていると間違ってバックスラッシュを連打する。
Fnキーを手探りで探すも、割と誤爆しがち。
小指の性能が低く、キーの高さを変えても誤打しがち。よってInsから時計回りに元Fnまで全てキーキャップを取り去った。どうせキーボードは見ないのでまぶしくてもOKだ。
キー配列の問題ではないけど、Shiftを押しながらカーソルキーで文字選択をする際。先にFnを押下していると、Shiftキーがキャンセルされてしまうようで、文字選択が出来ないというクセがあり、コレに難儀しています。
最初にShiftを押してからFn+キーでカーソル移動をしないとなので、選択されずにカーソルだけ動かしちゃう事が多発。HHKBでは先にFnを押していてもShiftが効くのでどうしたものか。
あとは、たまに左側のキーボードが使えなくなるので、USBの抜き差しが必要になります。これは、左側だけLEDが消えるので、その状態になったら、右側とPCを繋ぐUSBを抜き差しします。2日に1回位遭遇するので結構面倒。
肝心の肩こりはどうか?
まだ実感がありません……
二三ヶ月使ってみて、また感想を投稿しようと思います。
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。