【基礎用語解説】LiDAR
一言でいえば…
“Light Detection And Ranging”の略称で、光を使用して物体や環境の距離や形状を計測する技術です。特徴としては、
電波を使って測定するレーダーに対して、LiDARはレーザー光を使って測定するため、高い精度で位置や形状などを検出できます。
自動車の自動運転技術、ドローンのナビゲーションや衝突回避、工場や倉庫の環境マッピングやロボットアームの精密操作などに使用されます。
デメリットは値段が高いことです。安いものは数千円程度ですが、自動運転車のようなハイエンド品は単価で100万円以上になってしまうものもあります。
LiDARの原理
レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定します。
自動運転技術で従来用いられてきたミリ波レーダーとのLiDARの違いは、簡単に言えば、使用する電磁波の波長範囲です。ミリ波レーダーは電磁波の中で波長が1〜10 mm、LiDARでは1~700 nmの赤外線が使用されています。
より短い波長をもつ電磁波を用いることによって、ミリ波では捉えられない物体検知が可能となるのです。
そもそも物体を認識するとはどういうこと?
それでは、さらに根本的な理解に迫っていきましょう。
まずはそもそも物体を検知するとは、どのような原理なのでしょうか?
みなさんのお手元にリンゴが置いてあるとしましょう。リンゴがそこにあると認識するには、どうすればよいでしょうか?
手で触る(触覚)
においを嗅ぐ(嗅覚)
食べる(味覚)
音を聞く(聴覚)
目で見る(視覚)
リンゴから音は出ないので、聴覚はあまり役に立たなそうですね(笑)
この中で最も一般的なのは ”視覚” でしょう。
では視覚で物体を認識するとは、どういうことでしょうか?
正解は、特定の電磁波を当てた時に反射してくる電磁波を目の視細胞が受け取っている状態、です。波という概念が、ちょっとわかりずらいですね。
例を出して説明しましょう。
湯舟にアヒルのおもちゃを浮かべています。こんなのです↓
目をつぶった状態で、どこにアヒルが浮いているかを知りたいとしましょう。どうすればよいでしょうか?
答えは、水面を叩いて自分を中心とした波を作り、アヒルに衝突して帰ってきた波を感じればよいのです。その方向にアヒルが居ると判断できます。
この水面の波が光と同じです。反射してきた波を観測することで物体が存在することを観測することができます。
ではここでクイズです。
なぜ波長が小さい方が、より小さい物体を検知できるの?
ここまでの知識で説明できますか?
答えはこちら↓
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