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日立、🌟 画期的な磁場観察技術を開発!カーボンニュートラル社会実現への一歩

発表日:2024年7月4日

概要

2024年7月4日、株式会社日立製作所(以下、日立)、九州大学、理化学研究所(以下、理研)、HREMは、共同で日立の原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡を用いて、世界初となる格子面それぞれの磁場観察に成功しました!
この技術革新は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた高機能材料や省エネデバイスの開発に大きな一歩をもたらします。


研究の背景

現代社会では、電子デバイスやモーターが不可欠です!これらは、スマートフォン、コンピュータ、自動車、鉄道、発電所など、多岐にわたる用途で使用されています!

その性能は、物質の最小単位である原子の並びや電子の振る舞いに大きく依存しています。そのため、新しい機能の発現や性能のさらなる改善を図るために、物質を原子レベルで観察する技術が求められていました。

開発技術のポイント

🌐 電子線ホログラフィーの精度向上を実現する大量画像自動取得技術

電子線ホログラフィーの精度は、取得する画像データの数が多いほど向上します!日立が2017年に開発した技術を基に、データ取得中の顕微鏡の自動制御・調整や撮影の高速化を図ることで、超高分解能を維持しながら約8.5時間で1万画像以上の自動取得を実現しました!

2.🎯 微小なピントずれを自動補正するデジタル収差補正技術

高い分解能を得るためには、撮像データに残る微小なピントのずれを補正する技術が必要です!このアイデアは、1948年にデニス・ガボール氏が電子線ホログラフィーを発明した時に提案されたものでしたが、自動的に補正する技術はこれまでありませんでした!

今回、焦点を変えて得た電子波を解析することによりピントを補正する手法を電子線ホログラフィーに適用し、ノイズの影響を低減する独自アルゴリズムを開発することで、自動補正に成功しました!

3.🌈 原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の性能

本技術を原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡に適用し、原子層ごとに異なる大きさと向きの磁場をもつ磁性体を観察しました!

シミュレーションと比較検討した結果、均一ではない試料の観察が可能な手法として世界最高性能となる0.47nmの分解能で、物質内部の格子面それぞれの磁場を観察することに成功しました!

研究の意義と今後の展望

この成果により、デバイスや物質中の界面構造と磁場の関係を詳細に観察できるようになりました!これにより、将来のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、高機能材料や省エネデバイスの開発が加速されると期待されます!

理研のコメント

理研 創発物性科学研究センター 強相関物性研究グループの十倉好紀グループディレクターは、「本成果は格子面レベルで磁場を直接観察することができる新しい電子顕微鏡法であり、物質科学の発展への貢献が期待されます!今後、本手法を活用することで電力損失を大幅に抑えた革新的なエレクトロニクスの原理構築やデバイス開発の道が拓かれると確信しています」とコメントしています!

研究の詳細

本研究の一部は、最先端研究開発支援プログラムにより、独立行政法人日本学術振興会を通じた助成、および国立研究開発法人科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業チーム型研究「計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用」(研究総括:雨宮慶幸 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 特任教授)の支援を受けたものです!

日立の原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の紹介 🔍

概要説明:日立のウェブサイト 📽️
紹介動画:日立のビデオ 2015年2月18日 日立ニュースリリース 「原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡を開発し世界最高の分解能43ピコメートルを達成」

まとめ

  • 世界初の格子面磁場観察:日立の原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡により、不均一試料の磁場をレベルで観察可能に!

  • カーボンニュートラル社会への貢献:高機能材料や省エネデバイスの開発加速!


ハッシュタグ

#日立 #九州大学 #理化学研究所 #ホログラフィー電子顕微鏡 #磁場観察 #カーボンニュートラル #科学技術

専門用語解説

  • 原子分解能:原子レベルでの観察が可能な精度。

  • ホログラフィー:光の干渉を利用して立体像を作る技術。

  • 電子線ホログラフィー:電子を使ったホログラフィー技術で、超高分解能で物質の構造を観察する技術。

  • デジタル収差補正:撮像時の微小なピントずれを自動補正する技術。

参考文献


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